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アスリートの呼吸器感染症の重症度をプロバイオティクスサプリが軽減 メタ解析の結果

アスリートの上気道感染症リスクに対するプロバイオティクスサプリメント摂取の影響を、システマティックレビューとメタ解析により検討した結果が報告された。プロバイオティクスサプリは、上気道感染症の罹患リスクや病悩期間は抑制していなかったが、重症度スコアや、TNF-α、IL-6レベルが低いことと有意な関連が認められたという。

アスリートの呼吸器感染症の重症度をプロバイオティクスサプリが軽減 メタ解析の結果

アスリートの呼吸器感染症を、栄養でどこまで防げるか

高強度で長時間の運動、休息や睡眠の不足、ストレス、不適切な栄養摂取は、炎症や呼吸器感染症などを惹起し、アスリートのパフォーマンスに影響を与える。実際に、高強度トレーニングを続けているアスリートは、上気道感染症(upper respiratory tract infection;URTI)のリスクが高いことが疫学研究から示されている。また、このリスクを抑制するための食事療法戦略が、古くから検討されてきている。

こうしたなか、プロバイオティクスがURTIのエピソード数や抗生物質の使用を削減し得る可能性がメタ解析の結果として示されている。また、プロバイオティクスサプリが感染症罹患時の炎症マーカー抑制と関連することも報告されている。ただし、アスリートを対象にこれらの効果を検討した研究のシステマティックレビューとメタ解析は、これまで行われていなかった。

プロアスリートに行われた研究論文を抽出

この研究では、2020年9月末までに、Medline、Embase、SciELO、Scopusなどの文献データベースに公開された論文を対象とするシステマティックレビューが行われた。検索キーワードは、「プロバイオティック」または「プロバイオティクス」、「エクササイズ」または「スポーツ」または「アスリート」、「URTI」または「呼吸器感染症」または「上気道感染症」、「炎症」または「炎症性サイトカイン」。

採用基準は、18歳以上の健康なプロアスリートを対象として、プロバイオティクスによる介入を行い、対照群が設定されており、炎症性パラメーターおよび/または呼吸器感染症に対する効果を検討した、ランダム化またはクロスオーバー法による臨床試験。検索でヒットした報告の関連文献もスクリーニングの対象とした。

14件のランダム化比較試験を対象にメタ解析

2人の独立した研究者が文献検索と採用判定を行い、採否の不一致は協議によって決定した。検索でヒットした2,501報から、採用条件を満たす14件の報告をメタ解析の対象とした。

抽出された14件はランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)またはクロスオーバー試験であり、すべて2007年以降に報告されていた。試験参加者数は合計1,309人で、サプリメント群771人、プラセボ群538人。参加者の平均年齢は、20.1±1.5~36.5±8.6歳だった。

上気道感染症や炎症マーカーに対するプロバイオティクスサプリの効果

アスリートの上気道感染症に対する効果

14件の研究のうち、上気道感染症(URTI)に対するプロバイオティクスサプリの効果を検討していたのは8件だった。

プロバイオティクスサプリ使用群とプラセボ群では、疾患罹患日数の群間差が0.04(95%CI:-0.49~0.58,p=0.876)、URTIのエピソード数の群間差は-0.21(95%CI:-0.61~0.19,p=0.30)、URTIの症状発現期間の群間差は-0.20(95%CI:-0.95~0.56,p=0.61)であり、いずれもプラセボ群と有意差がなかった。

しかし、総重症度スコアに関しては-0.65(95%CI:-1.05~-0.25,p=0.02)と、プロバイオティクスサプリ群が有意に低かった。摂取しているサプリメントの種類が1種類のみの場合に限定した解析でも、-0.64(95%CI:-1.04~-0.24,p=0.02)と、ほぼ同様のリスク低下が認められた。

アスリートの炎症パラメーターに対する効果

14件の研究のうち、炎症パラメーターに対するプロバイオティクスサプリの効果を検討していたのは8件だった。

プロバイオティクスサプリ使用群はプラセボ群に比較し、IL-6が-2.52pg/mL(95%CI:-4.39~-0.66,p=0.008)有意に低く、またTNF-αも-2.31pg/mL(95%CI:-4.12~-0.51,p=0.01)有意に低かった。

IL-10や唾液中のIgAレベルには有意差がなかった。

サプリの最適な摂取量・期間・タイミング、組成の検討が求められる

このメタ解析の結果から、プロバイオティクスサプリメントが、アスリートのURTIによる総症状重症度スコアを低下させる、効果的な手段であるというエビデンスが得られた。またプロバイオティクスの摂取は、TNF-αおよびIL-6レベルを低下させると考えられる。

著者らは、「この効果の検証のため、より大きなサンプル数で、より多くの研究が必要。さらに、これらのサプリメントの最適な摂取量、摂取期間、摂取タイミング、および最適な組成を明らかにするための研究も求められる」と述べている。

この領域の研究の進歩により、新型コロナウイルス感染症を含む新興感染症の抑制においても、サプリメントの有用性が示されるかしれない。

文献情報

原題のタイトルは、「Effects of probiotic supplementation on respiratory infection and immune function in athletes: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials」。〔J Athl Train. 2021 Jan 22.〕
原文はこちら(Allen Press)

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