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特集「クレアチン」
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第1回「クレアチンの基礎 その効果と作用機序、歴史」

2020年03月06日
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サプリメントを安全かつ効果的に活用するには、サプリメントに関する正しい知識が不可欠です。本シリーズでは、スポーツサプリメントの代表格であるクレアチンについて、エビデンスに基づいた情報を取りまとめ、テーマ別にご紹介いたします。第1回目は、クレアチンの基礎情報、作用機序、歴史です。

特集「クレアチン」 第1回「クレアチンの基礎」

クレアチンとは

クレアチンは、瞬発力、パワー、スピードが重視される短時間高強度の運動時のエネルギー源となる物質である。

クレアチンはもともと人の体内に自然に存在しており、大部分(約95%)は筋肉に含まれ、一部は脳にも含まれている。人体のクレアチン総貯蔵量は、平均的体格(体重70㎏)の成人で約120gと推定されており1)、このクレアチンの体内総貯蔵量の増加が、運動パフォーマンスの向上に寄与すると考えられている。

クレアチンは体内において、3種類のアミノ酸(アルギニン、グリシン、メチオニン)から、主に肝臓および腎臓内で合成されるが、体内で合成されるクレアチンは1日の必要量の半分程度であり、不足分は食品もしくはサプリメントからの摂取が必要になる。

クレアチンは生肉および魚に多く含まれている1)(人の母乳にも含まれている)が、そこから得られる量は限られており、また加熱調理によりクレアチンの含有量は減少してしまう2)。 

これも踏まえると、アスリートの体内に十分な量のクレアチンを貯蔵するためには、サプリメントによる摂取は効率的な摂取方法の一つである。

食品に含まれるクレアチン(g/kg)

魚 類
ニシン 6.5〜10
サケ 4.5
マグロ 4
タラ 3
カレイ 2
肉 類
豚肉 5
牛肉 4.5
その他
野菜 微量
果物 微量
毎日必要なクレアチンの量は、2~3g。体内で合成される分と肉・魚から補う。
(出典:文献1)

クレアチンの作用機序

身体を動かす際の直接のエネルギー源は、細胞内のATP(アデノシン3リン酸)である。ATPがリン酸を遊離してADP(アデノシン2リン酸)に変化する際にエネルギーが放出され、それが筋肉の収縮に利用されている。しかし、このATPの量はごく限られている為、激しい運動ではすぐに枯渇してしまう。

運動を続けるには、ADPにリン酸を与えATPに戻したり(ATPの再合成)、産生したりする必要がある。そして、そのATPの再合成に寄与する物質の一つが、クレアチンにリン酸が結合した「クレアチンリン酸」である。

ATPを再合成あるいは産生する経路は、運動時間や強度に応じて3つに分類され、それぞれ「PCr(クレアチンリン酸)系」、「解糖系」、「有酸素系」と呼ばれている。これら3つの経路の内、「PCr(クレアチンリン酸)系」は、瞬発力、パワー、スピードが重視される短時間高強度の運動時に使用されている。

最大運動時の各種エネルギー供給機構の時間的、量的関係

最大運動時の各種エネルギー供給機構の時間的、量的関係

(出典:文献3を改変)

クレアチンリン酸はADPにリン酸を与えることでATPを再合成する。クレアチンの摂取により筋肉中のクレアチン及びクレアチンリン酸の貯蔵量を増加させることは、エネルギー利用可能量の増加につながり、アスリートのパフォーマンスに対して良い影響を及ぼすことが期待される。

クレアチン摂取で期待されている効果は次の通りである。

  • 筋肉が付きやすくなり、基礎代謝が向上
  • 高負荷トレーニングへの耐久力向上
  • 持久力の向上
  • 運動中の筋肉疲労の緩和
  • 筋肉疲労の回復力向上

ヒトの効能試験

ヒトの効能試験

高速自転車こぎを6秒間ずつ、10回繰り返す。それぞれのセッションの間には、30秒の体力回復期をもうける。クレアチン摂取層はセッション回数を重ねても、ペダルの回転数が落ちにくい。
(出典:文献4)

クレアチンの歴史

クレアチンは1990年代初期に複数の事例報告によって、その摂取が運動能力の向上に寄与する可能性があることが示唆されていたが、1992年のオリンピックにおいて陸上競技の金メダルを獲得したリンフォード・クリスティ(100m走)とサリー・ガネル(400mハードル)がクレアチンを用いたと報じられた事で話題になり、それに続く数年間に多くの臨床試験が実施され、様々なスポーツにおけるクレアチン摂取による効果が発表された。

今日において、クレアチンはスポーツ栄養の分野では最もよく研究されたサプリメントの一つであり、陸上、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビー(日本代表選手など)といった競技のトップアスリートだけでなく、一般層にもスポーツサプリメントとして愛用されるに至っている。

また、クレアチンは中高齢者の筋肉量・筋力の維持5)や、脳機能の向上(記憶力や知力)6)にも有用であるという研究も発表されており、その研究範囲はスポーツ以外の分野にも広がりつつある。今後は機能性表示食品制度を活用した製品の上市なども期待される。

第2回「クレアチンの摂取方法・安全性」

参考文献

  • 1) Balsom PD, Söderlund K, Ekblom B: Creatine in humans with special reference to creatine supplementation. Sports Med. 1994 18(4):268-280.
  • 2) Howald H, Glutz G, Billeter R: Energy stores and substrates utilization in muscle during exercise. 3rd International Symposium on Biochemistry of Exercise Vol.3. Symposia Specialists. 1978 USA 75-86.
  • 3) Balsom PD, Ekblom B, Söerlund K, Sjödln B, Hultman E: Creatine supplementation and dynamic high‐intensity intermittent exercise Scand J Med Sci Sports. 1993 3(3):143-149.
  • 4) Campo G del, Gallego B, Berrei I, Casado JA: Creatinine, creatine and protein in cooked meat products. Food Chemistry. 1998 63:187-190.
  • 5) Rogers ME, Bohlken RM, Beets MW, Hammer SB, Ziegenfuss TN, Sarabon N: Effects of creatine, ginseng, and astragalus supplementation on strength, body composition, mood, and blood lipids during strength-training in older adults. J Sports Sci Med. 2006 5(1):60-69.
  • 6)Rae C, Digney AL, McEwan SR, Bates TC: Oral creatine monohydrate supplementation improves brain performance: a double-blind, placebo-controlled, cross-over trial. Proc Biol Sci. 2003 270(1529):2147-2150.
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