自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方 連載「新型コロナ自粛中の食生活ガイド」
多くの選手・チームの栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・鈴木志保子先生(一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長)による連載「新型コロナウイルス自粛中の食生活ガイド」第2回が公開されました。アスリートやスポーツキッズ、もちろん一般生活者にも活用できるコロナ自粛中の食生活と感染症に負けない身体づくりを、鈴木先生がわかりやすく解説します。
今回のテーマは「自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方」。自粛生活の影響で、「やることがなく、だらだら食べてしまう」「このまま食べ続けていたら、肥満になってしまうのでは?」と心配している人も多いようです。かといって「全然動いていないのだからと食事を抜いたり、食事を思い切って減らしたり」と考えるのは大きな間違い。これまで同様に食べることが大切です。
「自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方」(一部抜粋)
日本スポーツ栄養協会-SNDJ-理事長 鈴木志保子
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、自宅待機や自粛生活が続いています。命を守るために必要なことですが、慣れない生活スタイルが続くと、栄養や生活リズムを大きく崩す危険性があります。運動不足やコミュニケーション不足による健康への影響も心配されています。また、自分もいつ感染するかわからないという不安を抱えて暮らすことは、メンタル面にも大きなストレスがかかります。
これまで毎日決まって行ってきた社会的活動が失われると、体内時計が乱れ、睡眠不足や食欲低下、活力の低下、うつ気分など心身の不調が現れやすくなります。反対に、「これまで同様の生活リズム」で過ごすことは、気分を安定させ体内時計を維持するのに役立ちます。
子どもたちは休校、大人はテレワークとなると、つい夜更かしをしたくもなるでしょう。それでも毎日同じ時間に起きて、同じ時間に眠るように心がけることが大切です。これまでの研究で、質のいい睡眠を取れている人は、栄養状態が良く、体力も高いことがわかっています。それほどに、「睡眠」は生命活動の根幹を成すものです。
そして、睡眠の質を守る第一歩は、朝ごはんを毎日同じ時間に食べること。世のお母さんたちも大変だと思いますが、これまでの朝食時間を守り、家族で朝ご飯を食べるようにしましょう。
連載「新型コロナウイルス自粛中の食生活ガイド」目次
- 今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう
- 自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方
- 感染症に負けない食事とは?
- バランスのよい食事とは?
- 免疫力を下げないために
- 休校・外出自粛でも、発育発達に影響をおよぼさない生活