8月の熱中症による救急搬送は3万4,835人、平成20年以降では3番目に多い人数
総務庁は先ごろ、「令和5年8月の熱中症による救急搬送状況」の確定値を公表した。今年8月の熱中症による救急搬送人員は全国で3万4,835人であり、これは8月の調査を開始した平成20年以降、3番目に多い搬送人員とのことだ。
熱中症による救急搬送の総数
令和5年8月の全国における熱中症による救急搬送人員は3万4,835人で、8月の調査を開始した平成20年以降、8月としては1番多い搬送人員となった令和2年の4万3,060人と比べると8,225人少ないものの、令和元年の3万6,755人に次いで、これまでで3番目に多い搬送人員だった。
図1 平成20年~令和5年、各年8月の熱中症による救急搬送人員
図2 平成20年~令和5年、各年5月〜9月の熱中症による救急搬送人員の推移
図3 令和5年8月の熱中症による救急搬送状況
「都道府県別救急搬送人員昨年比」
図4 令和5年5月〜9月の熱中症による救急搬送件数の週次推移
熱中症による救急搬送の内訳
年齢区分別
年齢層別では、高齢者(65歳以上)が最も多く1万9,158人(55.0%)、次いで成人(18歳以上65歳未満)1万2,393人(35.6%)、少年(7歳以上18歳未満)3,097人(8.9%)、乳幼児(生後28日以上7歳未満)186人(0.5%)の順。
図5 令和5年8月の熱中症による救急搬送人員【年齢区分別(構成比)】
医療機関での初診時の傷病程度
医療機関での初診時の重症度は、軽症(外来診療)が最も多く2万3,456人(67.3%)、次いで中等症(入院診療)1万408人(29.9%)、重症(長期入院)768人(2.2%)の順。
図6 令和5年8月の熱中症による救急搬送人員【初診時における傷病程度別(構成比)】
発生場所
発生場所は住居が最も多く1万4,602人(41.9%)、次いで道路5,378人(15.4%)、公衆(屋外)4,386人(12.6%)、仕事場①3,996人(11.5%)の順。なお、仕事場①は、道路工事現場、工場、作業所等、仕事場②は、農林・畜産・水産作業を行っている場合の田畑、森林、海、川。
図7 令和5年8月の熱中症による救急搬送人員【発生場所別(構成比)】
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シリーズ「熱中症を防ぐ」
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