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女子児童・生徒の運動量を増やすため、学校の校庭を子どもの視線で設計する

女子は一般的に男子よりも学校の休み時間に校庭での活動が少ない。長じてからの健康的な生活のため、あるいはスポーツに親しむようになるためには、子どものころから屋外で遊び身体を動かす習慣を身につけておく必要がある。そのための対策として、小学校の校庭のデザインに子どもたちの視線を生かす試みがデンマークで行われている。

女子児童・生徒の運動量を増やすため、学校の校庭を子どもの視線で設計する

デンマークでは他の欧州諸国と同様に、1日あたり少なくとも中〜強度の身体活動を60分行うことが推奨されている。同国の小学校の標準的な1日の休憩時間は60分あるが、前記の推奨運動量に達しているのは11〜15歳の男子で33%、女子は19%にとどまると報告されている。

そこで同国では2012年に国内すべての公立小中学校(約1,800校)から校庭を再設計する案を募集した。実際に提出された106件の案から2014年に7校の校庭が改修された。本研究はこの7校の子どもたちにインタビューを行い、再設計された校庭が休憩時間の身体活動に与える影響等を調査したもの。

調査が行われたのは7校のうち協力が得られた5校。地理的には農村部に3校、都市部に2校、在籍生徒数は93~670名、子ども1人あたりの校庭面積は15~142m。インタビュー調査に応じたのは保護者の同意が得られた2学年、50名の女子で、10~11歳が28名、12~13歳が22名。2018年4~6月の間に研究者が各学校へ2日間訪問し、各生徒と1対1のインタビュー、および他のクラスメートとのペアでのインタビューを行った。各インタビューには約30分をあて、半構造化インタビューの手法に則って実施した。また、インタビューに先立ち、各生徒は校内でよく時間を過ごす場所3カ所の写真を撮影し、インタビュー時の話題の1つとした。

インタビュー後の分析により、女子生徒が身体活動量を増やすための施策として、多様性、利用しやすさ、緑の存在、アクティブな遊び施設、スポーツ施設、スピーカーなど、10の重要な要素が明らかになった。

また、女子の視点から、スポーツ施設と遊び施設を区別することが重要と考えられた。具体的には、サッカーやバスケットボール、野球などのスポーツ活動のために校庭に施設が必要だと答えた女子は3分の1未満であり、女子の大半はスポーツが男性優位であるために自己効力感が低く、競技スポーツベースの活動に興味が湧かない傾向がみられた。その一方で、半数以上の女子が、伝統的なスポーツ施設とは異なる施設を必要とする、登山、ダンス、体操などを校庭で行いたいと答えた。アクティブな遊び施設としては、トランポリン、障害物コース、体操用具などの非競争的なプレイに使用できるものが好まれた。このほか、緑の存在は女子にとって重要であると考えられた

結論として著者らは、学校休憩時間における女子生徒の身体活動量を増やすために、小学校の校庭を設計する際、以下のようなポイントを重視すべきとまとめている。

  • 校庭にさまざまな施設、表面および植生(草地、樹木、茂みなど)を提供する
  • トランポリン、障害物コース、ダンスシーン、体操用具などの固定された設備を設置して、非競争的なプレイやソーシャルゲームを促進する
  • 音楽用のスピーカーと、ボール、バット、縄跳び、チョークなどの、さまざまな固定されていない(使用しながら移動可能な)遊具を提供する
  • 校庭全体に大小さまざまな隔離されたエリアを混在させる
  • 年長の女子生徒を対象とした校庭施設を、学校の建物の出入口の近くに配置する

文献情報

原題のタイトルは、「Designing Activating Schoolyards: Seen from the Girls' Viewpoint」。〔Int J Environ Res Public Health. 2019 Sep 20;16(19)〕

原文はこちら(MDPI)

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