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運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著 令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査②

スポーツ庁「令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果、第2回目は運動時間やスクリーンタイムの変化などの調査結果を取り上げる。男子では運動時間の減少やスクリーンタイム(テレビ、パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機等の使用時間)の増加が女子に比べて顕著であり、それらの時間の長短と体力合計点との関連もみられる。

運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著 令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査②

令和3年度調査結果①はこちら

過去の調査結果(アーカイブ)はこちら

児童生徒の運動時間:週420分以上の割合が減少

1週間の総運動時間(体育の授業を除く)が420分以上の児童生徒の割合は、経年的に減少していることが示された。性別の比較では、女子よりも男子のほうが420分以上運動している児童生徒の割合が多いものの、減少傾向はより顕著。

小学生の運動時間
小学生の運動時間
(出典:スポーツ庁)
中学生の運動時間
中学生の運動時間
(出典:スポーツ庁)

運動時間別の体力合計点

1週間の総運動時間が420分以上の児童生徒は、それ以外の児童生徒と比べて体力合計点が高いことが示された。また、中学校の運動部活動の平均活動時間は経年的に短縮している。

運動時間別の体力合計点
小学生中学生
男子女子男子女子
420分未満48.452.833.241.8
420分以上56.959.343.353.3
全国平均52.554.741.148.4
(出典:スポーツ庁)
【中学生】運動部活動の1週間の平均活動時間
平成30年度令和元年度令和3年度
男子14時間48分13時間21分10時間58分
女子15時間2分13時間28分10時間46分
※基準値:週11時間(部活動ガイドライン)
(出典:スポーツ庁)

児童生徒の生活習慣

スクリーンタイムの状況:2時間以上費やしている割合が増加

学習以外のスクリーンタイムについては、視聴時間が2時間以上の割合が増加しており、とくに男子が長時間化している。

【小学生】スクリーンタイムの状況
小学生のスクリーンタイムの状況
(出典:スポーツ庁)
【中学生】スクリーンタイムの状況
中学生のスクリーンタイムの状況
(出典:スポーツ庁)

スクリーンタイムと体力合計点との関係

学習以外のスクリーンタイムが長時間になると、体力合計点が低下する傾向がみられた。

【小学生】スクリーンタイムと体力合計点との関係

小学生のスクリーンタイムと体力合計点との関係

(出典:スポーツ庁)

【中学生】スクリーンタイムと体力合計点との関係

中学生のスクリーンタイムと体力合計点との関係

(出典:スポーツ庁)

児童生徒の体格の状況

小・中学生の男子・女子ともに、肥満の割合が増加していた。とくに小学生の男女、中学生の男子は過去最大の数値となっていた。

【小学生】肥満に該当する割合の経年変化

【小学生】肥満に該当する割合の経年変化
(出典:スポーツ庁)

【中学生】肥満に該当する割合の経年変化

【中学生】肥満に該当する割合の経年変化
(出典:スポーツ庁)

体格別の体力合計点

肥満に該当する児童生徒は、その他の児童生徒と比較し、体力合計点が低い傾向がみられた。

体格別の体力合計点
小学生中学生
男子女子男子女子
痩身52.553.835.944.8
普通53.555.242.049.0
肥満46.850.235.043.4
全国平均52.554.741.148.4
(出典:スポーツ庁)

授業外の取り組みの実施状況

体育の授業以外で体力向上の取り組みを行った学校は、小・中学校ともに減少した。

【小学生】授業外の取り組み実施状況

【小学生】授業外の取り組み実施状況

(出典:スポーツ庁)

【中学生】授業外の取り組み実施状況

【中学生】授業外の取り組み実施状況

(出典:スポーツ庁)

スポーツ庁ではこれらの結果をもとに、「まずはコロナの感染拡大防止に努めつつ、体育の授業等においてできることから実施していくことが重要。そのうえで、コロナの感染状況を踏まえ、子どもの体力向上を図るために、運動やスポーツをすることが好きな子どもたちの育成を目指した体育授業の工夫・改善等の取り組みを一層推進するとともに、幼児期からの運動習慣の形成に取り組んでいく」としている。

令和3年度調査結果①はこちら

関連情報

令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(スポーツ庁)

スポーツ庁「体力・運動能力調査」アーカイブ

平成30年度(2018年度)

1.元気な高齢者が増えている!?
2.10代女性の運動習慣に明らかな差
3.ストレス解消、学力向上、達成意欲...スポーツのさまざまな効果と可能性

令和元年度(2019年度)

1.小学生男子の体力が過去最低
2.小中学生体力低下の原因は?

令和元年度(2019年度)

1.調査概要と加齢に伴う運動能力の変化
2.年齢別に見る体力・運動能力の年次推移
3.体力・運動能力を前回の東京五輪開催時と比較
4.幼児期の外遊びと小学生の運動・体力

令和2年度(2020年度)

新型コロナの影響か?「令和2年度 体力・運動能力調査」は、わずかに低下傾向

令和3年度(2021年度)

1.小中学生の体力が低下しているのは新型コロナの影響か?
2.運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著

令和3年度(2021年度)

①体力・運動能力の加齢に伴う変化
②青少年6~19歳の体力・運動能力
③成年20〜64歳と高齢者65~79歳の体力・運動能力
④10年間の調査結果の概観

令和4年度(2022年度)

①子どもの体力が3年連続低下
②中学女子以外は肥満の割合が過去最高
③体育が楽しい中学生の割合が過去最高

令和4年度(2022年度)

①体力・運動能力の加齢に伴う変化(全年齢)
②6~19歳の体力・運動能力
③20~79歳の体力・運動能力
④運動・スポーツ実施状況と体力、健康状態、生活充実度などとの関係性

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