子どもの身長・体重は横ばい傾向、中高生の6割以上が視力1.0未満 令和3年度 学校保健統計【速報値】
文部科学省はこのほど、「令和3年度 学校保健統計調査」の速報値を公表した。視力1.0未満の子どもの割合が、年齢が高くなるにつれて増加傾向にあることなどが示されている。同省では、幼児や児童・生徒の発育と健康の状態を明らかにすることを目的として、学校保健統計調査を昭和23年度から毎年実施している。令和3年度調査の対象は、発育状態については全幼児・児童・生徒の5.3%にあたる69万5,600人、健康状態については25.5%にあたる333万6,191人。
前年度に続き、新型コロナウイルス感染症の影響のため、調査実施期間が例年とは異なることから(例年は4~6月に実施しているところ、年度末まで延長して実施)、発育状況などを過去の数値と単純に比較することはできない。
発育状態についての調査結果
身長の平均値は平成6年度から13年度まで上昇し、その後は横ばい傾向。体重は平成10年度から18年度まで上昇し、その後は横ばい傾向。
肥満傾向児の割合は、男女ともに小学校高学年が最も高く、とくに男子は9歳以降で1割を超えている。一方、痩身傾向児の割合は、男女とも10歳以降、2~3%台。
身長の推移
図 身長の推移【男子】
図 身長の推移【女子】
体重の推移
図 体重の推移【男子】
図 体重の推移【女子】
肥満傾向児の割合の推移
性・年齢・身長別の標準体重から実測体重が20%以上、上回る場合を「肥満傾向児」と定義。
図 肥満傾向児の割合の推移【男子】
図 肥満傾向児の割合の推移【女子】
痩身傾向児の割合の推移
性・年齢・身長別の標準体重から実測体重が20%以上、下回る場合を「痩身傾向児」と定義。
図 痩身傾向児の割合の推移【男子】
図 痩身傾向児の割合の推移【女子】
健康状態についての調査結果
裸眼視力1.0未満の割合は、年齢が高くなるにつれて増加傾向で、小学校1年生で約4人に1人、3年生で約3人、6年生では約半数であり、16歳では約3人に2人が該当する。
むし歯(う歯)を有する割合は8歳が最も高い。9~12歳では低下し、これは乳歯が生え替わることが影響していると考えられる。
鼻・副鼻腔疾患を有する割合は小学校・中学校で1割程度であり、9歳が最も高い。
図 年齢別にみた裸眼視力1.0未満、むし歯(う歯)のある子どもの割合
図 年齢別にみた主な疾病・異常(視力低下、う歯以外)を有する子どもの割合
関連情報
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