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北イタリアの10代アスリートと親への栄養教育で摂食行動が改善、効果の一部に性差

アスリートまたはその親に対する栄養教育によって摂食行動が改善したという新たな研究結果が、北イタリアから報告された。性別による違いを重視して解析している点が特徴的な研究。介入により、肉類の摂取頻度は男女ともに変化がないものの、男性では野菜やナッツの摂取頻度が有意に高まったという。

北イタリアの10代アスリートと親への栄養教育で摂食行動が改善、効果の一部に性差

ジュニア世代中心のアスリートとその親に、3カ月間隔で2回の講義で介入

食生活を改善することは健康増進だけでなくパフォーマンスの向上にもつながる。ただし実際には多くのアスリートが好みのものを多く食べ、水分摂取量が少ない。そのような実態に対する栄養介入の効果に関する報告はこれまでにも数少なくないが、介入方法や介入対象などがそれぞれ異なり、結果を単純に他の集団に外挿することは難しいために、参考とする情報を得るためにはこのような研究報告が多いほど役立つ。

介入の対象と方法

本研究では、北イタリア地方で活躍するイタリア人の主としてジュニアアスリート87名を対象に行われた。なお、既報に基づく推計から、介入による有意な効果を証明するための必要なサンプル数は60名以上と計算されていた。参加者のベースライン時の年齢は16.5±2.9歳、BMI20.2±2.5、ウエスト/身長比(WHtR)0.4±0.03。参加している競技は、陸上短距離、長距離など。

介入方法は、まずミラノビコッカ大学の医療専門家(栄養士)がアスリートと親/保護者(アスリートが未成年の場合)に対して、正しい食生活とアスリートの食事について講義を実施。具体的な内容は、甘い飲み物や甘いスナックの摂取を減らすこと、果物と野菜の毎日摂取すべき量、アスリートにおいては1日5回の食事が必要なことがあること、とくに朝食と午後の軽食が重要であること、1日水分摂取量の推奨、および個別のカウンセリング。

最初の講義から3カ月後に、今度はアスリートの栄養に特化した内容の講義を行った。具体的には、ヘルスケアの専門家が毎日の食事の選択方法、トレーニングスケジュールを考慮した軽食をとる最適なタイミング、軽食と主食に選択する食品、およびサプリメントの使用が必要な時期について解説。

1回目の講義の前と2回目の講義終了から3カ月後に食品摂取頻度調査を行い、前後の比較により介入効果を検討した。食品摂取頻度調査では、果物、野菜、マメ科植物、魚介類、肉類、ナッツの摂取頻度を質問した。

これらの食品カテゴリー別に、介入前後の摂取頻度の変化をみていく。

魚介類とマメ科植物は男女ともに、野菜とナッツは男性で摂取頻度が上昇

マメ科植物と魚介類は男女ともに摂取頻度が上昇

マメ科植物については、男女あわせた全体で介入後に摂取頻度の有意な上昇がみられた(p<0.001)。また性別に解析しても、男性、女性ともに介入前後の差が有意だった(いずれもp<0.001)。男性では介入前にマメ科植物の摂取頻度が「毎日」と回答したのは0.0%だったが、介入後には7.3%になっていた。

魚介類も、男女あわせた全体で介入後に摂取頻度の有意な上昇がみられ(p<0.001)。また性別に解析しても、男性(p<0.001)、女性(p=0.012)ともに介入前後の差が有意だった。

果物と肉類は男女ともに摂取頻度に変化なし

果物については、男女あわせた全体で介入前後の変化が有意でなく(p=0.188)、また性別に解析しても、男性(p=0.437)、女性(p=0.281)ともに有意な変化がなかった。同様に肉類も、男女あわせた全体で介入前後の変化が有意でなく(p=0.500)、性別に解析しても、男性(p=0.336)、女性(p=1.000)ともに有意な変化がなかった。

野菜とナッツは男性のみ摂取頻度が上昇

野菜については、男女あわせた全体で介入後に摂取頻度の有意な上昇がみられた(p<0.010)。性別の解析では、男性は摂取頻度の有意な上昇がみられたが(p=0.042)、女性の介入前後の変化は有意でなかった(p=0.109)。

ただし女性は介入前の段階で既に半数近い45.7%が、質問票の選択肢の中で摂取頻度が最高の「1日2回」を選択しており、介入しても効果が得られにくい状態にあったと考えられる。反対に男性では、介入前には「全く食べない」との回答が12.2%存在し、介入により0.0%になっていた。

ナッツについては、男女あわせた全体で介入後に摂取頻度の有意な上昇がみられた(p<0.001)。性別の解析では、男性は摂取頻度の有意な上昇がみられたが(p<0.001)、女性の介入前後の変化は有意でなかった(p=0.118)。なお、介入前に「全く食べない」との回答が男性の31.7%、女性の10.9%に存在しており、介入後はともに0.0%になっていた。

水分摂取量は有意な変化なし

著者らは本研究の結論を「我々の栄養介入プログラムによって、多くのアスリートが食生活を改善し、健康にプラスの影響が認められた。恐らくスポーツパフォーマンスにも影響を与えたのではないか」とまとめている。なお、水分摂取量には介入効果が認められなかった。既報研究の中にも講義形式での介入では水分摂取量が増えないとの報告があることから、個々の発汗量、環境条件などの影響をより詳細に検討する必要性があるとしている。

文献情報

原題のタイトルは、「The Impact of a Nutritional Intervention Program on Eating Behaviors in Italian Athletes」。〔Int J Environ Res Public Health. 2021 Jul 8;18(14):7313〕
原文はこちら(MDPI)

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