日本人の食事の質を数分で判定するツールを開発 12の質問で健康的な食習慣を可視化 東京大学
東京大学の研究グループは、日本で初めて、個人の食事の質(ふだんの食事が健康的かどうか)を数分で調査できる12問の質問票を科学的根拠に基づき開発した。既存の質問票よりも短時間で回答でき、栄養の専門家でなくても食事の質を簡単にスコア化できるという。研究の詳細が「British Journal of Nutrition」に掲載されるとともに、同大学からプレスリリースが発行された。現在、質問票の妥当性を検証中であり、著者らはそれが確認され次第、健診・保健指導・研究での幅広い活用が期待されるとしている。

研究の概要:実用性を優先し、わずか12個の質問で食事の質を評価する
東京大学の研究グループは、日本で初めて食事の質を数分で簡単に調査できる質問票を開発した。この質問票は12問で構成され、回答者の過去1カ月の食習慣を尋ねることで、健康のために重要な10項目の食品・栄養素からなる「日本人のための食事の質スコア」※1を0~30点でスコア化する(図1)。
※1 日本人のための食事の質スコア:Diet Quality Score for Japanese(DQSJ)。日本人において、DQSJが高いと、その後の生存期間が長いことが報告されている。
図1 質問票が測定する日本人の食事の質スコア

質問票の開発にあたっては、食と健康に関する科学的根拠に加え、日本人の食事摂取量データなどに基づいて質問とスコア化の方法が設計された。
従来、食事の質を科学的に測定できる質問票は質問数が50問以上で回答に時間がかかることが課題であったが、本質問票は12問のみで、コンピューターなどがなくても簡単な足し算のみでスコア化ができる点が特徴。妥当性の検証後※2は、健診・保健指導・研究など、短時間で食事の質を把握したい場面での幅広い活用が期待される。
※2 妥当性の検証:本質問票で測定された食事の質スコアが、実際の食事の質スコアをどの程度正確に反映しているかを確認すること。本質問票の妥当性は、詳細な食事調査法と比較することにより現在検証中であり、論文投稿の準備が進められている。
発表内容:過去1カ月の食習慣を0~30点でスコア化
食事の質とは、食事全体の中で健康のために特に重要な食品や栄養素の摂取量を総合的に評価する考え方。現在までに食事の質を点数化する指標として、さまざまな食事の質スコアが開発されている。
本研究で用いた日本人のための食事の質スコア(DQSJ)は、食と健康に関する科学的根拠を基にし、日本人において慢性疾患や早期死亡を予防できるような食べ方を評価することを目的に開発された。野菜、果物、豆類、魚、全粒穀物、ナッツ、乳製品の摂取量が多く、牛・豚などの哺乳類の肉・加工肉、砂糖入りの飲料、食塩の摂取量が少ないとスコアが高くなる。
これまで、食事の質を測定するためには50問以上の質問からなる質問票や数日間の食事を記録してもらうなど、調査に時間がかかることが課題だった。そのため、限られた時間の中で食事の質を科学的に把握することは困難であった。
本研究では、DQSJの10項目と総スコアをできるだけ少ない質問で測定できるように設計し、12問からなる質問票を開発した。回答者は過去1カ月の食習慣について、頻度や量を選択することで0~30点のスコアが得られる。質問項目と各回答へのスコアの割り当ては、食と健康に関する科学的根拠および日本人の食事摂取量データなどに基づいて決定された(図2)。
図2 質問票の開発過程の概要

開発された日本語版の質問表を印刷し用いることが可能
本質問票は紙媒体でも実施可能で、簡単な足し算のみでスコア化ができる。
現在、本質問票の妥当性が検証中であり、妥当性が確認された暁には、医療機関・自治体・企業などでの健診・保健指導、および食事が主目的でない研究・調査において短時間で食事の質を評価できることが期待される。
研究グループでは、「今後は質問票の活用方法について、さらに検証を進めていく予定。論文の補足資料※3には紙媒体の質問票(日本語版)が添付されており、印刷して用いることが可能。ただし、この質問票は食事の質の測定に特化した簡易ツールで、摂取量の絶対量を評価したり、詳細な栄養素の摂取量を測定したりするためには、ほかの方法が必要」と述べている。
※3 論文の補足資料:PDFをダウンロードできるようになっている。日本語版質問票はPDFの後半にある。PDFダウンロードはこちら
プレスリリース
日本初:食事の質を簡単に数分で調査可能に―健診・保健指導・研究で活用できる 12 問の質問票―(東京大学)
文献情報
原典論文のタイトルは、「Development of a twelve-item screener for assessing diet quality in Japan」。〔Br J Nutr. 2026 Apr 14:1-10〕
原文はこちら(Cambridge University Press)







熱中症予防情報
SNDJユニフォーム注文受付中!

