新連載「新型コロナウイルスで自粛中の食生活ガイド」スタート! 今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の延期をはじめ、様々な試合やスポーツイベントが中止になる中、現在、選手・アスリートは自主練を駆使しながら体力、モチベーションを維持しています。先日行ったSNDJアンケート調査でも、このような自粛生活中、どのように過ごしたらよいか教えてほしいという声を沢山頂戴しました。
そこで、『スポーツ栄養Web』では、多くの選手・チームの栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・鈴木志保子先生(一般社団法人日本スポーツ栄養協会理事長)によるシリーズ連載「新型コロナウイルス自粛中の食生活ガイド」をスタートいたします。アスリートやスポーツキッズ、もちろん一般生活者にも活用できるコロナ自粛中の食生活と感染症に負けない身体づくりを、鈴木先生がわかりやすく解説。まずは初回、鈴木先生からのメッセージ「今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう」をぜひご一読ください。
「今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう」(一部抜粋)
日本スポーツ栄養協会-SNDJ-理事長 鈴木志保子から皆さまへのメッセージ
アスリートの皆さんは、3月中はまだ、感染しないよう気をつけて練習を続けようという方が多かったかと思いますが、東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定した頃から、特に4月に入ってスポーツ界はガラッと一変。もう何より"命"、"生きること"が優先という意識に変わりました。
これまでは、「命はあって当たり前」でした。でも今は「練習より命」です。
そこまでいった状態で、今、選手たちに何を言っているかといったら、3密や手洗い、うがいに加えて「栄養状態を良好に維持すること」。リズムを崩さない生活を維持しようと伝えています。こういう伝え方をするのは初めてで、今、私にできることは、そこしかありません。
スポーツ栄養とは、自分の思い通りに生きるための栄養学と私は定義しています。
これに当てはめると、今は、"感染しない身体をつくる"、正しくは"感染リスクを低下させる状態の身体をつくる" ことが共通のテーマです。そのためには、自分の持っている免疫機能を最大限に発揮できる状態を維持する必要があります。(よく、免疫力を高めると言いますが、自分の持っている免疫力の最大限を越えることはありません。)
こういう時なので、練習ができない → 動いているときと同じ量食べて太る → 過剰栄養の状態で感染リスクが高まる。
逆に、練習しない → 食欲を失う → 食べることができない → やせる → エネルギー不足=低栄養の状態になってしまうから、これも感染リスクが高くなります。
ですから私がみている選手には、今は何より「体重を維持して」と言っています。
動いた量と食べた量の収支、帳尻を合わせられるよう、身体と向き合い調節する。これはアスリートだけではなく一般の方にも言えます。体重を増やさない、減らさないことが、栄養状態が維持されているかどうかの判断基準になります。ですから、朝イチ排尿後の体重を毎日測ることは、健康管理の基本なのです。
連載「新型コロナウイルス自粛中の食生活ガイド」目次
- 今こそスポーツ栄養で、負けないカラダをつくろう
- 自粛生活がもたらす健康リスクと睡眠・栄養の考え方
- 感染症に負けない食事とは?
- バランスのよい食事とは?
- 免疫力を下げないために
- 休校・外出自粛でも、発育発達に影響をおよぼさない生活