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「自宅や屋外で安全に運動するための注意事項」スポーツ庁が新型コロナ対策を公開

スポーツ庁は4月27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、同庁のWebサイト内に「スポーツ・運動の留意点と運動事例について」という特設コーナーを開設した。国民全員に向けた「全世代共通の基本的な考え方」に始まり、「子供(未就学児、小中高生)」向け、「中・高年齢者」向け、および「競技団体・アスリート」向けの4部構成。

スポーツ庁が新型コロナ対策「スポーツ・運動の留意点と運動事例」を公開

「屋外での運動や散歩」は、「自粛の対象とならない外出」に該当

新型コロナウイルスの感染拡大の防止には、人と人の接触を8割程度減らすことが必要とされている。その一方で、身体的・精神的な健康を維持するには体を動かしたりスポーツを行うことが必要。外出自粛が続き屋内で過ごす時間が長くなると活動量が低下し、中高年者では体力の低下、生活習慣病の発症や生活機能の低下を来すリスクが高まる。このため意識的に運動・スポーツに取り組むことが、健康の保持だけでなく、将来的な要介護状態を回避するためにも有効。

新型コロナウイルス感染症対策本部による「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」においては、自粛の対象とならない外出の例を示している。それによると、「医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や散歩など生活の維持のために必要なもの」を「自粛の対象外」としており、「屋外での運動や散歩等」も、「生活の維持に必要なもの」とされている。

新設されたコーナーでは、「感染防止のために必要なことや、周囲の人への配慮いただきたい点を踏まえた上で、屋外で安全・安心に運動・スポーツに取り組んでいただきたい」とし、まず、①屋内(自宅)で行える運動・スポーツ(主に中高年齢者を対象とした体操等)の実施を推進するための好事例を紹介し、次に、②屋外で運動・スポーツを行う場合に配慮すべきポイントを挙げている。

【全世代向け(特に中・高年齢者)】屋内・自宅で行う運動の事例

資料「外出自粛時の運動・スポーツの実施について」より抜粋

身体的および精神的な健康を維持する上では、体を動かしたり、スポーツを行うことが必要となる。特に中・高年齢者は、体を動かさないでいると、フレイル(虚弱、体力減少)やロコモティブシンドローム(運動器障害、骨粗鬆症・関節痛など)、サルコペニア(筋量低下)になりやすく、健康を維持するためにも意識的に運動・スポーツに取り組むことが大切だ。その際、自宅(屋内)で行える運動・スポーツとして、一般社団法人日本老年医学会、公益社団法人日本整形外科学会、公益財団法人健康・体力づくり事業財団、厚生労働省などの運動・体操を紹介している。

1. 「新型コロナウイルス感染症」高齢者として気をつけたいポイント(一般社団法人日本老年医学会)

「新型コロナウイルス感染症」高齢者として気をつけたいポイント
PDF「新型コロナウイルス感染症」高齢者として気をつけたいポイント

2. ロコモを防ぐ運動「ロコトレ」(公益社団法人日本整形外科学会)

ロコモ ONLINE
ロコトレ「トレーニング方法」(PDF)

3. 緊急事態宣言下の運動不足解消法「生活アクティブ体操」(公益財団法人健康・体力づくり事業財団)

緊急事態宣言下の運動不足解消法
保存版「生活アクティブ体操」(PDF)

4. 新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)

厚生労働省

【全世代向け】屋外で安全に運動・スポーツをするポイント

資料「外出自粛時の運動・スポーツの実施について」より抜粋

科学的な知見の現状と見直し

同資料では、コロナウイルス感染症の影響による外出自粛時において、感染拡大を防止しつつ、安全・安心にウオーキングやジョギングに取り組むために注意や配慮したいポイントをまとめている。しかし現状では、屋外における運動やスポーツを実施する際、コロナウイルス感染症への感染を防止するための方策については、必ずしも科学的な知見が集積されている訳ではない。このため、現段階で得られている知見等を踏まえ、この配慮事項は取りまとめられている。以下の内容は、今後の知見の集積によって、その都度見直しが行われる。

【基本】感染予防のための基本的な対応

1. 手洗いの実施

  • こまめな手洗いを徹底する
  • 汗をかいたりしてタオルで顔を拭くことがあるが、その際に手が顔(特に口)に触れたりすることも考えられるため、屋外から帰宅した場合だけでなく、出かける前、途中で一休みする際にも手洗いを行う

