世界アンチ・ドーピング機構「WADA」が2026年の禁止物質・方法リストを公開
世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency;WADA)は1月1日、2026年禁止物質・方法リスト、およびモニタリングプログラムを発効した。

リストには、競技会内外を問わず禁止される物質と方法、および特定のスポーツにおいて禁止される物質が規定されている。モニタリングプログラムには、リストには記載されいないが、スポーツにおける潜在的な不正使用のパターンを検出するために、WADAがモニタリング対象とする可能性のある物質が含まれている。
2026年の主な変更点(抜粋)は以下のとおり。2025年9月11日に開催されたWADA執行委員会において承認されていた内容であり、すでにその時点で本コーナーにて取り上げた内容と一部重複するが、改めて紹介する。なお、詳細はWADAのサイトで確認のこと。
常に禁止される物質と方法(競技会検査と競技会外検査)
禁止される物質
蛋白同化薬
禁止ステロイドのエステルも禁止対象であることを明記。
ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質
Pegmolesatide(ペグモレサチド)を、新たなエリスロポエチン模倣薬の例として追加。
ベータ2刺激薬
サルメテロールの投与間隔を、治療効果を超える潜在的なエルゴジェニック効果を回避するため改訂。最大投与量は変更なく、24時間で200μg。
ホルモン調節薬および代謝調節薬
2-Phenylbenzo[h]chromen-4-one(2-フェニルベンゾ[h]クロメン-4-オン)〔別名ɑ-naphthoflavone〈α-ナフトフラボン〉または7,8-benzoflavone〈7,8-ベンゾフラボン〉〕を、アロマターゼ阻害薬の例として追加。この合成物質はサプリメント中に存在することが確認されている。
5-N,6-N-bis(2-fluorophenyl)-[1,2,5]oxadiazolo[3,4-b]pyrazine-5,6-diamine(5-N,6-N-ビス(2-フルオロフェニル)-[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4-b]ピラジン-5,6-ジアミン)〔別名BAM15〕を、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化薬の例として追加。この合成物質はサプリメント中に存在することが確認されている。
禁止される方法
血液および血液成分の操作
血液または血液成分の採取は、1) 医療検査やドーピング検査を含む分析目的、または、2) 当該国の関連規制当局によって認定された採取センターで行われる献血目的を除き、禁止されることが明確化された。ただし、多血小板血漿(PRP)および関連処置は引き続き禁止されていない。
一酸化炭素(CO)の非診断目的の使用が、禁止方法の新たなセクションとして追加された。一酸化炭素は、特定の条件下で赤血球造血を促進する可能性がある。総ヘモグロビン量の測定や肺拡散能の測定など、診断目的での一酸化炭素の使用は禁止されていない。この一文は、違法な使用と、自然なプロセス(例:喫煙)、環境(例:排気ガス)、または診断のための使用を区別するために追加された。
遺伝子および細胞ドーピング
既存の正常細胞または遺伝子組み換え細胞の使用禁止に加えて、細胞成分(例:核、ミトコンドリアやリボソームなどの細胞小器官)の使用も禁止される。
競技会(時)に禁止される物質と方法
禁止される物質
興奮薬
2-[Bis(4-fluorophenyl)methylsulfinyl]acetamide(flmodafinil/2-[ビス(4-フルオロフェニル)メチルスルフィニル]アセトアミド)、2-[bis(4-fluorophenyl)methylsulfinyl]-N-hydroxyacetamide(fladrafinil/2-[ビス(4-フルオロフェニル)メチルスルフィニル]-N-ヒドロキシアセトアミド)が、非特定興奮薬リストに追加された。これらの未承認物質は、modafinil(モダフィニル)およびadrafinil(アドラフィニル)の類似体であり、サプリメントとして販売されている。
グルココルチコイド
グルココルチコイドのウォッシュアウトに関する表の脚注として、「徐放性グルココルチコイド製剤の使用は、全身吸収の遅延により、ウォッシュアウト期間後もグルココルチコイド濃度が検出可能なレベルに達する可能性がある」と追記された。
なお、ウォッシュアウト期間については、禁止物質リストに関するFAQ(Frequently asked questions)およびグルココルチコイドと治療目的使用の免除に関するガイドライン( Glucocorticoids and Therapeutic Use Exemptions Guidelines)にも記載されている。
モニタリングプログラム
セマグルチドの尿モニタリングとしては、チルゼパチドのモニタリングも含まれることが明記された。
過去の変更および明確化に関する詳細については、禁止物質リストに関するFAQ(Frequently asked questions)を参照のこと。
関連情報
WADA’s 2026 Prohibited List is now in force







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