カルシウム+グルタミンは若年女性アスリートの骨密度および月経周期を改善する可能性
月経異常があり骨量減少のリスクが高い若年女性アスリートを対象として、カルシウム単独、グルタミン単独、それら両者併用、およびプラセボという4通りの介入を行った研究の結果を紹介する。90日間の介入の前後の骨密度はカルシウムを含む2群では有意差がみられ、カルシウム+グルタミン群でより顕著だったという。イランおよびインドの研究者らの報告。

女性アスリートのトライアドに対するカルシウムとグルタミンの影響を探る
女性アスリート、とくに若年の女性アスリートでは、摂食障害、無月経、骨粗鬆症という三主徴(トライアド)と呼ばれる状態の併存が多いことが知られている。例えば無月経の有病率は一般人口の2~5%に対して3~6%という報告がある。
これらの対策面に目を向けると、骨粗鬆症に対してはカルシウムの補給が骨量減少を抑制することが示されている。また、ヒトの筋肉や血漿中に豊富に存在するアミノ酸であるグルタミンは、身体ストレス後の回復や抗炎症作用を有することが知られている。とはいえ、カルシウムやグルタミンが、若年女性アスリートのトライアドに対してどのような影響を及ぼすのか、およびそれら両者を併用することによる追加のメリットはあるのかは明らかになっていない。
これを背景に、本論文の研究では、若年女性アスリートを対象とする無作為化比較試験を実施した。
プロアスリート40人を4群に分けて90日間介入
研究参加者は、2年以上の陸上競技の経験があり、国際大会に2回以上の参加経験があって、産婦人科医によって月経異常(無月経または希発月経)と診断されている18~24歳の女性アスリート。プラセボを含めた4群での並行群間無作為化比較試験により有意差を検討するために必要なサンプルサイズは、各群9人と計算された。介入中の脱落を見込み各群10人となるように40人を登録した。
参加者全員が、インドのプロアスリートであった。なお、除外基準として、妊娠・授乳中、慢性疾患の治療薬服用中または骨代謝に影響を及ぼし得る薬剤の服用中、サプリメントを利用中、喫煙者、飲酒者などとされていた。
カルシウムは1日500mg、グルタミンは5,000mgを1日2回(1日10,000mg)摂取とし、プラセボはマルトデキストリンを用いた。介入期間は90日間だった。
カルシウム摂取を含む2群でBMDが有意に変化し、グルタミン併用でより顕著な変化
介入前後の骨密度(BMD)を比較すると、プラセボ群とグルタミン群は有意な変化が認められなかった。それに対してカルシウム群(p=0.02687)、およびカルシウム+グルタミン群(p=0.01735)は有意な変化が認められた。介入後のBMDは、プラセボ群が最も低く、カルシウム群とカルシウム+グルタミン群の2群が高く、グルタミン群はその中間であり、それらの群間に有意差が観察された。
一方、血清カルシウム濃度の介入後の値は、カルシウム群が最も高く、他の3群との間に有意差がみられた。他の3群間には有意差がなかった。
このほかに評価された、カルシウムの吸収を高めるビタミンD3や、BMI、上腕周囲長には、群間の有意差がなかった。
カルシウム群とカルシウム+グルタミン群では月経異常が改善
この結果に基づき著者らは以下のように考察している。
まず、介入によりBMDレベルに有意差が生じ、カルシウム+グルタミン群は有意な変化を示し、カルシウム単独群よりもわずかに高い値を示したことについて、「グルタミンがBMDに及ぼす好影響によるものと考えられる」と述べている。
また、本研究の参加者は全員、稀発月経の既往歴を有していたが、カルシウム群およびカルシウム+グルタミン群の参加者では、正常な月経周期への有意な改善がみられたとし、「この結果は本研究のもう一つの強調すべき点である。カルシウムとグルタミンの併用は、女性アスリートの稀発月経を含む月経異常の改善に効果的であると考えられる」と述べている。なお、論文中には月経異常の該当者率の変化に関するデータは記されていない。
骨粗鬆症リスクのある人には、カルシウム、カルシウム+グルタミンの併用が推奨される
論文では研究結果と考察を述べたうえで、結論を「カルシウムおよびカルシウム+グルタミンのサプリメント摂取は、若い女性アスリートの骨密度の改善と維持、および月経周期の調整に効果があった。カルシウムとグルタミンの食事性欠乏症、または骨粗鬆症のリスクがある人には、カルシウムまたはカルシウム+グルタミンの併用摂取が一般的に推奨される」と総括している。
文献情報
原典論文のタイトルは、「The Effects of Calcium and Glutamine Co-supplementation on Body Composition and Bone Mineral Density in Young Female Athletes: A Randomized Clinical Trial」。〔Int J Prev Med. 2026 Feb 25:17:11〕
原文はこちら(Wolters Kluwer)







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