ロシアの水球選手は競技期間中、1日に平均5,165kcal摂取している
ロシアの水球選手のエネルギー消費量・摂取量を調査した結果が報告された。
調査の対象となったのは19~29歳(平均23.1±0.6歳)の熟練した水球選手15名。身長は平均193±1cm、体重94.3±2.2kg、BMI25.35±0.40。全員がスラブ人男性だった。調査は2018年3月の競技シーズン中に行われた。
それによると選手の1日あたりの平均エネルギー消費量は4,350±539kcal、エネルギー摂取量は5,165±539kcalだった。摂取エネルギー量は平均的な男性のほぼ2人分に相当するが、乳製品や野菜、果物、魚介類の摂取は相対的に少なかった。それに対して菓子類の摂取量が多く、1日に平均5回以上、量にして600~800g摂取していた。また15名中4名は7~11人分に相当する菓子を摂取していた。
栄養素別にみると、脂質と炭水化物の摂取量の割合が多く、推奨値に対してそれぞれ1.3倍、1.5倍に及んだ。単糖類および二糖類の摂取量は1日あたり平均844.6g、脂質は462.5gだった。また塩分摂取量はWHO推奨値の6.5倍に達した。
この調査は、アスリートのパフォーマンス向上のためには適切な栄養摂取が必要であることから、まず栄養摂取量を評価することを目的に行われたもの。論文の結論では、本調査で得られた結果を基礎資料として、今後も同様の研究を継続していくことが重要だとまとめている。
なお、本調査においてエネルギー摂取量が消費量より多かった理由は、スポーツキャンプで提供されるメニューが充実していたこと、およびアスリートの過大評価が関与しているのではないかと考察している。
文 献
原題のタイトルは、「An analysis of the diet of members of the Russian national men's water polo team during the sports training camps」。〔Vopr Pitan. 2019;88(2):50-57〕