2. マスクの着用

  • 屋外でも人が多いところを避け、三つの密(密閉、密集、密接)のいずれかに該当する場所を極力避ける
  • 可能な限りマスクを着用する

【準備】運動やスポーツを始める前に行うこと

1. 体温の測定

  • 運動を始める前に体温が平熱(通常は36度前後)か確認し、これより高めの場合は屋外での運動は行わない
  • 体温が37.5度を超える場合は外出しない

2. 体調の確認

以下の症状にひとつでも当てはまる場合には、屋外での運動は行わない。

  • 咳(せき)、のどの痛みなど風邪の症状
  • だるさ(倦怠(けんたい)感)、息苦しさ(呼吸困難)
  • においや、味がいつもと違う(嗅覚や味覚の異常)
  • その他(体が重く感じる、疲れやすい等)

【実施】ウオーキング・ジョギングを行う場合の留意点

1. 一人で実施

感染予防の観点から、一人で行う

2. 場所は人が多いところを避ける

食料品や日用品の買物等のためにやむを得ず人が集まる場所を避ける。また、公園等でウオーキングを行う際には、空いた時間、場所を選んで行う。ジョギングは、ウオーキングに比べて運動の強度が高く、呼気が激しくなる。そのため、ウオーキング以上に人が集まる場所を避けて行う。

3. 他の人との距離の確保

屋外であっても、同じ方向に向かって歩く人とは、なるべく距離()をとる。

海外の一部の研究では、無風状態の場合、ウオーキングの場合は5m程度、ジョギングの場合は10m程度の距離を空けることを推奨しているものがある。

【事後】記録の保存

外出自粛の中で自身の生活リズムが守られているかをチェックする意味で、日々の屋外での運動の状況を記録しておく。また、途中で店舗等に立ち寄った場合は、立ち寄った店舗等も記録しておく。(同資料内の12ページ「日常運動・スポーツの記録」を活用)

【その他】留意点

1. 高齢者、基礎疾患のある人等について

重症化リスクの高い高齢者、基礎疾患等のある人については、運動やスポーツを行う前に、かかりつけ医に相談しておく。特にマスクを着けて運動やスポーツをする場合には、マスクをしないときに比べて身体への負荷が著しく大きくなる()可能性があるため、かかりつけ医の意見を踏まえ無理のない運動を行えるようにする。

アスリートの中には心肺機能を高めるために、あえてマスクを着用してトレーニングをする事例もある。マスクを着用した上で運動を行うことは、それだけ身体に負荷がかかる。

2. 周囲の人への思いやり(エチケット)

外出自粛要請の中で外出している人は、食料品の買い出しや通院等、やむを得ない理由がある人が大半を占める。こうした人たちから見れば、通常と比べて呼気が激しくなりやすい運動やスポーツをしている人が近くを通った場合に、感染しないか不安になる場合もある。

ウオーキングやジョギングで人が集まる場所を通過する際には、
  • マスクを着用する、
  • ネックウォーマーやバンダナのような布で口と鼻を覆う、
  • 呼気が激しくならないよう運動強度を落とす
など、やむを得ない理由で外出している人へ配慮する。

【子ども向け】未就学児、小中高生など

子供の運動あそび応援サイト(スポーツ庁)

自宅で、一人で、親子で身体を動かす運動、遊びなど子どもの発育・発達に効果的なWEBサイトや動画、ツールの一覧。家庭でも楽しく行えるスポーツや運動を紹介している。

子供の運動あそび応援サイト(スポーツ庁)

「屋外で行える運動例」「運動取組カード」(文部科学省)

小中学生向けの 「屋外で行える運動の例」「運動取組カード」が紹介されている(下記資料の後半)。

新型コロナウイルス感染症対策のために小学校、中学校、高等学校等において臨時休業を行う場合の学習の保障等について(PDF、文部科学省) 

【競技団体、アスリート向け】

HPSCハイパフォーマンススポーツセンター【臨時特設サイト】

独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が運営するハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため関連施設の営業を中止しているが、各競技団体、トップアスリートへの個別サポートは継続して実施をしている。また、各競技団体・アスリートが活用できるよう、各種情報(メディカル、栄養・トレーニング・心理のコンディショニング、エクササイズ紹介等)を提供している。

HPSCハイパフォーマンススポーツセンター【臨時特設サイト】

関連情報

新型コロナウイルス感染対策 スポーツ・運動の留意点と、運動事例について(スポーツ庁)

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