スポーツ庁、令和3年度体力・運動能力調査①「体力・運動能力の加齢に伴う変化」
スポーツ庁はこのほど、「令和3年度体力・運動能力調査」の結果を公表した。同調査は、国民の体力・運動能力の現状を明らかにするため、最初の東京オリンピックが開催された昭和39年以来、毎年実施している。今回は、本年3月に第3期スポーツ基本計画が策定されたことから、第1期スポーツ基本計画が策定され開始された平成24年度から第2期計画期間が終了した令和3年度までの10年間の調査結果を概観した結果も示されている。
4回に分けて紹介する。その1回目は、令和3年度の調査結果のうち、加齢に伴う体力・運動能力の変化について。
体力・運動能力の加齢に伴う変化の傾向
握力(筋力)、上体起こし(筋力・筋持久力)、長座体前屈(柔軟性)の3項目は6~79歳、反復横とび(敏捷性)、20mシャトルラン(全身持久力)、立ち幅とび(筋パワーおよび跳能力)の3項目は6~64歳までを対象にテストされている。
これらのテストの結果の一般的な傾向として、ほとんどの項目の記録は、男子が女子を上回ったまま成長とともに向上し、女子は中学生年代でピークレベルに達するのに対して、男子ではそれ以後も向上を続けて高校生年代から成人にかけてピークレベルに達する。一方、ピーク以後は男女ともに、ほとんどの項目の記録が加齢に伴い直線的に低下していくが、低下の程度はテスト項目によって大きく異なる。
図1 加齢に伴う新体力テストの合計点の変化(男子)
図2 加齢に伴う新体力テストの合計点の変化(女子)
図3 加齢に伴う握力の変化
図4 加齢に伴う上体起こしの変化
図5 加齢に伴う長座体前屈の変化
図6 加齢に伴う反復横とびの変化
図7 加齢に伴う20mシャトルランの変化
図8 加齢に伴う立ち幅とびの変化
関連情報
スポーツ庁「体力・運動能力調査」アーカイブ
平成30年度(2018年度)
1.元気な高齢者が増えている!?
2.10代女性の運動習慣に明らかな差
3.ストレス解消、学力向上、達成意欲...スポーツのさまざまな効果と可能性
令和元年度(2019年度)
1.小学生男子の体力が過去最低
2.小中学生体力低下の原因は?
令和元年度(2019年度)
1.調査概要と加齢に伴う運動能力の変化
2.年齢別に見る体力・運動能力の年次推移
3.体力・運動能力を前回の東京五輪開催時と比較
4.幼児期の外遊びと小学生の運動・体力
令和2年度(2020年度)
新型コロナの影響か?「令和2年度 体力・運動能力調査」は、わずかに低下傾向
令和3年度(2021年度)
1.小中学生の体力が低下しているのは新型コロナの影響か?
2.運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著
令和3年度(2021年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化
②青少年6~19歳の体力・運動能力
③成年20〜64歳と高齢者65~79歳の体力・運動能力
④10年間の調査結果の概観
令和4年度(2022年度)
①子どもの体力が3年連続低下
②中学女子以外は肥満の割合が過去最高
③体育が楽しい中学生の割合が過去最高
令和4年度(2022年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化(全年齢)
②6~19歳の体力・運動能力
③20~79歳の体力・運動能力
④運動・スポーツ実施状況と体力、健康状態、生活充実度などとの関係性