スポーツ庁「令和6年度 体力・運動能力調査」
2. 新体力テスト27回分の総合評価の推移
スポーツ庁はさきごろ、「令和6年度 体力・運動能力調査」の結果を公表した。その内容を3回に分けて紹介している。第2回目は、平成10年度に新体力テストとしての調査が始まって以降、令和6年度までの27回分のデータ分析の結果。

新体力テスト27回分のデータにみる、各年代の体力・運動能力の総合評価の推移
新体力テストの調査が始まって以降、27回分(平成10年度~令和6年度)の「体力・運動能力の総合評価」(A~E)のデータ等を活用した分析が行われた。
平成10年度~令和6年度までの27回分のデータを基に、9歳(小4)、12歳(中1)、15歳(高1)、18歳、35~39歳、55~59歳、75~79歳における、体力・運動能力の総合評価(A~E)の推移を図1~7に示す。
なお、第3期スポーツ基本計画において、「新体力テストの総合評価がC以上である児童の割合を80%以上に、生徒の割合を85%以上」にするとの目標が掲げられている。
体力・運動能力の総合評価がC以上の割合
9歳(小学4年生)の総合評価の推移
男女とも70~80%の範囲で横ばい傾向となっている。令和6年度は男女とも70%前半となっており、目標の80%には届いていない(図1)。
図1 9歳(小4)の総合評価の推移

12歳(中学1年生)の総合評価の推移
男子では平成15年度以降、60~70%の範囲で横ばい傾向となっている。内訳をみると、AとBの割合が向上しているが、令和6年度は66.5%となっており目標には届いていない。女子は80%台後半~90%台前半の高水準を維持し、令和6年度は88.3%と目標を上回った(図2)。
図2 12歳(中1)の総合評価の推移

15歳(高校1年生)の総合評価の推移
男子では平成15年度以降、80%台で横ばい傾向となっている。女子では60%台前半から70%台後半へと向上している。内訳をみると、男女ともAの割合が向上し、Dの割合が低下している(図3)。
図3 15歳(高1)の総合評価の推移

18歳の総合評価の推移
男子では平成15年度以降、80%台で横ばい傾向となっている。女子では60%台前半から70%台中盤へと向上している。内訳をみると、男女ともAとBの割合が向上し、Dの割合が低下している(図4)。
図4 18歳の総合評価の推移

35~39歳の総合評価の推移
男子は、60%台で推移しており、横ばい傾向となっている。女子は、60%台後半から50%台前半へ低下している。女子の内訳をみると、Bの割合が低下し、Dの割合が向上している(図5)。
図5 35~39歳の総合評価の推移

55~59歳の総合評価の推移
男女とも70%台前半から80%台前半へと向上している。内訳をみると、AとBの割合が向上している(図6)。
図6 55~59歳の総合評価の推移

75~79歳の総合評価の推移
男女とも70%台前半から90%台程度へ向上している。内訳をみると、男女ともにAとBの割合が向上し、Dの割合が低下している(図7)。
図7 75~79歳の総合評価の推移

関連情報
スポーツ庁「体力・運動能力調査」アーカイブ
平成30年度(2018年度)
1.元気な高齢者が増えている!?
2.10代女性の運動習慣に明らかな差
3.ストレス解消、学力向上、達成意欲...スポーツのさまざまな効果と可能性
令和元年度(2019年度)
1.小学生男子の体力が過去最低
2.小中学生体力低下の原因は?
令和元年度(2019年度)
1.調査概要と加齢に伴う運動能力の変化
2.年齢別に見る体力・運動能力の年次推移
3.体力・運動能力を前回の東京五輪開催時と比較
4.幼児期の外遊びと小学生の運動・体力
令和2年度(2020年度)
新型コロナの影響か?「令和2年度 体力・運動能力調査」は、わずかに低下傾向
令和3年度(2021年度)
1.小中学生の体力が低下しているのは新型コロナの影響か?
2.運動時間が減りスクリーンタイムの増加が顕著
令和3年度(2021年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化
②青少年6~19歳の体力・運動能力
③成年20〜64歳と高齢者65~79歳の体力・運動能力
④10年間の調査結果の概観
令和4年度(2022年度)
①子どもの体力が3年連続低下
②中学女子以外は肥満の割合が過去最高
③体育が楽しい中学生の割合が過去最高
令和4年度(2022年度)
①体力・運動能力の加齢に伴う変化(全年齢)
②6~19歳の体力・運動能力
③20~79歳の体力・運動能力
④運動・スポーツ実施状況と体力、健康状態、生活充実度などとの関係性
令和5年度(2023年度)
①調査結果の概要と今後の対応
②過去60回分のデータを活用した分析結果
令和6年度(2024年度)①
【前編】中学生・男子はコロナ前の体力に戻るが、小学生・女子は引き続き低下【後編】「運動は好き」と回答した割合が中学生・男子で過去最高







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