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新型コロナウイルスに罹患したアスリートがスポーツへ復帰する際の留意事項 オランダ心臓病学会

2020年08月12日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患したアスリートがスポーツを再開する際の心血管系に関する留意点に関し、オランダ心臓病学会のポジションペーパーが同学会の学会誌「Netherlands Heart Journal」に掲載された。COVID-19罹患時の重症度に応じた、スポーツ再開にあたってのスクリーニングや管理戦略を述べている。

新型コロナウイルスに罹患したアスリートがスポーツへ復帰する際の留意事項 オランダ心臓病学会

心血管系に関する留意事項と、スポーツ再開に際してのリスク層別化

COVID-19罹患に伴う心臓に関する留意事項

SARS-CoV-2に感染し重篤化した入院患者は、心血管系合併症のリスクがあることが報告されている。具体的には、低酸素血症、心筋梗塞、サイトカインストーム、微小血管虚血、心筋炎、凝固能亢進などが認められる。COVID-19により心血管系合併症が発症するメカニズムは、まだ完全には解明されていないが、おそらく多因子性であると考えられる。

COVID-19に罹患したアスリートの留意事項

アスリートのCOVID-19は、アスリートが若年であることが多いこともあり重症化リスクは高くない。また、心疾患を併存することも少なく、COVID-19重症化のリスク因子である肥満や糖尿病、高血圧の有病率も低い。さらに、日常の運動トレーニングは一般的にウイルス感染のリスク、期間、重症度を軽減し、肺機能にプラスの影響をもたらす。

しかし、入院を必要とするCOVID-19重症例は、併存症のない若年者でも報告されている。また、比較的高齢のアスリートや心血管併存症などがあり、重症化リスクの高いアスリートも皆無ではない。

有症状のCOVID-19罹患アスリートのリスク層別化

COVID-19罹患時はすべてのスポーツ活動を中止し、症状のある期間全体にわたって自宅で自己隔離を行う必要がある。すべての症状が消失してから7〜14日、および症状が発現してから最低10日待機してから運動を再開するのが妥当と考えられる。再開時には症状の重症度と有症状期間に基づいて再開前スクリーニング(pre-participation screening;PPS)を行い、リスクの層別化に従って段階的な再開を検討する。

リスク層別化後の留意事項

PPSによる判定は以下の五つのカテゴリーに層別化し、それぞれのリスクに合わせて対応する。

無症候性または局所症状のみで、入院せずに治癒〔喉の痛み、嗄声、鼻閉、鼻汁、くしゃみ、嗅覚異常、味覚異常〕

心臓後遺症の可能性は恐らく無視できる。ただし、心血管病の既往があるアスリート、エリートアスリート、運動能力の回復に障害のあるアスリートなどは、心臓専門医へのコンサルトを考慮。

区域性または全身性の症状があるが、入院せずに治癒〔発熱、悪寒、湿性咳嗽、呼吸困難、頻呼吸・息切れ、胸痛、頭痛、筋肉痛・関節痛、皮膚症状(紅斑、じんま疹)、悪心・嘔吐)、結膜炎〕

12誘導心電図(ECG)を含むPPSを要する。必要に応じて、アスリートのECG判定経験のある心臓専門医にコンサルトする。心筋バイオマーカーのスクリーニングも考慮される。

入院治療を要したものの、心筋障害(myocardial injury)はなし

スポーツやトレーニング再開前に、総合的・学際的なリハビリプログラムを行い、リハビリ終了後にPPSと運動テストを実施する。

入院治療を要し、心筋障害(myocardial injury)を発症

心血管系疾患ガイドラインに沿った治療を行う。心臓リハビリ後に合併症をモニタリングしながら、心血管評価を施行し、その後にトレーニングを再開する。

心筋炎(myocarditis)を発症


心血管核磁気共鳴法(CMR)を含む包括的な臨床評価を行う必要がある。心筋炎に対する一般的な推奨事項に基づき、退院後、少なくとも3〜6カ月はモニタリングを実施し、この間はスポーツの制限が推奨される。スポーツへの復帰は、学際的な専門家チームによって判断する。

以上の推奨事項に関し著者らは、「アスリートのCOVID-19に関するデータが不足しているため、この推奨事項のすべては専門家のコンセンサスに基づくものだ。COVID-19に関する報告が急速に増えていることから、この声明は最新の査読を経て公開された論文および国際機関の勧告を参照して解釈すべき。アスリートのSARS-CoV‑2感染からの回復プロセスに関するエビデンスを得るため、これに特化したレジストリが必要とされる」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Return to sports after COVID-19: a position paper from the Dutch Sports Cardiology Section of the Netherlands Society of Cardiology」。〔Neth Heart J. 2020 Jul;28(7-8):391-395〕
原文はこちら(Springer Nature)

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