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アスリートは何が自分のパフォーマンスを支えていると感じているのか? 五輪メダリストら135人を調査

アスリートは、自分自身がパフォーマンスを発揮し続けるうえで、何が支えになっていると感じているのか、という視点で行った調査の結果がオーストラリアから報告された。調査の回答者には、同国のオリンピアン、パラリンピアンなど、エリートレベル、およびプレエリートレベルの選手が含まれている。

アスリートは何が自分のパフォーマンスを支えていると感じているのか? 五輪メダリストら135人を調査

調査の対象と調査項目・手法について

この調査は、アスリートがパフォーマンスを向上・維持するために活用している事柄(例えば、睡眠、スポーツ以外の活動、リラクゼーション、対人関係など)を把握し、それらをアスリートの属性(競技レベルや健常者かパラアスリートかなど)で比較することを目的として、オンラインアンケートとして実施された。アンケートは35項目の質問と、4項目の記述式の回答を求める内容。国際レベルで活躍後に引退した5名の元エリートアスリートを対象にパイロット調査を2回行い、信頼性と精緻性を確認後に実施した。

調査対象は、オリンピック・パラリンピック競技種目に参加しているオーストラリア人であり、過去10年間に同国内の州レベル以上で競技した経験をもつアスリート。各競技団体などを通じ、18歳以上の場合は本人に、18歳未満の場合は保護者に協力依頼の電子メールを送信した。

回答は任意であり、匿名で完了可能だった。メダリストなどでは、回答内容から個人が特定可能な場合があったが、調査結果の公開に際しては個人の識別情報を使用しないことを保証した。

五輪メダリストを含む135人の回答を解析

331人のアスリートが回答に参加。回答が不完全なものや重複、および、行っている競技がオリンピック・パラリンピックの競技ではないアスリート、10年以上前に引退した元アスリートを除外後、135人の回答を解析対象とした。解析対象者の特徴は以下のとおり。

性別は男性58人、女性77人。国際大会メダリストが42人(健常アスリート30人、パラアスリート12人)、国際大会のメダル獲得経験はないアスリートが93人(健常83人、パラ10人)。全体の44%は州のスポーツ奨学金が受給されており、15%はプロクラブに所属していた。

定量的な解析からわかったこと

調査の結果は、数値化の可能な情報は定量的に解析され、記述式回答からは定量的な考察が加えられている。その中から、前者の解析結果を中心に一部を紹介する。

心理面で成功に不可欠な要素とは

アスリートは、彼らの成功に不可欠なこととして、心理的な事柄を重視していることが明らかになった。アンケートに掲げられていたほぼすべての項目について、国際大会メダリスト(international podium)、非メダリスト(not achieved an international podium)、健常者アスリート(able-bodied)、パラアスリート(athletes with a disability)にかかわらず、80%以上が重要であることに同意した。

とくに、国際大会メダリストのすべて(100%)が、「変化に適応する能力」と「レジリエンス」が重要であるとすることに同意し、またパラアスリートのすべて(100%)が、「自己規律」が重要であるとすることに同意を示した。

これらの定量的データは、定性的データからも裏付けられた。例えば、「ベンチマークとなる大会でメダルを獲得した場合、成功しなかった選手と比較して、なぜ成功したと思うか?」という質問に対して、優れた自己規制や強い考え方などの回答がみられた。また「若いアスリートにどのようなアドバイスをするか?」に対しては、「メンタルトレーニングへの投資を早期に開始すること」などが挙げられた。

人間関係の重要性も強く認識

ほぼすべてのアスリート(98%超)が、キャリアの中で自分をサポートしてくれる人がいて、その存在が自分自身の成功にとって重要であると認識していた。

アンケートの選択肢に挙げられていたサポートスタッフを、重要であるとの同意率が高いものから順に挙げると、コーチ(同意率94%)、チームメイト(同92%)、両親(91%)、配偶者/パートナー(90%)、理学療法士(88%)、家族(84%)などの同意率が高かった。

回復戦略の実際

最も多用されている回復戦略は、治療マッサージ、ストレッチ、マインドフルネスだった。これらのうち、治療マッサージの利用率は、国際大会メダリストと非メダリストの間に有意差が見られ、国際大会メダリストのほうが利用率が高かった(95 vs 65%,p=0.0001)。

国際大会メダリストと非メダリストの間で利用率に有意差がみられたその他の回復手段として、冷水/温水浸漬(76 vs 50%,p=0.004)、瞑想(66 vs 50%,p=0.049)、赤外線サウナ(20 vs 4%,p=0.002)などがあった。

また、健常者アスリート、パラアスリートの間で利用率に有意差がみられた回復手段として、ウォーキング(79 vs 25%,p<0.001)、スパ(50 vs 20%,p=0.007)、フィンランド式サウナ(16 vs 0%,p=0.001)などがあった。

70%が栄養士を活用し、88%が有効と回答

人的サービスプロバイダーとして、最も活用されている職種は理学療法士であり、利用率は91%に上り、有効との回答は96%に達した。以下、利用率の高い職種から順に挙げると、家庭医(利用率84%、有効性94%)、マッサージ師(同順に83%、96%)であり、4位に栄養士がランクされ、利用率は70%、有効との回答が88%だった。以下、スポーツ心理学者(55%、76%)、スポーツドクター(50%、77%)などが続いた。

属性で比較した場合に、以下のサービスプロバイダーについて利用率に有意差がみられた。

マッサージ師は、国際大会メダリストのほうが非メダリストよりも利用率が高く(98 vs 76%,p=0.001)、男性アスリートより女性アスリートのほうが高かった(42 vs 59%,p=0.047)。栄養士は、国際大会メダリストのほうが非メダリストよりも利用率が高かった(85 vs 62%,p=0.004)。同様に、スポーツ心理学者(74 vs 46,p=0.002)やスポーツドクター(76 vs 38,p<0.001)の利用率も、国際大会メダリストのほうが高かった。

食事スタイルについて:非メダリストのほうが高タンパク食実施率が低い

食事スタイルに関する質問からは、大半のアスリート(94%超)が主として家庭料理を食べていることがわかった。高タンパク食が最も多くみられたが、その割合は国際大会メダリストよりも非メダリストのほうが高く、有意差が存在した(38 vs 54%,p=0.047)。

アスリートが能動的に栄養に関するアドバイスを得ようとする時の相手は、資格を有する自然療法医やハーバリスト(国際大会メダリストは95%、非メダリストは94%)、および栄養士(国際大会メダリスト 44%、非メダリスト 36%)だった。

このほか、国際大会メダリストは習慣的にコーヒーを摂取している割合が有意に高いことなども明らかになった(国際大会メダリスト 68%、非メダリスト 47%)。

文献情報

原題のタイトルは、「A survey of elite and pre-elite athletes’ perceptions of key support, lifestyle and performance factors」。〔BMC Sports Sci Med Rehabil. 2022 Jan 3;14(1):2〕
原文はこちら(Springer Nature)

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