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プロテイン・クレアチン・オメガ3FAのアプリを筋力・持久力・回復の3項目で比較 ネットワークメタ解析

ネットワークメタ解析により、プロテイン、クレアチン、オメガ3脂肪酸という3種類のサプリメントの、筋力、持久力、回復に及ぼす影響を比較して順位付けした研究結果が報告された。この3種類の中では、筋力にはクレアチン、持久力にはプロテイン、回復にはオメガ3脂肪酸が最も有効である可能性が示されたという。

プロテイン・クレアチン・オメガ3FAのアプリを筋力・持久力・回復の3項目で比較 ネットワークメタ解析

スポーツ栄養サプリの有効性をネットワークメタ解析で比較

プロテイン、クレアチン、オメガ3脂肪酸(omega-3 fatty acid;ω3FA)という、アスリートの利用率が高い3種類のサプリメントは、既に多くの研究からパフォーマンス上の利点が明らかになっている。しかし、それらの研究の大半はプラセボなどを対照とした2群間で比較されており、それぞれのサプリ同士の比較はあまりなされていない。そのため、どのサプリが最も有効なのかという理解が進んでいない。

これと同じような研究ギャップは、かつて、医療における疾患治療薬の評価でも存在していた。しかし近年はネットワークメタ解析という統計学的手法により、この課題が解決されてきている。ネットワークメタ解析は、異なる介入を行った無作為化比較試験(randomized controlled trial;RCT)のデータを同時に比較して、累積順位曲線下面積(surface under the cumulative ranking curve;SUCRA)という値を算出し、介入効果を順位付けすることが可能となる。

スポーツ栄養の領域では、各研究の対象集団の均一性が臨床集団ほど高くない(競技種目、競技レベルなどに違いがある)ことや、介入プロトコル(摂取量や摂取期間、評価指標など)に研究間の差が大きいといった留意点があるものの、ネットワークメタ解析という手法を利用することはできる。今回取り上げる論文の著者らは、この手法により、プロテイン、クレアチン、ω3FAの有効性の比較を試みた。

文献検索について

システマティックレビューとメタ解析の推奨報告項目(PRISMA)ガイドラインに則して、MEDLINE/PubMed、Embase、CENTRAL、Web of Science Core Collection、SPORTDiscus、Scopusという6種類の文献データベースに、2025年10月までに収載された文献を対象とする検索を実施。収載された時期は制限せずに、各データベースのスタートからすべての文献を対象としたが、包括基準を満たす無作為化比較試験(RCT)の報告は2008年以降に収載されており、とくに2018年以降の増加が顕著だった。これは、スポーツ栄養領域でのサプリメント関連のRCTが近年になり盛んになったことを意味している。

包括基準は、日常的にトレーニングを行っている(研究参加の6カ月以上前から構造化されたトレーニングを実施している)アスリートまたは身体活動の活発な個人を対象とし、プロテイン、クレアチン、ω3FAによる、筋力、持久力、回復に対する介入効果を検討したRCTの報告であり、65歳以上の高齢者、疾患有病者、スポーツ経験のない対象での研究などは除外した。

一次検索で3,859報がヒットし重複削除後の2,156報を研究者2人が独立して、タイトルと要約に基づくスクリーニングを実施。採否の意見の不一致は討議または3人目の研究者が裁定し解決した。287報が全文精査の対象となり、最終的に35件のRCTの報告が適格と判断された。

解析対象研究の主な特徴

35件のRCTの参加者数は16~72人の範囲で中央値は32人、合計1,211人だった。年齢は範囲18~35歳、平均24.6歳であり、男性が71.4%を占めていた。北米からの報告が12件、欧州が11件、アジア8件、オセアニアが4件だった。

これらのうち、プロテインに関する研究が14件で参加者数583人、クレアチンの研究が同じく14件で417人、オメガ3脂肪酸(ω3FA)は7件で211人だった。また、筋力への影響を検討した研究が28件、持久力を検討した研究が15件、回復は18件だった。

筋力はクレアチン、持久力はプロテイン、回復はω3FA

論文では、ネットワークメタ解析の結果が、標準化平均差(standardized mean difference;SMD)と累積順位曲線下面積(SUCRA)として示されている。SMDは、異なる指標で評価されている介入効果を比較できるように、平均値の差を標準化したもの。SUCRAは値が高いほど、比較対象内における介入効果の相対的順位が高いことを意味する。

筋力に対する影響は、クレアチン、プロテイン、ω3FAの順

解析の結果、筋力に対しては、クレアチンによる介入効果がSMD0.46(95%CI;0.29~0.63〈p<0.001〉)、SUCRA82.4%であり、クレアチンが最も効果的な可能性が示された。

2位はプロテインでSMD0.33(0.17~0.49〈p<0.001〉)、SUCRA68.5%、3位はω3FAでSMD0.16(-0.06~0.38〈非有意〉)、SUCRA35.8%であり、4位はプラセボだった(SUCRA 13.3%)。

持久力に対する影響は、プロテイン、ω3FAの順

持久力に対しては、プロテインによる介入が最も効果的な可能性が示され、SMD0.28(0.08~0.48〈p<0.01〉)、SUCRA85.2%だった。

2位はω3FAでSMD0.18(-0.08~0.44〈非有意〉)、SUCRA52.4%、3位はプラセボ(SUCRA 33.8%)だった。クレアチンはSMD0.05(-0.26~0.36〈非有意〉)、SUCRA28.6%だった。

回復に対する影響は、ω3FA、クレアチン、プロテインの順

回復に対しては、ω3FAによる介入が最も効果的な可能性が示され、SMD0.40(0.18~0.62〈p<0.001〉)、SUCRA88.7%だった。

2位はクレアチンでSMD0.22(0.01~0.43〈p<0.05〉)、SUCRA58.3%、3位はプロテインでSMD0.17(-0.04~0.38〈非有意〉)、SUCRA45.6%であり、4位はプラセボだった(SUCRA 7.4%)。

目的にあわせたサプリメント摂取戦略が推奨される

以上に基づき著者らは、アスリートに対するサプリメント戦略について、「本研究の結果は、一律な推奨ではなく、主要なトレーニング目標に基づき的を絞ったサプリメント摂取アプローチを支持している。筋力の最大化を優先するアスリートはクレアチンサプリメントの摂取を検討すべきであり、持久力向上を重視するアスリートはプロテインの摂取量を最適化することで最も効果が得られる可能性があり、回復の促進を求めるアスリートはオメガ3脂肪酸サプリメントの摂取を優先すべきである」と総括している。

なお、当然ながら、上記の結論は本研究の対象とされた3種類のサプリメント内での優先順位であり、例えば持久力などにおいては、より有効性の高いサプリメントが存在する可能性もある。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Comparative Effects of Dietary Protein, Creatine, and Omega-3 Supplementation on Muscle Strength, Endurance, and Recovery in Trained Athletes: A Systematic Review and Network Meta-Analysis」。〔Nutrients. 2026 Mar 13;18(6):909〕
原文はこちら(MDPI)

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