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シリーズ「熱中症を防ぐ」
1. 熱中症の症状と応急処置

シリーズ「熱中症を防ぐ

昨年(平成30年)5~9月における熱中症による救急搬送者数は累計9万5,137人と、10万人近くに上り、そのうち初診時の重症度が中等症以上だったケースが35%を占め、160名が亡くなった1)。ただしこの死亡者数はあくまで初診の段階での数値であり、治療介入の甲斐なく亡くなられた方の数値を含んでいない。熱中症による死亡者数については平成29年に635人と報告されていて、過去には平成22年に1,731人という記録もある2)

熱中症のリスクはさまざまなところに潜んでいて、対策をし過ぎるということはない。熱中症対策に関しては既に多くの報道がなされているが、ここで改めて数回に分け注意点を整理してみたい。まず初回は、熱中症の症状と発生状況について。

熱中症とは~原因と症状

熱中症とは、体温が上昇し体内の諸臓器が高温になることにより発生する障害をいう。重要なこととして、最悪の場合、死に至るという点を念頭に置いておかなければならない。

体温が上昇してしまう原因として、環境温度が高いことによる直接的な影響だけでなく、高湿度や脱水のために発汗が抑制されて熱放散が減少することによる影響も大きい。これに加えてスポーツとの関連では、運動強度・時間の負荷が加わる。

これらのストレスによる体温上昇と脱水とにより、熱疲労や熱失神などが起きてくる。具体的な症状としては、めまい、たちくらみ、だるさ、手足のしびれ、頭痛、筋肉のこむらがえり、吐き気、嘔吐、意識の低下、痙攣などがある。

熱中症の症状と重症度分類
熱中症の症状と重症度分類

熱中症の発生状況

先に述べたように、熱中症による緊急搬送者数は昨年、10万人近くに及んだ。その前年までもおよそ5万人前後で推移している1)

熱中症による救急搬送人員数と初診時死亡数の年別推移(6月〜9月)
熱中症による救急搬送人員数と初診時死亡数の年別推移(6月〜9月)

※2014年までは5月分の調査を行っていないため年別推移のグラフは6~9月で作成
平成30年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」(総務省)より引用改変
参考:過去の全国における熱中症傷病者救急搬送に関わる報道発表一覧

年齢をみると、約半数が高齢者、4割弱が18歳以上の高齢者を除く成人、1割強が7~17歳であり、この割合に大きな変動はみられない。

発生場所について平成30年の統計をみると、4割が住居で最も多く、続いて道路13.4%、屋外の公衆スペース12.8%、仕事場1(道路工事現場、工場など)10.8%であり、屋外での発生が少なくないことがわかる。近年、高齢者が自宅で熱中症になることへの注意喚起がよくなされているが、屋外活動中の注意もやはり万全の対策が必要と言える。その他の発生場所は、屋内の公衆スペース9.2%、教育機関内6.7%などが続く。

医療機関での初診時の重症度は、軽症が65%、中等症が32%、重症が2%であり、この割合も経年的な変動はあまりない。なお、軽症とは救急搬送されたものの入院加療を必要としなかったケース、重症とは3週間以上の入院加療を要したケース、中等症は軽症・重症および死亡以外のケースを指す。

重症度チェックポイントと周囲の対応

先に挙げた熱中症の症状がみられた時、その周囲に居合わせた人の迅速な対応が転帰を左右する。まず、重症度を把握し、適切と思われる対処をする。

重症度は、意識がはっきりしているか否か、水分を自分で飲むことができるか否か、応急処置によって症状が改善したか否かという三つのポイントで判断したい。環境省の「熱中症環境保健マニュアル 2018」では、重症度に応じて、救急要請する、医療機関の受診に付き添うなど、周囲の人がなすべきことをフローチャートで示している。

熱中症の応急処置

熱中症の応急処置

出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」

引用文献

  1. 総務省「平成 30 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」
  2. 厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より」

関連情報

環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」
日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」

シリーズ「熱中症を防ぐ」

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