シリーズ「熱中症を防ぐ」
4. 熱中症予防お役立ち情報
ヒートアイランド現象+温暖化で増加する熱中症
日本の夏は年々厳しくなっていることを多くの方が実感されているのではないだろうか。実際、都市部において真夏日・猛暑日の日数が増加傾向にある。例えば東京で気温30度を超える時間は20年前の2倍に拡大したという。これにはヒートアイランド現象に加え、温暖化も影響していると考えられる。
このことから、熱中症問題は今後も年を追うごとに深刻化していくと予測され、当面、改善されるとは考えにくい。
そのため、自分のからだを自ら守る情報を取集する努力が、今まで以上に必要になるだろう。そこでシリーズ最終回では、熱中症や夏ばて対策をテーマにした最新情報をキャッチできるWebサイトやサービスを紹介する。これらの情報を駆使して熱中症予防に万全を期すとともに、トレーニング効率を高めパフォーマンスの向上を目指そう。
運動・スポーツ活動時における熱中症の知識・予防
スポーツ庁が公開している動画「熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―」は、児童や生徒らの部活動、体育などスポーツ活動時に熱中症が発生した場合を想定し、熱中症の発生メカニズム、症状、対処法がまとめられている。
また、運動・スポーツに関連する各団体のWebサイトでは、熱中症に対するさまざまな情報を得ることができる。
- スポーツ庁「知っておきたいスポーツ時の熱中症対策」
- 日本スポーツ協会「熱中症を防ごう」
- 日本スポーツ振興センター「体育活動における熱中症予防 調査研究報告書」
- 日本スポーツ振興センター「学校屋外プールにおける熱中症対策」
生徒・学生・教職者には「全国学校のお天気」
予備校運営の東進ハイスクールは、全国の学校や関連施設の天気情報を案内している。各学校・施設ごとに、当日と翌日の、天気、気温、降水確率、降水量、湿度、風速、風向きを知ることができ、1時間ごとの移り変わりや45日予報もわかるので、試合や大会等のイベントの準備に活用できる。
熱中症の危険度予報
暑さを示す指数「WBGT」は熱中症の危険度の指標でもある。下記に挙げたWebサイトでは、全国各地のWBGTをもとに、熱中症の予報を知ることができる。
熱中症を知る
熱中症は、今後ますます深刻化すると予想される一方で、正しい知識を身につけることで予防することができる病気でもある。下記のWebサイトでは、熱中症に関する情報が豊富に揃っている。これらを参考して快適で楽しい夏を過ごそう。
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 気象庁「熱中症から身を守るために」
- 厚生労働省「熱中症関連情報」
- 学校安全Web「熱中症予防のための啓発資料「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」」
- 日本気象協会「熱中症情報」
- NHK NEWS WEB「熱中症 最新ニュースと対策」
- NHK「防ごう熱中症」
- 一般財団法人 日本気象協会「熱中症ゼロへ」
熱中症の患者数(速報)
熱中症で救急搬送された人の数、入院患者数などを速報で知ることができる。
熱中症に関する記事
- 脱水レベルは体重変化と尿の色の組み合わせで判断すべき 女性アメフト選手での検討結果から
- 熱中症による死亡ゼロを目指して 環境省「暑さ指数・熱中症アラート」情報発信がスタート
- 運動後には経口補水液の塩味がおいしく感じる スポーツドリンクおよび水との二重盲検試験
- なぜ自宅で熱中症に? 脱水の影響は数日単位で蓄積されることが判明 名古屋工大・同市消防局・横浜国立大学の共同研究
- 【熱中症】職業上の「熱ストレス」の影響と緩和戦略 数カ国での観察・介入研究の結果
- 文科省・環境省が「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」を公開
- 暑熱順化は、生理的順化+人工環境下でのトレーニングでパフォーマンスが向上する可能性
- 7月の熱中症による救急搬送人員は全国で8,388人 昨年から半減も、8月以降は急増
- メンソールは暑熱下の東京2020でエルゴジェニックエイドになり得るか? 専門家のコンセンサス
- 短期間の暑熱順化は有効か? 腎機能低下リスクは抑制しないが急性腎障害は減る可能性
- 7月から関東甲信地方で「熱中症警戒アラート」試験的運用開始 環境省と気象庁
- 暑さ+睡眠不足+体力消耗で間食摂取が増える? 消防士の山火事消火シミュレーションで検討
- スポーツ中の暑さ対策に関する考察・見解のまとめ オーストラリアからの報告
- 環境省が2020年の熱中症予防情報サイトを公開、「熱中症対策ガイドライン」も改訂
- 暑さの中での運動のための栄養戦略 オーストラリアのスポーツ栄養士の見解
- ヤングアスリートの熱中症予防システム 長崎大などが開発 部活動の自己管理を支援
- 2019年8月の熱中症による救急搬送 月別では近年で最多の3万6,755人
- シリーズ「熱中症を防ぐ」3. 学校や日常生活での注意点、子ども・高齢者について
- シリーズ「熱中症を防ぐ」2. 運動・スポーツ実施時、夏季イベントでの注意点
- シリーズ「熱中症を防ぐ」1. 熱中症の症状と応急処置
- 2018年は熱中症による救急搬送・死亡数が大幅に増加 夏を前に防止と処置の確認を
シリーズ「熱中症を防ぐ」
熱中症・水分補給に関する記事
- 子どもたちが自ら考えて熱中症を予防するためのアニメを制作・公開 早稲田大学・新潟大学
- 真夏の試合期の脱水による認知機能への影響は、夜間安静時には認められず U-18女子サッカー選手での検討
- 2040年には都市圏の熱中症救急搬送社数は今の約2倍になる? 医療体制の整備・熱中症予防の啓発が必要
- 東京2020で競技場外の医療機関を受診したアスリートの特徴が明らかに
- 暑い夏、外で遊ぶ子どもは首を冷やすと良い? 子どもの身体活動時間が延びる可能性
- バランスの良い食事が熱中症リスクの低さと関連? 国内学生アスリートの横断研究で有意な結果
- 今年も暑くなる!? 熱中症は情報で予防しよう! 環境省が熱中症特別警戒アラートほか情報提供サービスをスタート
- 日本人に必要な1日の水分は体重1kgあたり45~56mL
- 発表!「スポーツ栄養Web」2023年に最も読まれたニュースランキング・トップ30
- SNDJ栄養教育支援ネットワーク『Well-trition(ウェルトリション)事業』スタートのご案内