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小学生の3割、中学生の6割、高校生の7割が視力1.0未満、むし歯は減少傾向 令和5年度学校保健統計調査

文部科学省は11月27日、「令和5年度 学校保健統計調査」の結果を公表した。裸眼視力1.0未満の割合が、小学校で3割を超え、中学校では約6割、高校では7割近くであることや、むし歯のある割合は小学校と高校で4割を下回り、幼稚園や中学校では3割を下回っていることなどが報告されている。

小学生の3割、中学生の6割、高校生の7割が視力1.0未満、むし歯は減少傾向 令和5年度学校保健統計調査

学校保健統計調査は文科省が、学校における幼児・児童・生徒の発育および健康の状態を明らかにすることを目的として、昭和23年度から毎年実施している。令和5年度の調査は、発育状態については全幼児・児童および生徒の5.5%に相当する69万5,600人、健康状態については25.2%に相当する320万9,192人を対象に、令和5年4月~翌6年3月に実施された。なお、令和4年度の調査に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により健康診断の実施期間が以前と異なるため、成長の著しい年齢層を対象とする調査であることから、過去の数値と対比した考察は制限される。

調査結果のポイント

健康状態調査

  • 裸眼視力1.0未満の者の割合は、学校段階が進むにつれて高くなっており、小学校で3割を超えて、中学校では約6割、高等学校では7割近くとなっている。
  • むし歯(う歯)の者の割合は、小学校・高等学校で4割を下回り、幼稚園・中学校では3割を下回っている。
  • 鼻・副鼻腔疾患を持つ者の割合は、小学校・中学校で1割程度となっている。

発育状態調査

  • 身長の平均値は、ほとんどの年齢層で男女とも平成10年度代まで上昇し、その後横ばい傾向。
  • 体重の平均値は、ほとんどの年齢層で男女とも平成10年度代まで上昇し、その後横ばい傾向。
  • 肥満傾向児の割合は男女ともに9~12歳が最も高く、とくに男子は9歳以降1割を超えている。痩身傾向児の割合は、男女とも10歳以降は約2~3%台と高くなっている。

主な疾病・異常等の推移

表1-1 主な疾病・異常等の被患率の推移(単位:%)
区 分年 齢裸眼視力
1.0未満の者
眼の疾病・
異常
耳疾患鼻・副鼻腔
疾患
むし歯
(う歯)
幼稚園平成25年度24.532.092.583.4439.51
平成30年度26.681.552.312.9135.10
令和元年度26.061.922.573.2131.16
2年度27.901.361.972.3830.34
3年度24.811.482.002.9626.49
4年度24.951.272.363.0324.93
5年度22.921.632.192.9922.55
小学校平成25年度30.525.325.4312.0754.14
平成30年度34.105.706.4713.0445.30
令和元年度34.575.606.3211.8144.82
2年度37.524.786.1411.0240.21
3年度36.875.136.7611.8739.04
4年度37.885.286.6011.4437.02
5年度37.795.326.2812.3834.81
中学校平成25年度52.794.633.8911.1144.59
平成30年度56.044.874.7210.9935.41
令和元年度57.475.384.7112.1034.00
2年度58.294.665.0110.2132.16
3年度60.664.844.8910.0630.38
4年度61.234.954.7610.7028.24
5年度60.935.084.8710.4827.95
高等学校平成25年度65.843.262.158.7455.12
平成30年度67.233.942.459.8545.36
令和元年度67.643.692.879.9243.68
2年度63.173.562.476.8841.66
3年度70.813.352.518.8139.77
4年度71.563.582.258.5138.30
5年度67.803.572.637.6036.38
  
:過去最大、
  
:過去最小
(出典:文部科学省)
表1-2 主な疾病・異常等の被患率の推移(単位:%)
区 分年 齢アトピー性
皮膚炎
ぜん息心電図異常
(※1)
蛋白検出
の者
幼稚園平成25年度2.392.130.89
平成30年度2.041.561.03
令和元年度2.311.831.02
2年度1.901.641.00
3年度1.751.480.66
4年度1.621.110.87
5年度1.481.151.12
小学校平成25年度3.064.152.620.74
平成30年度3.403.512.400.80
令和元年度3.333.372.421.03
2年度3.183.312.520.93
3年度3.203.272.500.87
4年度3.142.852.550.98
5年度3.252.872.440.84
中学校平成25年度2.483.223.442.45
平成30年度2.852.713.272.91
令和元年度2.872.603.273.35
2年度2.862.593.333.25
3年度2.952.313.072.80
4年度2.962.233.152.90
5年度2.992.003.212.80
高等学校平成25年度2.141.903.192.68
平成30年度2.581.783.342.94
令和元年度2.441.793.273.40
2年度2.441.753.303.19
3年度2.581.703.162.80
4年度2.681.713.032.83
5年度2.391.503.082.52
※1:「心電図異常」については、6歳、12歳、15歳のみ調査を実施。
  
