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新型コロナの影響大! 全国の4歳〜21歳・5,400人対象とした「子ども・青少年のスポーツライフ」調査結果を公表 笹川スポーツ財団

笹川スポーツ財団は、このほど「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021」を発行した。2021年に実施した調査の報告書であり、新型コロナ感染症パンデミックのスポーツライフへの影響を把握できる内容。12歳以上では、その影響が顕著に認められるという。

全国の4歳〜21歳・5,400人対象とした「子ども・青少年のスポーツライフ」調査結果を公表 新型コロナの影響大 笹川スポーツ財団

コロナ禍で子どもや若年者のスポーツライフはどう変わったか

笹川スポーツ財団はこれまで、2年ごとにわが国の幼児から青少年までのスポーツの実施頻度や実施時間、運動強度などを調査してきている。4~11歳2,400人と、12~21歳3,000人の幼児から学生・勤労者世代を対象とし、全国225地点から年齢別人口構成比に近似するようサンプルを抽出し、調査員が各世帯を訪問して調査票を配布・回収するという手法。2021年6月26日~7月22日に実施した最新の調査結果は、「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021」として刊行され、Amazonブックストアなどで発売されるとともに、その一部をまとめたプレスリリースが同財団のサイトに公開された。

4~11歳はパンデミックの影響はそれほど大きくない

4~11歳の運動・スポーツ実施頻度は、2021年調査において「高頻度群」が45.4%と最も高く、前回の2019年調査(45.5%)から横ばい。この世代には、パンデミックの影響はそれほど大きくなかったと考えられる。

図1 運動・スポーツ実施頻度群の年次推移(4~11歳:全体)

運動・スポーツ実施頻度群の年次推移(4~11歳:全体)

(出典:笹川スポーツ財団)

中学・高校期での土日の運動部活動日数が大幅に減少

次に、12~21歳のスポーツライフについて、まず学校の運動部の活動状況をみると、中学校期では2021年には「土日とも活動している」が14.5%(2017年調査比32.9ポイント減)、「土日のどちらか1日は活動している」が79.3%(同32.2ポイント増)、「土日とも活動していない」が6.3%(同0.7ポイント増)であった。

高校期では、2021年は「土日とも活動している」が36.4%(同20.0ポイント減)、「土日のどちらか1日は活動している」が52.4%(同15.7ポイント増)、「土日とも活動していない」が11.1%(同4.2ポイント増)となっている。

スポーツ庁は2018年に「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し、学期中は週あたり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日は少なくとも1日以上を休養日とする)としている。2019年調査に引き続き、活動日数の短縮化が進み、とくに中学校においてガイドラインに沿った活動を行う学校が増えている状況が確認できる。

図2 運動部活動の土日の活動状況の年次推移(学校期別)

運動部活動の土日の活動状況の年次推移(学校期別)

(出典:笹川スポーツ財団)

12~21歳では過去1年間に運動・スポーツを行わなかった割合が減少

続いて、12~21歳の運動・スポーツ実施レベルをみると、この1年間まったく運動・スポーツを行わなかった「レベル0」は19.7%と前回調査から2.0ポイント減少した。実施頻度が週1回以上週5回未満の「レベル2」は21.8%(前回調査比1.5ポイント増)、週5回以上の「レベル3」は21.9%(同3.7ポイント増)となったが、120分以上のややきつい以上の運動を週5回以上行う「レベル4」は21.8%(同2.9ポイント減)と、高頻度・高強度で運動・スポーツを実施している青少年は減っている様子が読み取れる。

図3 運動・スポーツ実施レベルの年次推移(12~21歳:全体)

運動・スポーツ実施レベルの年次推移(12~21歳:全体)

(出典:笹川スポーツ財団)

心の健康:12~21歳の約7割には抑うつ症状が確認されず

2021年調査からは、心の健康に関する質問も新たに追加された。

12~21歳を対象に、思春期のこどもを対象とした抑うつ症状の重症度尺度「Patient Health Questionnaire for Adolescents;PHQ-A」を用いて、心の状態を質問。

全体では「全くない」が68.9%と、7割に抑うつ症状は確認されなかった。性別・学校期別では「全くない」の割合は、いずれの学校期においても男子が70%台、女子が60%前後であり、女子の高校期において「軽度から重度」は40.1%と、最も抑うつ症状の傾向がみられた。

図4 心の健康(12~21歳:全体、性別×学校期別)

心の健康(12~21歳:全体、性別×学校期別)

(出典:笹川スポーツ財団)

高頻度・高強度で運動・スポーツを行う子どもほど、抑うつ症状がない傾向

運動・スポーツ実施レベル別にみたPHQ-8得点の判定結果をみると、抑うつが「全くない」の割合は、運動・スポーツの実施が「レベル0」では65.4%、「レベル1」では64.6%、「レベル2」では67.2%、「レベル3」では69.4%、「レベル4」では76.1%であり、「レベル1」以降はレベルが上がるにつれて、運動・スポーツの実施が「全くない」割合が上昇していた。

また、運動・スポーツの実施が「レベル4」では、抑うつが「軽度」「中程度」「やや重度」の割合が最も低かった。これらより、高頻度・高強度での運動・スポーツ実施と心の健康状態との関連性が示唆された。

図5 運動・スポーツ実施レベルと抑うつの関係(12~21歳)

運動・スポーツ実施レベルと抑うつの関係(12~21歳)

(出典:笹川スポーツ財団)

生活習慣:メディア利用が「1日5時間以上」の割合が、平日・休日ともに大幅増

12~21歳の平日のメディア利用時間(学校の授業や仕事以外のスマートフォン、テレビ・DVDの視聴、パソコン、ゲーム(テレビ・パソコン・携帯式のゲーム機などを含む)など)は、2021年は「2~3 時間未満」が22.9%と最も多く、次いで「5時間以上」が18.3%であった。2019年と比較すると、3時間以上メディアを利用している割合は33.2%から47.5%と14.3ポイント増加しており、とくに「5時間以上」と回答した割合は9.3%から18.3%と9.0ポイント増加、約2倍となった。

メディアと長時間接触している青少年の増加が顕著であり、パンデミックの影響による在宅時間の増加が要因の一つと考えられる。休日に関しても同様にメディアとの接触時間が延長し、パンデミックの影響がうかがえる。

図6 12~21歳の1日あたりのメディア利用時間の年次推移

12~21歳の1日あたりのメディア利用時間の年次推移

(出典:笹川スポーツ財団)

プレスリリース

4~21 歳のスポーツライフに関する調査報告書「子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021 最新号のご案内」

調査報告の概略

子ども・青少年のスポーツライフ・データ 2021「コロナ禍での、幼児・小学生の運動・スポーツ、運動部活動、心の健康への影響 など」

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