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質の高い食生活が、新型コロナウイルスの罹患リスクや重症化リスクを抑制する可能性

質の高い食生活を送っている人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患リスクや重症化リスクが低いというデータが報告された。ただし、食事の質が低いことは、社会経済的レベルの低さとの関連が認められ、食事の質の低さと社会経済的レベルの低さが相乗的に、COVID-19リスクを高めているという実態も明らかになった。

質の高い食生活が新型コロナウイルスの罹患リスクや重症化リスクを抑制する可能性

スマホを利用して一般住民でのリアルワールドデータを把握

この研究は、米国と英国でスマートフォンを利用して行われた研究。研究参加者は一般的なメディアを通じて募集された人で、COVID-19パンデミック前の食事の質に関する質問とCOVID-19の罹患の有無、罹患した場合はその重症度をスマホを通じて回答した。総回答者数は64万7,137人で、そのうち解析に必要なデータが満たされていて、18歳未満や妊婦を除き59万2,571人のデータが解析に利用された。

解析対象者は年齢中央値56(四分位範囲44~56)歳、女性68.2%、BMI中央値25.1(同22.6~28.7)、白人96.0%で、居住地は英国91.8%、米国8.2%だった。

hPDIで食事の質を評価

食事の質は、27の食品の摂取頻度から、全体的に植物性食品の摂取頻度が高い場合に高スコア、動物性食品の摂取頻度が高い場合に低スコアとなるという手法(healthful Plant-Based Diet Index;hPDI)で評価された。解析対象全体のhPDI中央値は50(四分位範囲47~54)だった。

hPDIの四分位で4群に分けると、第1四分位群(最も食事の質が低い4分の1)はhPDIが中央値45(同43~47)、第2~3四分位群はhPDI中央値51(同49~52)、第3四分位群(最も食事の質が高い4分の1)はhPDI中央値56(同55~58)だった。

食事の質が高いほど、罹患や重症化のリスクが低い

388万6,274人月の追跡により、3万1,815件のCOVID-19症例が報告されていた。

以下に示すように、罹患率、陽性率、重症化率のいずれも食事の質の高い群でリスクか低いという有意な関連が認められた。

COVID-19罹患率

1万人月当たりのCOVID-19粗罹患率は、hPDI第1四分位群は104.1(95%CI;101.9~106.2)、第2~3四分位群は77.6(同76.4~78.8)、第4四分位群72.0(70.4~73.7)だった。

COVID-19の罹患や重症リスクに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、BMI、喫煙・身体活動習慣、人種/民族、地域、研究参加時期、基礎疾患など)を調整後、上記のhPDIの四分位で分けた4群の第1四分位群を基準として他群の罹患率を比較すると、第2~3四分位群はHR0.91(95%CI;0.89~0.93)、第4四分位群はHR0.91(同0.88~0.94)であり、hPDIが高い群ほど低リスクだった(傾向性p<0.001)。

hPDIとCOVID-19罹患リスクは非線形の関係にあり、hPDIが50を超えるとリスクはプラトーだった。

COVID-19陽性率

1万人月当たりのCOVID-19の陽性率は、hPDI第1四分位群は16.4(95%CI;15.5~17.2)、第2~3四分位群は13.6(13.1~14.1)、第4四分位群12.9(12.2~13.6)だった。

前記の交絡因子で調整後、第1四分位群を基準とする他群の陽性率は、第2~3四分位群はHR0.88(0.85~0.92)、第4四分位群はHR0.82(0.78~0.86)であり、hPDIが高い群ほど低リスクだった(傾向性p<0.001)。

COVID-19重症化率

COVID-19罹患後に入院と酸素投与を要した場合を重症例として定義したところ、1万人月当たりのCOVID-19の重症化率は、hPDI第1四分位群は2.1(95%CI;1.9~2.5)、第2~3四分位群は1.9(1.7~2.1)、第4四分位群1.6(1.3~1.8)だった。

前記の交絡因子で調整後、第1四分位群を基準とする他群の重症化率は、第2~3四分位群はHR0.77(0.66~0.91)、第4四分位群はHR0.59(0.47–0.74)であり、hPDIが高い群ほど低リスクだった(傾向性p<0.001)。

社会経済的状況が不良な群ほど、食事の質の影響が強い

続いて、年齢(60歳未満/以上)、性別、人種(白人/非白人)、社会経済的状況(低/中/高)、居住地の人口密度(2,000人/km2以上/未満)、医療従事者か否か、BMI(25未満/25~30/30以上)、身体活動量(週1日未満/1~4日/5日以上)で層別化したサブグループ解析を実施した。その結果、有意な交互作用が認められたのは社会経済的状況のみであり、社会経済的状況が低いほど、COVID-19リスクが高かった。

さらに、社会経済的状況で層別化したうえで、食事の質(hPDI)の違いの影響を比較すると、社会経済的状況が低い群ほどhPDIが低いことによってCOVID-19リスクがより高くなるという実態が浮かび上がった。例えば、社会経済的状況が高位の群では、hPDIの第4四分位群と基準とする第1四分位群のCOVID-19罹患の調整ハザード比は1.08(95%CI;1.03~1.14)であるのに対して、社会経済的状況が中位の群では、同様の比較でHR1.23(1.17~1.29)であり、社会経済的状況が低位の群では、HR1.47(1.38~1.56)に及んだ。

結論として、BMI、喫煙・身体活動習慣、基礎疾患や地域の感染状況などの交絡因子を調整しても、健康的な食事がCOVID-19の罹患および重症化の抑制に関連していることが示された。そして、食事の質は社会経済的レベルと関連があり、社会経済的レベルが低い群ほど食事の質が悪いことによってCOVID-19リスクがより高く上昇していた。著者らは「COVID-19のリスクの格差に対処するために、食生活の改善とともに社会経済的格差の解決が考慮される必要がある」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Diet quality and risk and severity of COVID-19: a prospective cohort study」。〔Gut. 2021 Sep 6;gutjnl-2021-325353〕
原文はこちら(BMJ Publishing)

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