:過去最大、
  
:過去最小
(出典:文部科学省)

図1 裸眼視力1.0未満の者の割合

裸眼視力1.0未満の者の割合

(出典:文部科学省)

図2 むし歯(う歯)の者の割合

むし歯(う歯)の者の割合

(出典:文部科学省)

身長・体重の平均値の推移

表2-1 【男子】身長・体重の平均値の推移
区 分年 齢身長
(cm)
体重
(kg)
肥満傾向児
(%)
痩身傾向児
(%)
幼稚園5歳111.019.23.060.30
小学校6歳116.921.65.030.39
7歳123.024.57.360.62
8歳128.627.89.870.92
9歳134.131.412.201.67
10歳139.635.313.302.24
11歳146.239.913.052.99
中学校12歳154.245.813.503.43
13歳161.150.611.932.64
14歳166.054.910.482.81
高等学校15歳168.659.012.684.21
16歳169.960.410.653.40
17歳170.762.010.293.46
(出典:文部科学省)
表2-2 【女子】身長・体重の平均値の推移
区 分年 齢身長
(cm)
体重
(kg)
肥満傾向児
(%)
痩身傾向児
(%)
幼稚園5歳110.218.93.350.33
小学校6歳116.021.24.710.47
7歳122.124.07.310.57
8歳127.827.08.581.16
9歳134.431.09.822.12
10歳141.435.39.022.80
11歳147.940.29.702.85
中学校12歳152.344.59.334.25
13歳155.047.68.503.36
14歳156.449.87.642.97
高等学校15歳157.251.28.173.34
16歳157.852.27.022.49
17歳158.052.67.642.01
(出典:文部科学省)

身長

図3 【男子】身長の推移

【男子】身長の推移

(出典:文部科学省)

図4 【女子】身長の推移

【女子】身長の推移

(出典:文部科学省)

体重

図5 【男子】体重の推移

【男子】体重の推移

(出典:文部科学省)

図6 【女子】体重の推移

【女子】体重の推移

(出典:文部科学省)

肥満・痩身傾向児の割合の推移

性別・年齢別・身長別標準体重から以下の算出式により、肥満度が20%以上の者を肥満傾向児、-20%以下の者を痩身傾向児としている。

例えば、11歳男子の肥満傾向児の全国平均値13.05%とは、肥満度20%以上の者の割合が11歳男子児童全体の13.05%であることを意味している。

肥満度・痩身度の算出式:
肥満度・痩⾝度 =[実測体重(kg) - ⾝⻑別標準体重(kg)] ÷ ⾝⻑別標準体重(kg) × 100(%)

注:平成18年度から肥満・痩⾝傾向児の算出⽅法を変更しているため、平成17年度までの数値と単純な⽐較はできない。また、5歳および17歳は、平成18年度から調査を実施している。これ以降の図も同様。

図7 【男子】肥満傾向児の割合の推移

【男子】肥満傾向児の割合の推移

(出典:文部科学省)

図8 【女子】肥満傾向児の割合の推移

【女子】肥満傾向児の割合の推移

(出典:文部科学省)

図9 【男子】痩身傾向児の割合の推移

【男子】痩身傾向児の割合の推移

(出典:文部科学省)

図10 【女子】痩身傾向児の割合の推移

【女子】痩身傾向児の割合の推移

(出典:文部科学省)

今後の施策の対応方針

同省では今後の施策の対応方針として、「むし歯(う歯)の者の割合は小学校・高等学校で4割を下回り幼稚園・中学校では3割を下回っている一方、裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校で3割を超えて中学校では約6割、高等学校では7割近くとなっている。引き続き歯科保健教育の充実や近視予防を目的とした子どもの目の健康を守るための啓発資料の周知をはじめとする学校保健の推進に取り組むとともに、子どもの健康状態についても継続的に把握することを予定している」と発表している。

関連情報・詳細

学校保健統計調査-令和5年度(確定値)の結果の概要(文部科学省)

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