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WHOが初の「GLP-1薬の国際ガイドライン」策定 GLP-1薬・食事・運動の包括的アプローチ強調

世界保健機関(WHO)は先ごろ、「肥満治療におけるGLP-1薬の使用に関する国際ガイドライン」を発表した。健康的な食事、定期的な運動、医療専門家によるサポートを含む包括的なアプローチの一環として、肥満を抱える人々がこの深刻な健康課題を克服できるよう、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)の使用を条件付きで推奨している。一方で、GLP-1RAだけでは肥満の蔓延という問題が解決しないことを強調している。

WHOが初の「GLP-1薬の国際ガイドライン」策定 GLP-1薬・食事・運動の包括的アプローチ強調

世界中で喫緊の対策が必要とされている肥満

肥満はあらゆる国の人々に影響を及ぼしており、2024年には世界中で370万人が死亡すると予測され、さらに肥満人口の増大が予測されている。このような状況のなか、世界保健機関(World Health Organization;WHO)は、慢性再発性疾患としての肥満治療におけるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1)療法に関する初のガイドラインを発表した。同ガイドラインでは、健康的な食事、定期的な運動、医療専門家によるサポートを含む包括的なアプローチの一環として、肥満を抱える人々がこの深刻な健康課題を克服できるよう、GLP-1受容体作動薬(GLP-1 receptor agonist;GLP-1RA)の使用を条件付きで推奨している。

一方で、肥満は個人の問題であるだけでなく、多部門にわたる取り組みを必要とする社会的課題であることから、肥満対策には現在のアプローチを根本的に見直し、強固な人口レベル政策による健康増進と肥満予防を通じたより健全な環境の構築、対象を絞ったスクリーニングと体系的な早期介入による肥満および関連併存疾患発症リスクの高い個人の保護、生涯にわたる個人中心のケアへのアクセス確保が必要としている。

条件付き推奨とグッドプラクティスステートメントがそれぞれ2項目

本ガイドラインは、診療ガイドラインの策定に用いられる代表的なフレームワークであるGRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluations)に則してまとめられた。策定グループ(Guideline Development Group)には、研究者や臨床医、倫理学者のほかに、肥満患者も参画した。

2項目の推奨事項、および、2項目のグッドプラクティスステートメント(臨床においてエビデンス評価を必要としないほど明らかな実践事項)が掲げられている。以下は抜粋の意訳。

グッドプラクティスステートメント

肥満は、臨床評価と早期診断から始まる生涯にわたるケアを必要とする慢性の複合疾患である。診断後は、持続的な行動および生活習慣への介入を提供する、包括的な慢性疾患ケアプログラムにアクセスできるようにする必要がある。効果的な疾患管理サポートのため、適応次第で薬物療法、外科手術、またはその他の治療法が使用される場合がある。同時に、肥満に関連する合併症および併存疾患の予防と治療にも取り組む必要がある。

条件付き推奨(エビデンスの確実性は中程度)

肥満の成人では、GLP-1RAまたはGIP/GLP-1デュアルアゴニストが肥満の長期治療に使用されることがある。

グッドプラクティスステートメント

肥満を抱える人は、より体系的な行動介入への第一歩として、状況に応じた行動とライフスタイルの変化に関するカウンセリングを受けるべきである。これには、身体活動や健康的な食習慣などが含まれるが、これらに限定されない。GLP-1RAまたはGIP/GLP-1デュアルアゴニストを処方されている人には、最適な健康成果を増幅しサポートするための集中的な行動療法の第一歩として、行動とライフスタイルの変化に関するカウンセリングを提供する必要がある。

備考(栄養に関する項目のみ抜粋)

健康的な食事の基本原則はすべての人に当てはまる。健康的な食事の基本原則は四つ。1)欠乏症を防ぎ健康を増進するのに十分な必須栄養素を過剰なく摂取する、2)エネルギー摂取量とエネルギー源(脂質、炭水化物、タンパク質)のバランスがとれている、3)健康に悪影響を与える食品、栄養素、その他の化合物の摂取を控える、4)多様性があり、食品グループ内および食品グループ間でさまざまな栄養価の高い食品を含む。肥満の人は、毎日のエネルギー摂取量を減らすなど、減量をサポートするために追加の考慮が必要。ただし、可能な限り、トレーニングを受けた医療提供者と連携して処方およびモニタリングする必要がある。

条件付き推奨(エビデンスの確実性が低)

GLP-1RAまたはGIP/GLP-1デュアルアゴニストを処方されている肥満の成人には、包括的な多面的臨床アルゴリズムの一環として、併用介入として集中的行動療法を考慮してもよい。

関連情報

WHO issues global guideline on the use of GLP-1 medicines in treating obesity
WHO guideline on the use of glucagon-like peptide-1 (GLP-1) therapies for the treatment of obesity in adults

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