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バレーボール選手のパフォーマンスを向上させるサプリメントを調査 18研究のメタ解析

バレーボール選手の身体能力や競技特有のスキルに対するサプリメントの効果を、システマティックレビューとメタ解析により検討した結果が報告された。垂直跳び、筋力、敏捷性など、いずれも有意な向上が認められたという。

バレーボール選手のパフォーマンスを向上させるサプリメントを調査 18研究のメタ解析

バレーボール特有のスキルにもサプリメントの効果を期待できるか?

バレーボールは60~150分ほどの試合時間の中で、ジャンプ、スパイク、ブロックおよび方向転換などの機敏な動作が繰り返し行われ、かつ戦術的な意思決定のための認知機能や集中力を要するという特徴をもつ。これらのスキルに関連する敏捷性やジャンプ力を、カフェインやβ-アラニンなどのスポーツサプリメントが高めることを示唆する研究報告が既にあるが、バレーボールのように断続的な要求に対して、どの程度有効なのかといった点は不明点が残されている。今回紹介する論文の研究はこの疑問について、システマティックレビューとメタ解析により検討を行ったもの。

文献検索について

システマティックレビューとメタ解析のための優先報告項目(PRISMA)に則して、Web of Science、PubMed、Embase、Cochrane Library、Scopusという5種類の文献データベースを用い、2025年12月8日までに収載された報告を対象とする検索を実施。包括基準は、バレーボール選手を対象にサプリメントによる介入を行い、身体能力やバレーボール特有のスキルへの影響を対照条件と比較した研究。除外基準は、16歳未満または65歳以上対象の研究あるいは臨床での研究、サプリメント介入単独の影響を分離することができない複合介入を行った研究、客観的な指標での評価がなく主観的評価のみでの報告、学会発表、学位論文、エディトリアル、プロトコル論文など。なお、採択された文献については、その参考文献のハンドサーチを行った。

一次検索で843報がヒットし重複削除後の601報を2名の研究者がタイトルと要約に基づくスクリーニングを実施。採否の意見の不一致は討議または3人目の研究者の判断により解決した。167報を全文精査の対象として、最終的に18件の研究報告を適格と判定し定性的な検討対象とした。また、効果量の検討に十分なデータがあった13件をメタ解析の対象とした。

メタ解析対象研究報告の特徴

メタ解析の対象とした13件は2011年以降に実施されており、2015年以前が6件、それ以降が7件だった。すべて無作為化比較試験であり、7件が並行群間試験、6件がクロスオーバー試験だった。盲検化については複数の研究でその実施が確認できたが、確認できない報告も含まれていた。

研究参加者数は8~48人で中央値15人、合計240人であり、平均年齢は21.0歳だった。9件の研究は男性のみを対象とし、全体として男性が78%を占めていた。競技レベルは、プロ、エリート、または大学レベルだった。

介入に用いられていたサプリメントは、カフェイン、β-アラニン、クレアチン、分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids;BCAA)、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸(β-hydroxy-β-methyl butyrate;HMB)などだった。このうちカフェインの用量は3~6mg/kgであり、とくに3.0g/kgが最も多かった。介入は短期介入(多くはテストの60分前)と長期介入(最長で11週間)に大別された。

メタ解析の対象となった全評価項目について有意なプラスの影響が示される

介入効果は、垂直跳び、筋力、敏捷性、競技特有のスキルについて、それぞれ一つの効果量を検討した。

垂直跳び

垂直跳びについては11件の研究で13種類の測定値が報告されていた。それらのうち3種類は、サプリ介入により有意な向上が報告されていた。メタ解析の結果、標準化平均差(standardized mean difference;SMD)が0.47(95%CI;0.24~0.70)と、サプリ介入により有意に向上することが示された。研究間の異質性は観察されなかった(I2=0%)。

これを介入期間で層別化した場合、短期介入(SMD=0.41〈0.12~0.70〉)、長期介入(SMD=0.56〈0.19~0.94〉)、いずれも有意な効果が認められた。

サプリの種類で層別化した場合、主としてカフェインを指す急性神経刺激サプリ(SMD=0.50〈0.20~0.79〉)は有意だったが、代謝およびエネルギー基質サプリ(SMD=0.60〈-0.16~1.37〉)と微量栄養素および回復サポートサプリ(SMD=0.32〈-0.17~0.81〉)は有意でなかった。

筋力

筋力については6件の研究で9種類の測定値が報告されていた。それらのうち3種類は、サプリ介入により有意な向上が報告されていた。メタ解析の結果、SMD=0.43(0.17~0.69)と、サプリ介入により有意に向上することが示された。研究間の異質性は観察されなかった(I2=0%)。

介入期間で層別化した場合、短期介入(SMD=0.38〈0.04~0.72〉)では有意な効果が示されたが、長期介入(SMD=0.49〈-0.03~1.00〉)ではわずかに非有意だった。

サプリの種類で層別化した場合、急性神経刺激サプリ(SMD=0.38〈0.04~0.72〉)は有意だったが、構造的(structural)回復サポートサプリ(SMD=0.49〈-0.03~1.00〉)はわずかに非有意だった。

敏捷性

敏捷性については4件の研究で5種類の測定値が報告されていた。それらのうち3種類は、サプリ介入により有意な向上が報告されていた。メタ解析の結果、SMD=0.89(0.54~1.24)と、サプリ介入により有意に向上することが示された。研究間の異質性は観察されなかった(I2=0%)。

競技特有のスキル

競技特有のスキルについては4件の研究で6種類の測定値が報告されていた。それらのうち2種類は、サプリ介入により有意な向上が報告されていた。メタ解析の結果、SMD=0.63(0.31~0.95)と、サプリ介入により有意に向上することが示された。研究間の異質性はわずかだった(I2=4%)。

より大規模サンプルでの研究が必要とされる

以上に基づき著者らは、「サプリメントはバレーボール選手の身体能力および競技特有のスキル向上に貢献する可能性がある。この知見はバレーボールにおけるスポーツパフォーマンスをサポートすることを目的とした、エビデンスに基づく栄養戦略に役立つだろう」と総括している。

その一方、解析対象となった研究の大半が小規模な研究であること、女性選手の割合が少ないこと、一部の研究で同一対象での異なる介入の結果が報告されていたことがメタ解析の結果に影響を及ぼした可能性があることなど、いくつかの留意点を挙げ、「より大規模な研究の必要性も浮き彫りになった」としている。

また、本研究におけるサブグループ解析については、より小規模なサンプルサイズでの解析となっていることから、仮説生成的なものとみなされるべきと付け加えている。

文献情報

原典論文のタイトルは、「Effects of nutritional supplementation on physical performance and sport-specific skills in volleyball players: a systematic review and meta-analysis」。〔Front Physiol. 2026 Mar 5:17:1763606〕
原文はこちら(Frontiers Media)

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