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COVID-19ロックダウンの影響は日常の運動量が多い人ほど大きい? スペインでの縦断研究

2020年11月26日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより、世界各国で外出自粛・禁止(ロックダウン)の措置がとられ、現在もそれが継続していたり再度始められたりしている。ロックダウンの期間中には、人々の身体活動量が低下し、食事が不健康なものになり、さらにメンタルヘルスにも影響が現れると考えられ、実際にその状態を報告した横断研究は数多い。しかし、同一の対象を縦断的に調査した研究は数少ない。

COVID-19ロックダウンの影響は日常の運動量が多い人ほど大きい? スペインでの縦断研究

ロックダウン中の変動を調べた「初めての縦断研究」

こうした中、スペインからロックダウン中の食習慣、身体活動量、睡眠習慣、主観的幸福感の変化を、同一対象で検討した縦断研究の結果が報告された。著者らは、「ロックダウンに伴うこれらパラメータの変化を縦断的に検討した初の研究」と述べている。ロックダウンによる影響は、もともとの身体活動量が多い人で、より顕著であることも示された。

ロックダウン開始直後と、その約1カ月後での変化を調査

この研究の対象は、スペインにある大学4校に在籍する学生を含む18歳以上の成人。GoogleのWebアンケートプラットフォームを用いて実施された。

最初の調査は、同国でロックダウンが始まった直後の3月下旬に、2回目の調査はそのロックダウンが徐々に緩和され始めた時期にあたる4月末~5月上旬に実施された。初回の調査に回答した人が693人で、このうちの161人が2回目の調査にも回答していた。その年齢は19~65歳(平均35.0±11.2歳)、女性が37%、BMIは23.7±4。婚姻状況は、37.3%が独身、25.5%が既婚、35.4%がパートナーあり、1.9%が離婚。

同国のこの時のロックダウンは48日間続き、2回の調査の回答の間隔は、平均29.4±4.9日だった。なお、2回の調査に回答した161名と、初回調査のみに回答した者との間に、身体活動量や体重、摂食障害および睡眠障害の該当者の割合、主観的幸福感に、有意差はなかった。

体重が増え、身体活動量が減り、睡眠の質が悪化し、主観的幸福感が低下

評価項目は、体重、身体活動量、摂食障害レベル(Eating Attitude Test-26;EAT-26)、睡眠障害レベル(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI.ピッツバーグ睡眠質問票)、主観的幸福感(1~5点のリッカートスコア)の5項目。

ロックダウンによって、これら5項目のうち、摂食障害のスコアを除くすべてが有意に変化していた。具体的な数値は以下のとおり。

体重は、67.3±14.8kgから67.7±15.1kgへ増加(p=0.012)、身体活動量は8,515.7±1,0260.0Mets・分/週から5,053.5±5,502.0Mets・分/週へ減少(p<0.001)、摂食障害レベル(EAT-26スコア)は初回が7.5±7.9、2回目が7.2±8.2(p=0.109)、睡眠障害レベル(PSQIスコア)は6.2±3.5から7.2±3.9に上昇(p<0.001.PSQIはスコアが高いほど睡眠の質が低いことを表す)、主観的幸福感は4点から3点に低下(p<0.001)。

身体活動量2,100Mets・分/週をカットオフ値とすると、不活発の該当者の割合が、初回調査は13.8%、2回目の調査では26.6%で有意に増えていた。またPSQIスコア5以上を睡眠障害ありと定義すると、初回調査では63.4%、2回目の調査では75.2%と、やはり有意に増加していた。ただし、EAT-26スコア20をカットオフ値として判定した摂食障害の該当者率は、初回調査が5.0%、2回目の調査が5.6%で有意な変化はなかった。

ふだんの身体活動量が多い群のほうが、ロックダウンによる影響が大

この研究では、初回調査で不活発と判定された群と、そうでない群(一定の身体活動を行っていた群で、2群に分けたうえでの解析も行っている。

その結果、もともと身体活動量が多かった群でロックダウンによって身体活動量が大きく低下し、もともとの身体活動量が少なかった群はロックダウン中の身体活動量に有意な変化がなかった。もっとも、身体活動量が少なかった人たちがロックダウン中であっても身体活動量が減らないという点は、それほど驚くことではないかもしれない。

注目すべきは、摂食障害や睡眠障害レベル、そして主観的幸福感についても、初回調査での身体活動量が多い群でのみ有意に悪化していたという結果である。統計解析からは、身体活動量、EAT-26スコア、PSQIスコア、主観的幸福感のリッカートスコアのいずれについても、有意な交互作用が確認された。

この理由について著者らは、「不活発と判定された群の人数が少なかったために、統計的に非有意となった可能性もあるが、傾注すべき結果であり追試での確認が望まれる」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Physical activity, dietary habits and sleep quality before and during COVID-19 lockdown: A longitudinal study」。〔Appetite. 2020 Nov 5;158:105019〕
原文はこちら(Elsevier)

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