スポーツ栄養WEB 栄養で元気になる!

SNDJ志保子塾2024 ビジネスパーソンのためのスポーツ栄養セミナー
一般社団法人日本スポーツ栄養協会 SNDJ公式情報サイト
ニュース・トピックス

持久力を支えるグリコーゲンローディング、それを支えるアラニンとプロリン

持久系スポーツのパフォーマンスを高める戦略として、糖質を積極的に摂取するグリコーゲンローディング(カーボローディング)が古くから研究され、実際に広く用いられている。改めて説明するまでもないながら、糖質の摂取はアスリート以外にも有用で、例えば長時間の身体活動を必要とする労働にも役立つ可能性があり、多くの人に知っていただくため、まず簡単に解説する。

このページの内容は、主に「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」に掲載されている情報を基にまとめました。より詳しくは同サイトをご覧ください。

アミノ酸を科学的に学べるサイト「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」を公開 味の素

「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」へ

活動のエネルギーの源「グリコーゲン」のストックを増やすと持久力がアップする

細胞のエネルギー源として使われる「ブドウ糖」は、血液によって全身に供給されている。しかし血液中に溶けているブドウ糖、つまり「血糖」の量はわずかであり、補給しなければすぐに使い果たしてしまう。

糖質食品を口にすれば血糖を補給できるのだが、競技中やトレーニング中、ゆっくりと食事をとるわけにはいかない。そのような状況では、ブドウ糖を貯蓄できるかたちに変化させてあるグリコーゲンが分解され、血糖値が維持される。しかし、そのグリコーゲンの量にも限りがあり、持久系スポーツなどでは競技の終盤までもたず、パフォーマンスがガタッと落ちてしまうことがある。いわゆる“スタミナ切れ”だ。

二つの視点でグリコーゲンローディングを考える

何らかの方法でグリコーゲンの貯蓄を増やすことができれば、持久系スポーツのパフォーマンスを向上できると考えられ、実際にその方法が開発されて用いられている。試合前の一時期、糖質の摂取量を減らして試合直前に糖質を多く摂取するといった方法だ。

これに加えて、アミノ酸の働きを活用し、グリコーゲンの貯蓄を増やすという戦略もある。この場合に着目するアミノ酸は、「アラニン」と「プロリン」だ。この二つのアミノ酸については、グリコーゲン合成を高める作用をもつことが論文で報告されていた1)

アラニン+プロリン+糖質の持久系スポーツパフォーマンスへの影響

その後の研究により、糖質とこの二つのアミノ酸を組み合わせて摂取しておくと、運動中の血糖値の低下が抑制されることがわかってきた。血糖値の低下が抑制されるということは、エネルギーを使い果たす心配が少なく、スタミナ切れになりなくいということだ。

その効果は実際に検証されている2)

国内の大学男子サッカー選手を2群に分け、1群には試合前とハーフタイムにアラニンとプロリン、糖質が配合されたサプリメントを摂取してもらった。すると、試合終盤(後半の30分経過時点)に行ったYo-Yoテストでの走行距離が、対照群に比較し有意に長かったという。

試合時間が長時間に及ぶ競技種目のアスリートは、朝・昼・夕の3食以外にこのような機能的な素材を活用することが役立つようだ。

アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ

「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」へ

「アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ」(味の素)関連トピックス

引用文献

  • 1)Biochem J. 1991 Jan;273 (1): 57–62
  • 2)football science. 2018 ;15: 10-17
この記事のURLとタイトルをコピーする
志保子塾2024後期「ビジネスパーソンのためのスポーツ栄養セミナー」

関連記事

スポーツ栄養Web編集部
facebook
Twitter
LINE
ニュース・トピックス
SNDJクラブ会員登録
SNDJクラブ会員登録

スポーツ栄養の情報を得たい方、関心のある方はどなたでも無料でご登録いただけます。下記よりご登録ください!

SNDJメンバー登録
SNDJメンバー登録

公認スポーツ栄養士・管理栄養士・栄養士向けのスキルアップセミナーや交流会の開催、専門情報の共有、お仕事相談などを行います。下記よりご登録ください!

元気”いなり”プロジェクト
元気”いなり”プロジェクト
おすすめ記事
スポーツ栄養・栄養サポート関連書籍のデータベース
セミナー・イベント情報
このページのトップへ