熱中症による死亡ゼロを目指して 環境省「暑さ指数・熱中症アラート」情報発信がスタート
環境省は、4月27日~10月26日の間、熱中症を未然に防止するため、「環境省熱中症予防情報サイト」にて、暑さ指数等の情報を発信すると発表した。また、同期間には、環境省と気象庁が、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に対策を呼び掛ける「熱中症警戒アラート」を全国で運用する。
環境省「熱中症予防情報サイト」における暑さ指数等の情報発信開始
環境省の「熱中症予防情報サイト」では、4月27日~10月26日の間、熱中症発症の危険性を示す暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature;WBGT.湿球黒球温度)※の予測値・実況値等の熱中症予防情報とともに、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に発表する「熱中症警戒アラート」の情報についても発信する。
背景と目的
近年、気候変動やヒートアイランド現象の影響により、暑熱環境が悪化し、熱中症の発生が数多く報告されている。また、年平均気温は世界的に年々上昇しており、我が国においても上昇傾向にある。こうした中、熱中症による救急搬送人員、死亡者数は依然高い水準で推移しており、熱中症は高齢者に限らず、すべての世代の国民生活に直結する深刻な問題となっている。
これらに対応するため、環境省では平成18年度から「環境省熱中症予防情報サイト」にて、全国840地点における暑さ指数(WBGT)の予測値・実況値等、熱中症予防情報の提供を行っている。サイトへのアクセス数は、令和3年度は約4,400万件に上った。
熱中症発症の危険性を示す暑さ指数(WBGT)とは?
人体に与える影響の大きい湿度、日射等からの輻射熱、気温等を取り入れた指標。気温と異なり人体と外気との熱収支に着目した指標で、労働環境や運動環境の指針としてISO等で規格化されている。算出方法:暑さ指数(WBGT)=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
発信する情報等について
情報発信サイトは、「環境省熱中症予防情報サイト」(下記リンク先)。
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発信情報は、全国840地点の暑さ指数(WBGT)の予測値および実況値。予測値は、当日、翌日、翌々日について3時間ごとに発信。実況値は、現在の暑さ指数(WBGT)の実況推定値(実測地点においては実測値)。
なお、暑さ指数(WBGT)の実測地点は、札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、広島、高知、福岡、鹿児島、那覇という全国11地点。
ハイリスク日の前日夕方5時と当日の朝5時に「熱中症警戒アラート」を発信
環境省と気象庁は、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、暑さへの「気づき」を呼び掛け、国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」を、10月26日(水)まで全国で運用する。
背景と目的
近年、熱中症による救急搬送人員、死亡者数が高い水準で推移していることから、環境省と気象庁は令和2年夏に、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、新たに暑さへの「気づき」を呼びかけ国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート(試行)」を関東甲信地方で先行的に実施した。令和2年度の検証結果等を踏まえて、令和3年度から全国で運用を開始しており、令和4年度についても引き続き国民に熱中症予防行動を促すため、全国で運用を開始する。
「熱中症警戒アラート」の概要
熱中症警戒アラートは、全国を58ブロック(北海道、鹿児島県、沖縄県は細分化)に分けた府県予報区等を単位として発表する。
発表基準は、発表対象地域内の暑さ指数(WBGT)算出地点のいずれかで、予測対象日の最高暑さ指数が33以上と予測した場合であり、発表のタイミングは前日の17時、および当日の朝5時に最新の予測値を発表。
アラート情報は、上記の環境省「熱中症予防情報サイト」のほかに、個人向けメール配信サービス、環境省LINE公式アカウントでも配信される。
個人向けメール配信サービス
環境省が「熱中症予防情報サイト」にて提供している暑さ指数(WBGT)の予測値および実況値を、メール配信を行うバイザー(株)が運営する高速メール配信システム「すぐメール」により個人向けに配信するサービス。利用希望者は、「環境省熱中症予防情報サイト」のリンクページからバイザー(株)のサイト上の利用規約に同意の上、申し込む。
熱中症警戒アラートのメール配信サービス(無料)
暑さ指数 メール配信サービス(無料)
環境省LINE公式アカウント
環境省は、LINE公式アカウント「環境省」を開設し、熱中症予防対策の情報配信をしている。利用希望者は、「環境省熱中症予防情報サイト」のリンクページから、LINEアプリで「環境省」を「友だち」に追加する。
LINEアプリを活用した熱中症警戒アラート・暑さ指数の情報配信適切な熱中症予防行動の定着
政府は、本年4月13日に「熱中症対策行動計画」を改定し以下の目標を掲げ、これらの目標達成のために熱中症警戒アラートを活用して、熱中症予防行動のより一層の定着を目指している。
中期的な目標
熱中症による死亡者数ゼロに向けて、2030年までの間、令和3年に引き続き死亡者数が年1,000人を超えないようにすることを目指し、顕著な減少傾向に転じさせる。顕著な高温が発生した際に、死亡者数を可能な限り減らすことを目指す。
令和4年夏の目標
「熱中症警戒アラート」などに基づき、国民、事業所、関係団体などによる適切な熱中症予防行動のより一層の定着を目指す。関連情報
環境省熱中症予防情報サイトにおける暑さ指数等の情報発信開始について
令和4年度「熱中症警戒アラート」の運用開始について
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