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過去の運動習慣にかかわらず、現在の身体活動量をより増やすことが寿命を延ばす 

現在の身体活動量をより増やすことが寿命を延ばす 過去の運動習慣とは関係なし

身体活動量が多いことが、心血管疾患やがんなどの発症、および死亡の減少と関連するとの報告は少なくない。ただしそれらの報告の大半は、身体活動量を一時点のみで評価しており、加齢やライフイベント等による変化が勘案されていない。本論文で報告された研究は、中央値12.5年の追跡期間中、3回にわたり生活習慣を繰り返し調査は、それらの変化に基づいた解析が行われた。

対象は、欧州での住民ベース前向きコホート研究「EPIC-ノーフォーク研究」の登録者のうち、英国在住の40~79歳の1万4,599名。1993~1997年の間に初回調査が実施され、ベースラインから平均1.7年後、3.6年後、7.6年後に追跡調査が行われた。身体活動量については、職業による活動量を5段階(失業中/座りがちな仕事/立ち仕事/身体作業/重い肉体労働)に分けるとともに、スポーツやレクリエーションの種類とそれに費やす時間によって評価した。17万1,277人年の追跡期間中に3,148名が死亡した(がん1,091名、心血管疾患950名など)。

ベースライン時から中央値12.5年後の最終評価の間にBMIは平均26.1から26.7に増加していた。また、身体活動による消費エネルギー量は 平均5.9kJ/kg/日(1.4kcal/kg/日)から4.9kJ/kg/日(1.2kcal/kg/日)に減少していた。そして追跡期間中に身体活動量が継続的に増加していた場合、ベースライン時の身体活動量とは独立して死亡率が反比例するという逆相関が認められた。

具体的には、消費エネルギー量が1kJ/kg/日(0.24kcal/kg/日)増加するごとに、全死因による死亡リスクはハザード比0.76(95%信頼区間:0.71-0.82)、心血管疾患による死亡はHR0.71(95%CI:0.62-0.82)、がんによる死亡はHR0.89(95%CI:0.79-0.99)と、いずれも有意なリスク低下がみられた。また、心血管疾患やがんの既往によって層別化し解析しても、同様の関連が認められた。なお、追跡期間中の消費エネルギー量1kJ/kg/日の増加は、例えばベースライン時に非活動的と判定された者が5年間にわたり徐々に活動量を増やし、WHOガイドラインが推奨する週に150分の中強度の身体活動という最低限の身体活動を満たすようになることに該当する。

ベースライン時の身体活動量とその経時的な変化を統合して解析すると、最初から一貫して非活動的だった場合に対し、ベースライン時の身体活動量や追跡期間中の増加によって、死亡リスクが以下に示すように低下することが確認された。

ベースライン時の身体活動量 追跡期間中の変化 ハザード比(HR)
なし1.00(基準)
増加0.76
減少0.90
なし0.72
増加0.62
減少0.80
なし0.67
増加0.58

著者らは、「過去の身体活動レベルや、体重、血圧、血清脂質など既知の危険因子の変化にかかわらず、より身体的に活発になることで大幅な長寿を獲得できる。強度が中程度の身体活動を週に150分行うというガイドラインの最低限の推奨でも、それを満たし維持できれば死亡リスクを46%減少できる可能性がある」とまとめている。

文 献

原題のタイトルは、「Physical activity trajectories and mortality: population based cohort study」。〔BMJ. 2019 Jun 26;365:l2323〕

原文はこちら(BMJ Publishing)

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