スポーツ庁、令和4年度 体力・運動能力調査の結果①「体力・運動能力の加齢に伴う変化(全年齢)」
スポーツ庁はこのほど、「令和4年度体力・運動能力調査」の結果を公表した。同調査は、国民の体力・運動能力の現状を明らかにするため、昭和39年以来、毎年実施している。令和4年度調査では、明らかになった体力合計点や健康状態などについて、現在の運動・スポーツの実施頻度と1日の実施時間との関連について、クロス集計による検討も加えられている。
なお、今回の調査対象の標本数は7万4,194人で回収数は5万6,365人(回収率76.0%)だった。4回に分けて紹介する。その1回目は、加齢に伴う体力・運動能力の変化について。
【目次】スポーツ庁、令和4年度 体力・運動能力調査の結果
体力・運動能力の加齢に伴う変化の傾向
全体的に、ほとんどの項目の記録について、男子が女子を上回ったまま成長とともに向上を示した。女子が中学生年代でピークレベルに達するのに対して、男子では高校生年代でピークレベルに達する。また、ほとんどの項目について、男女ともに記録はピーク以後、加齢に伴い直線的に低下していくが、低下の程度はテスト項目によって大きく異なる。
図1 加齢に伴う握力の変化
図2 加齢に伴う上体起こしの変化
図3 加齢に伴う長座体前屈の変化
図4 加齢に伴う反復横とびの変化
図5 加齢に伴う20mシャトルラン(往復持久走)の変化
図6 加齢に伴う立ち幅とびの変化
図7 加齢に伴う50m走の変化
図8 加齢に伴うボール投げの変化
図9 加齢に伴う持久走の変化
図10 加齢に伴う急歩(全身持久力)の変化
新体力テストの合計点の加齢に伴う変化
新体力テスト(図11、図12)については、小学生(6~11歳)の合計点は男女とも加齢に伴い急激に向上する。中学生以上の青少年(12~19歳)では男子の向上が女子に比べて大きく、男子では高校生年代に、女子は中学生年代にピークに達する。20~64歳および高齢者(65~79歳)では、男女ともに合計点は加齢に伴い直線的に低下する。
図11 加齢に伴う新体力テストの合計点の変化(男子)
図12 加齢に伴う新体力テストの合計点の変化(女子)
【目次】スポーツ庁、令和4年度 体力・運動能力調査の結果
関連情報
スポーツ庁 令和4年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について
スポーツ庁「体力・運動能力調査」アーカイブ
平成30年度(2018年度)
1.元気な高齢者が増えている!?
2.10代女性の運動習慣に明らかな差
3.ストレス解消、学力向上、達成意欲...スポーツのさまざまな効果と可能性
令和元年度(2019年度)
1.小学生男子の体力が過去最低
2.小中学生体力低下の原因は?
令和元年度(2019年度)
1.調査概要と加齢に伴う運動能力の変化
2.年齢別に見る体力・運動能力の年次推移
3.体力・運動能力を前回の東京五輪開催時と比較
4.幼児期の外遊びと小学生の運動・体力
令和2年度(2020年度)
新型コロナの影響か?「令和2年度 体力・運動能力調査」は、わずかに低下傾向
令和3年度(2021年度)
1.小中学生の体力が低下しているのは新型コロナの影響か?
2.運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著
令和3年度(2021年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化
②青少年6~19歳の体力・運動能力
③成年20〜64歳と高齢者65~79歳の体力・運動能力
④10年間の調査結果の概観
令和4年度(2022年度)
①子どもの体力が3年連続低下
②中学女子以外は肥満の割合が過去最高
③体育が楽しい中学生の割合が過去最高
令和4年度(2022年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化(全年齢)
②6~19歳の体力・運動能力
③20~79歳の体力・運動能力
④運動・スポーツ実施状況と体力、健康状態、生活充実度などとの関係性