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12週間のオンライン間欠的断食プログラムで有意な体重減 国内でのRCTによるパイロット研究

Webやスマホによるオンラインサポート機能付きの間欠的断食プログラムの有用性を、無作為化比較試験で検討したパイロット研究の結果が報告された。12週間の介入で体重の減少が認められたという。京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻予防医療学分野の石見拓氏、島本大也氏、野田貴志氏らによる論文が、「JMIR mHealth and uHealth」に掲載された。

12週間のオンライン間欠的断食プログラムで有意な体重減 国内でのRCTによるパイロット研究

間欠的断食の有効性と安全性をオンラインサポートでより高める

肥満対策として近年、間欠的断食が人気を集めている。栄養に関する個別のカウンセリングやカロリー計算を必要としないことが、その人気の一因と考えられる。食習慣の改善は生涯にわたって必要とされることから、このシンプルさは間欠的断食の大きなメリットと言える。

他方、COVID-19パンデミックを契機として、アプリなどを用いたウェブベースでの減量介入の可能性が模索されるようになり、これまでに多くの手法が提案されてきている。しかし、その多くは日常生活に即したものとはいえず、社会実装に至るにはほど遠い。とくに、シンプルで日々の食生活にとり入れやすい間欠的断食をオンライン介入プログラムとして検証した研究はまだない。

以上を背景として石見氏らは、スマホアプリやZoom等のオンラインサポートを併用する「簡易オンライン間欠的断食プログラム(online intermittent fasting program;OIF)を開発し、そのおおよその有効性と安全性および実現可能性を検討する、並行群間無作為化比較試験によるパイロット研究を行った。

スマホアプリなどのサポートとともに間欠的断食を12週間継続

研究参加の適格条件は、年齢が20~65歳未満、BMI 23~35未満で、スマホやZoomの操作に支障がない人であり、慢性疾患患者、食品アレルギーを有する人、夜間勤務者、妊娠・授乳中または妊娠の予定がある女性、喫煙者、多量飲酒者、アスリートなどは除外された。

なお、BMIについて、国内の肥満判定や海外の過体重判定のカットオフ値は25だが、アジア人では23以上でも代謝性疾患のリスクが上昇するという報告があることから上記の値とした。

介入方法について

大学や企業、病院から募集された57名を、年齢層(40歳未満/以上)と性別に偏りが生じないように調整したうえで、無作為に介入群28人と対照群29人の2群に分類。介入群に対して以下の(1)~(3)を実施した。対照群には(3)の「スマホアプリでのサポート」のうちの一般的な情報提供のみを行った。

(1)オンラインによる間欠的断食のガイダンス

12週間にわたる介入の初日に、リーフレット(メールで送信)、録画ビデオ、Zoomセッションを実施。間欠的断食の意図や方法を伝えた。

(2)週1回の超低カロリー食の提供

12週間の介入期間中の12日(週に1日)は、研究者が提供する超低カロリー食のみを午後8時までに摂取してもらった。超低カロリー食は1食あたり407kcalで、ジュースや大豆バー、マルチビタミン・ミネラルサプリなどで構成されており、12食分を介入前に参加者の自宅へ郵送した。

(3)スマホアプリでのサポート

著者らが株式会社ヘルステック研究所と共同で開発・運営している「健康日記」というスマホアプリを介して、食事や運動、睡眠に関する一般的な情報提供や、間欠的断食を継続するための励ましなどを、週に1回送信した。

間欠的断食による有意な減量効果が認められると同時に、運動介入の重要性が示唆される

研究参加者の主な特徴は、年齢中央値が介入群34歳、対照群38歳、男性の割合が同順に68%、66%であり、ベースラインのBMI中央値は27.1、26.6だった。介入群3名、対照群1名の脱落を除き、研究終了時点まで介入群25名、対照群27名が追跡された。主解析は脱落者も含めた治療意図解析(intention-to-treat;ITT)解析によった。

主要評価項目に設定されていた介入前後の体重変化には、以下のように統計学的に有意な群間差が認められた。

介入群はベースライン体重が中央値75.8kg(四分位範囲68.3~80.6)、12週間の介入後74.5kg(66.3~79.5)で-0.9±1.9kgの変化。対照群はベースライン体重が中央値74.8kg(69.8~81.8)、介入後74.8kg(69.1~83.1)で0.6±1.4kgの変化。年齢と性別を調整した群間の平均差が-1.6kg(95%CI;-2.5~-0.8)であった(p<0.001)。

介入群では筋肉量が有意に減少

副次的に評価された体組成については、体脂肪量の変化は認められなかったが、筋肉量の変化については介入群で減少がみられ、群間に統計学的な有意差が認められた(介入群-0.6±1.0kg、対照群0.8±2.8kg、調整平均差-1.3kg〈-2.5~-0.2〉)。

そのほかの副次評価項目である、血圧、HbA1c、トリグリセライド、コレステロール、生活の質(QOL)、身体活動量などの変化には、群間で差を認めなかった。

なお、安全性評価項目のうち、疲労や空腹感、渇望感の訴えは介入群が統計学的に有意に多かったが、重篤な有害事象は両群ともに報告されなかった。

本研究の結果について著者らは、過体重・肥満成人に対する簡易オンライン間欠的断食プログラム(OIF)による介入の有効性が示唆されたと総括。また、介入群においても脱落が少なく(11%)、遵守率が高かったことから(79%)、OIFには一定程度の実現可能性が見込まれたと述べている。

その一方、OIF介入により筋肉量が減少するリスクが確認されたため、健康アウトカムを最適化するためには運動指導を組み込むなど、プログラムの改良が必要であることが示唆されたと付言している。著者らは「2026年現在、改良したOIFの実証研究をより検証的な無作為化比較試験にて進めており、その成果は研究室ホームページ(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻予防医療学分野「オンラインファスティング研究特設ページ」)で発信する予定」としている。

文献情報

原題のタイトルは、「A Brief Web-Based and Mobile Intervention of Intermittent Fasting With Meal Support for Weight Loss Among Adults With Overweight and Obesity in Japan: Pilot Randomized Controlled Trial」。〔JMIR Mhealth Uhealth. 2026 Jan 26:14:e58930〕
原文はこちら(JMIR Publications)

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