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中学生のネット依存は4.6%、依存傾向が強いほど日中の意欲が低下 富山県内の調査

中学生のインターネット依存の実態と、疲労や睡眠時間、日中の意欲低下などとの関連が報告された。富山大学の研究グループが同県内の中学生を対象に行ったアンケート調査の結果であり、同大学のサイトにニュースリリースが掲載された。

中学生のネット依存は4.6%、依存傾向が強いほど日中の意欲が低下 富山県内の調査

調査結果の概要

このアンケート調査は、富山県内の中学生 473人を対象に 2018年7月に実施された。20項目の質問からなるネット依存度テスト(IAT-20)を用いて、「非依存」、「低依存」、「高依存」の 3 段階で判断し、また、疲労の自覚症状、生活習慣、学校生活、家庭生活等について質問した。分析対象者数は 432 人(有効回答率 91.3%)。

ネット依存度テストで「高依存」と判断された中学生は、全体の4.6%(男子5.4%、女子3.6%)だった。また高学年ほど高依存の割合が高くなる傾向がみられた。

ネット依存度が高いほど、就寝時刻が遅く、睡眠時間が短くなる傾向があり、「集中思考困難」、「だるさ」、「意欲低下」、「活力低下」、「ねむけ」、「身体違和感」などの自覚症状がみられ、「学校の勉強がよくわかる」、「家族団らんが楽しい」の回答が少なかった。

調査結果の詳細

学年が上がるほどネット依存の割合が高くなる

高依存の割合は、対象者全体の4.6%(男子5.4%、女子3.6%)。学年別では、高依存は1年生 0.7%、2年生 6.8%、3年生6.5%。低依存は1年生11.6%、2年生27.2%、3年生38.1%。

学年が上がるほどネット依存が増加しており、早い段階での対応が必要であることがわかる。

図1 学年が上がるほどネット依存の割合が高くなる

学年が上がるほどネット依存の割合が高くなる

(出典:富山大学)

ネット依存度が高いほどネット利用時間が長い

平日のネット利用時間は、非依存の生徒では49分であるのに対して、低依存は1時間38分、高依存では2時間46分。休日の利用時間は、依存の有無にかかわらず約2倍。

平日の就寝時刻は、非依存は午後10時50分であるのに対し、高依存は午後11時27分。平日の睡眠時間は、非依存は7時間7分であるのに対し、高依存は6時間29分。また、起床時刻は遅くなる傾向があり、ネット依存があるとも夜更かし、寝不足、朝寝坊になると言える。

図2 ネット依存度が高いほどネット利用時間が長い

ネット依存度が高いほどネット利用時間が長い

(出典:富山大学)

ネット依存度が高いほど疲労自覚症状が強い

自覚症状尺度を用いて疲労感などの自覚症状を評価した結果、ネット依存度が高いほど集中思考困難、だるさ、意欲低下、活力低下、ねむけ、身体違和感などを強く感じていることがわかった。

図3 ネット依存度が高いほど疲労自覚症状が強い

ネット依存度が高いほど疲労自覚症状が強い

(出典:富山大学)

学校生活や家庭生活が充実している人にネット依存は少ない

学校生活に関する質問で、勉強が「よくわかる」と回答した生徒のネット依存傾向(低依存と高依存の合計)は 25.5%であったのに対して、「わからない」と回答した生徒のネット依存傾向は58.3%だった。多変量解析では、「よくわかる」と回答した生徒を基準とすると、「わからない」と回答した生徒のネット依存傾向のオッズ比は2.38だった。

家庭生活に関する質問で、家族団らんが「楽しい」と回答した生徒のネット依存傾向は 23.6%であったのに対して、「楽しくない」と回答した生徒のネット依存傾向は44.1%だった。多変量解析では、「楽しい」と回答した生徒を基準とすると、「楽しくない」と回答した生徒のネット依存傾向のオッズ比は2.02だった。

図4 学校生活や家庭生活が充実している人にネット依存は少ない

学校生活や家庭生活が充実している人にネット依存は少ない

(出典:富山大学)

COVID-19パンデミックでネット依存拡大の懸念

中学生のネット依存の全国調査(2015年)と今回の調査(2018年)を比較すると、富山県内中学生においても同程度の割合で高依存者が存在していることがわかった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に伴う休校や自粛を背景に、ネット利用時間が増えたことで、さらに依存傾向者が増えることが懸念される。

今回の調査結果から、ネット依存者は単にネット利用時間が長いだけではなく、生活リズムが崩れていることや、「集中思考困難」「だるさ」「意欲低下」「活力低下」「ねむけ」「身体違和感」を強く感じているなどの健康問題が発生していることも明らかになった。このような健康問題から、不登校などへ進展することも心配される。

プレスリリース

中学生のインターネット依存 4.6% 学校生活や家庭生活の充実が予防に重要か(富山大学)
中学生のインターネット依存 4.6%(男子 5.4%、女子 3.6%)、依存傾向が強いほど、ネット時間が長く、睡眠時間が短く、日中の意欲が低下(PDF、富山大学)

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