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ジャガイモがサイクリングパフォーマンスをアップ エネルギージェルと同等の効果

長時間の運動に際し濃縮炭水化物ジェルを摂取すると、炭水化物の効率的な利用が維持されてパフォーマンスの向上につながることが示されている。同様に、ジャガイモを摂取することでも長時間のサイクリング中のパフォーマンスがアップし、その効果は濃縮炭水化物ジェルと同等とする報告が、米国生理学会の「Journal of Applied Physiology」に掲載された。

ジャガイモがサイクリングパフォーマンスをアップ エネルギージェルと同等の効果

持久系スポーツにおいて、炭水化物の適切な摂取はパフォーマンスを維持するための実証された食事戦略。炭水化物摂取によるパフォーマンス向上に寄与する要因として、血糖値の維持、レース後半での外因性炭水化物酸化の増加、および肝グリコーゲンの減少の抑制が該当する。

これらの作用を効率よく利用するためのアイテムとして、濃縮炭水化物ジェル(エネルギージェル)が製品化されており、トレーニングや競技中の炭水化物可用性を高める目的で持久系アスリートにより広く使われている。本研究は、炭水化物が豊富なジャガイモが、アスリート向け製品と同じような効果をもたらす可能性を検討することを目的に行われた。

12名のサイクリストを対象に3条件でタイムトライアルを実施

検討の対象は12名のサイクリスト。男性9名、女性3名で、年齢30.6±8.7歳、身長173±8cm、体重70.7±7.7kg、体脂肪率21.6±5.1%。平均トレーニング歴は7年で、平均267km/週走行しており、VO2maxは60.7±9.0mL/kg/分。

ジャガイモのピューレ、または市販のエネルギージェル、または水を摂取するという3条件を無作為に割り付け、クロスオーバーするという試験デザインで、120分のサイクリングチャレンジ直後にタイムトライアル(6kJ/kg)を行った。各条件のトライアルの24時間前からは標準化された食事を提供し、48時間前からはアルコールやカフェイン等の摂取を禁止した。

ジャガイモピューレと炭水化物ジェルの組成は、エネルギー量が同順に548、494kcal、炭水化物量は15.2、15.5g、蛋白質量は13.9、0.1g。

ジャガイモ摂取条件のタイムトライアルは、エネルギージェル摂取条件と同等

ベースライン時の比較検討においてはタイムトライアル成績を含め、主な評価項目に3群間の有意差はなかった。しかし試験食摂取後には、いくつかのパラメーターで有意な差が認められた。

血糖値と乳酸値の推移

サイクリングチャレンジ中の血糖値は、水条件に比較し、ジャガイモ摂取条件とエネルギージェル摂取条件では有意に高値で推移した。ジャガイモ摂取条件とエネルギージェル摂取条件で有意差はなかった。

乳酸値は、サイクリングチャレンジ中は3群間で有意差がないまま推移したが、タイムトライアル終了後、水条件に比較しジャガイモ摂取条件とエネルギージェル摂取条件では有意に高値だった。ジャガイモ摂取条件とエネルギージェル摂取条件で有意差はなかった。

タイムトライアルと自覚的運動強度(RPE)

タイムトライアルの成績は、水条件では39.5±7.9分であったのに対し、ジャガイモ摂取条件は33.0±4.5分、エネルギージェル摂取条件では33.0±4.2分で、有意な向上が観察された(p=0.032)。ジャガイモ摂取条件とエネルギージェル摂取条件で有意差はなかった(p=1.00)。

自覚的運動強度(rate of perceived exertion;RPE)は、水条件に比較しジャガイモ摂取条件(p=0.005)、エネルギージェル摂取条件(p=0.008)ともに有意な改善が認められた。

消化器症状改善の工夫によりスポーツ栄養戦略に利用可能

結論として、「ポテトピューレの摂取は、血糖値を維持し、濃縮炭水化物ジェル製品と同様にサイクリングパフォーマンスを向上する、実践的な栄養戦略であることが実証された」と著者らはまとめ、また長時間のスポーツパフォーマンスをサポートするためのスポーツ栄養戦略のコンポーネントとして、さまざまな食品をオプションとして利用できる可能性があると述べている。

なお、今回の検討では、ジャガイモ摂取条件において、サイクリングチャレンジの終盤の消化器症状が、他の2群に比し有意に多くみられた。この点については、「消化管の受容、つまり消化管症状の抑制のためにジャガイモの調理・加工法を調査する今後の検討によって、持久系アスリートに対しエビデンスに基づく最適化されたスポーツ栄養を提供できる」としている。

文献情報

原題のタイトルは、「Potato ingestion is as effective as carbohydrate gels to support prolonged cycling performance」。〔J Appl Physiol (1985). 2019 Dec 1;127(6):1651-1659〕

原文はこちら(American Physiological Societ)

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