日本人のサプリメント利用率は男性21.7%、女性28.3% 厚労省「国民生活基礎調査」
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」の結果概況が公表された。同調査は、保健、医療、福祉、年金、所得等、国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画、立案に必要な基礎資料を得ることを目的とするもので、毎年実施されているが、3年ごとに大規模調査を実施し、その他の中間の各年は簡易な調査としている。
このほど公表された2019年調査は12回目の大規模調査であり、世帯数、世帯員数、所得状況、健康状況、介護状況などのほかに、健康状況の一つとしてサプリメントの摂取状況などが調査され、2~3割が利用していることが明らかになった。
これらの結果の中から、世帯員の健康状況に関する調査結果を紹介する。
自覚症状は、男性の腰痛、女性の肩こりが最多
人口千人あたりの病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)の割合である「有訴者率」は、302.5だった。性別にみると男性270.8、女性332.1で女性が高く、年齢階級別では10~19歳が157.1で最低で、年齢階級が高くなるに従い上昇し、80歳以上では511.0。
症状の種類としては、男性は腰痛が91.2と最も高く、次いで肩こり(57.2)、鼻がつまる・鼻汁が出る(49.7)、せきやたんが出る(49.6)、手足の関節が痛む(41.3)。女性は肩こりが113.8で最多、次いで腰痛(113.3)、手足の関節が痛む(69.9)、体がだるい(54.5)、頭痛(50.6)。
性別にみた有訴者率の上位5症状(複数回答)
通院治療を受けている疾患は、男性も女性も高血圧が最多
人口千人あたりの傷病で通院している者(通院者)の割合である「通院者率」は、404.0だった。性別にみると、男性388.1、女性418.8で女性が高く、年齢階級別では10~19歳が140.1で最低で、年齢階級が高くなるに従い上昇し、80歳以上では730.3。
傷病の種類としては、男性は高血圧症が129.7と最も高く、次いで糖尿病(62.8)、歯の病気(49.2)、眼の病気(46.1)、脂質異常症(43.9)。女性も最多は高血圧症の122.7で、次いで脂質異常症(62.5)、眼の病気(60.9)、歯の病気(58.4)、腰痛症(54.4)。
性別にみた通院者率の上位5傷病(複数回答)
9割近くの人は「自分は健康」と感じている
健康感については、「健康と思っている」(よい・まあよい・ふつうの合計)人が 86.1%で、「あまりよくない」が10.9%、「よくない」は1.7%だった。性別にみると、男性では「健康と思っている」人が87.2%、女性では85.1%だった。
サプリメントの摂取は、60代男性、50代女性が最多
サプリメントのような健康食品を摂取している人の割合(入院治療を受けている人を除く。以下の項目はすべて同様)は、男性21.7%、女性28.3%で女性が高く、年齢階級別では、男性は60~69歳が28.1%で最多、女性は50~59歳が37.6%で最多だった。
サプリメントのような健康食品を摂取している人の割合
約半数の人が、悩みやストレスを抱えている
日常生活での悩みやストレスの有無をみると、あるとの回答が47.9%、ないが50.6%であり、あるとの回答は男性43.0%、女性52.4%で女性が高かった。年齢階級別では、男女ともに30~50代が高く、5~6割に達している。
性・年齢階級別にみた悩みやストレスがある人の割合
気分障害や不安障害に相当する心理的苦痛を感じている人が1割以上
過去1カ月間のこころの状態を点数化した結果(6項目の質問に0~4点の5段階で評価してもらい合計したもの)は、0~4点が68.3%で最も多く、年齢階級別にみてもすべての階級で0~4点が最多だった。
なお、20歳以上で気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている人(10点以上)が、10.3%を占めた。
年齢階級別にみたこころの状態(点数階級)
若年者の喫煙者率が大きく低下
喫煙者率は男性28.8%、女性8.8%だった。
2001年(平成13年)調査の結果と比較すると、「喫煙している」(毎日吸っている・時々吸う日がある人の合計)は、ほとんどの年齢階級で低下しており、男女とも20~29歳で最も大きく低下した。
性・年齢階級別にみた喫煙者率の年次比較
健診や人間ドックの受診状況
過去1年間での健診(健康診断や健康診査)や人間ドックの受診率は、男性74.0%、女性65.6%で男性が高く、年齢階級別では男女ともに50~59歳が最多であり、男性81.8%、女性73.2%だった。なお、特定健診の対象である40~74 歳の人口に占める健診受診率は73.3%だった。