スポーツ庁「令和6年度 体力・運動能力調査」
3. 総合評価と他の調査項目の結果との関連性
スポーツ庁はさきごろ、「令和6年度 体力・運動能力調査」の結果を公表した。その内容を3回に分けて紹介している。第3回目は、令和6年度の「体力・運動能力の総合評価」、「運動・スポーツの実施状況」、「新体力テスト合計点」、「学校時代の運動経験」の結果を用いた、それぞれの関連性の分析の結果。

体力・運動能力の総合評価と、スポーツの実施状況、学校時代の運動経験などとの関連
令和6年度における20~64歳の「体力・運動能力の総合評価」別の「運動・スポーツの実施状況」について分析した。また、「学校時代の運動経験」別の「新体力テスト合計点」の差と、20~39歳の「学校時代の運動経験」別の「運動・スポーツの実施状況」について分析した。
体力・運動能力の総合評価別運動・スポーツの実施状況
全体でみると、体力が高いほどスポーツ実施率も高い結果となった。とくにAの実施率が78.8%に対して、Eが29.0%となり、その差は約50ポイントとなった(図1)。
図1 体力・運動能力の総合評価別運動・スポーツの実施状況(20~64歳全体:週1日以上の割合)

男女別でも同様の傾向が確認され、男子は全体的に女子よりスポーツ実施率が高かった。とくに、女子においてはDとEの群の実施率が3割を下回る結果となった(図2、3)。
図2 体力・運動能力の総合評価別運動・スポーツの実施状況(20~64歳男子:週1日以上の割合)

図3 体力・運動能力の総合評価別運動・スポーツの実施状況(20~64歳女子:週1日以上の割合)

学校時代の運動経験別の新体力テスト合計点と運動・スポーツの実施状況
学校時代の運動経験別の新体力テストの合計点は、運動経験ありの方が男女とも高くなっており、若い年代ほどその差が大きい結果となった(表1)。
表1 学校時代の運動経験別新体力テストの合計点

20~30代において、学校時代の運動経験がある方が現在の運動・スポーツ実施頻度が高い結果となった。具体的には、運動経験ありの週1日以上の割合が、全体で50.5%に対して、経験なしは33.0%とその差は17.5ポイントとなった。同様に、男子では9.2ポイント、女子では11.5ポイントの差となった(図4~6)。
図4 学校時代の運動経験と現在の運動・スポーツの実施状況(20~39歳全体)

図5 学校時代の運動経験と現在の運動・スポーツの実施状況(20~39歳男子)

図6 学校時代の運動経験と現在の運動・スポーツの実施状況(20~39歳女子)

関連情報
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【前編】中学生・男子はコロナ前の体力に戻るが、小学生・女子は引き続き低下【後編】「運動は好き」と回答した割合が中学生・男子で過去最高







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