小中高生の体力テストで高い記録を出すには? 室伏広治スポーツ庁長官が動画でコツを解説
スポーツ庁はこのほど、「子供の体力向上企画~体力テスト編~室伏長官による『力を引き出す』ウォーミングアップ動画」を、YouTubeに公開した。同庁の室伏広治長官が、体力テストの記録向上につながる、だれでも一人でできそうな簡単なウォーミングやトレーニング方法を動画で紹介している。
小中学生の体力は近年低下傾向
近年、小中学生の体力が低下していることが報告されている。その理由として、さまざまな環境要因によって、日頃から身体を動かす機会が少なくなっていることに加え、日々の生活のなかで「身体を全力で使う」ということが減っている可能性が指摘されている。日頃から「力を出し切る」ことをしていないと、いざ力を出そうにも出し切れず、さらには怪我の原因になりかねない。
そこで同庁では今回、学校や家庭など、生活の中でさまざまな運動を行う際に、本来の自分がもっている力を発揮するために参考となる、ウォーミングアップの例を紹介する動画を作成した。同庁は、子どもだけでなく成人も活用できるとし、この動画を参考に、日常的に意識してウォーミングアップに取り組むことを呼びかけている。
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握力、敏捷性、ジャンプ力、投擲力を出し切るために
動画は全部で約6分。体力テストにあるテスト項目に応じた、ウォーミングアップの方法が紹介されている。
例えば「握力」。ふだん、全力で何かを握るということは少ないため、いざテストというときに、筋力を出し切ることができないことが多い。これに対して今回の動画では、広げた新聞紙を片手でつかみ、それを片手で握りつぶすという方法を紹介している。新聞紙の大きさは、成人なら1枚、子どもの場合は手のひらの大きさに合わせて適宜、小さくしたものを使うと良いという。
次に、反復横跳びや50m走などの「敏捷性」が要求されるテストについて。敏捷性もまた、日常生活において全力で筋肉を速く動かさなければならないことは少なく、100%の力を要求されることはめったにない。動画では、敏捷性を高めるために、その場で足をできるだけ速く上げ下げするといった、いくつかのウォーミングアップ法が紹介されている。
続いて「ジャンプ力」。ジャンプに大切なのは足だと思われがちだが、実際は全身を使うことが重要で、例えば、足を使わずに手を動かす力の反動を利用してジャンプしたりすることがトレーニングになるとのことだ。
このほかにも「投げる」という能力の向上のためのトレーニング方法が紹介されている。
動画のラストでは室伏長官が、「運動やスポーツで全力を発揮するためには、それぞれの運動に適した準備運動やウォーミングアップが大切。スポーツ庁も、みなさんが日常的に運動をして体力が向上していくことを全力で応援している」とメッセージを語っている。
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「子供の体力向上企画」~ 体力テスト編 ~ 室伏長官による「力を引き出す」ウォーミングアップ動画(スポーツ庁)