ギリシャヨーグルトとトレーニングの組み合わせで筋力、筋肉量が有意に増加
蛋白質含有量の高い乳製品は筋肉量や筋力の向上に有効と考えられる。しかし、これまでのところ、通常の(ギリシャヨーグルト以外の)ヨーグルトを用いた検討では、その明確な効果は示されていない。ギリシャヨーグルトは、通常のヨーグルトを濃縮し乳清(ホエイ)を取り除いて製造される。カゼインを主体とする蛋白質含有量が高く、その量は通常ヨーグルトの3~4倍に上る。本論文は、このようなギリシャヨーグルトの特性に着目し、その効果を検討したもの。
対象はカナダ・オンタリオ州の学生30名(18~25歳)。主な登録条件は、レジスタンストレーニングの経験がないか少なく(過去6カ月間に週0~2回)、BMI25未満、栄養補助食品を用いていないこと。
対象を無作為に2群に分け、ギリシャヨーグルト(蛋白質含有量は20g)または炭水化物ベースのプラセボプリン(同0g)を、トレーニング実施日は1日3回、トレーニングを行わない日は2回、12週間にわたり摂取させた。12週の間、試験参加者は週3日のトレーニングを継続した。なお、ギリシャヨーグルトとプラセボプリンのエネルギー量は等しくなるよう調整した。
ベースライン時と12週間経過後に、各人の自発的な最大反復テストにより筋力を評価し、また筋肉厚と体組成を測定した。12週の間に研究とは無関係の怪我により1名、転居により2名、計3名が脱落した(ギリシャヨーグルト群2名、プラセボ群1名)。
12週後、両群ともに筋力、筋肉厚、除脂肪体重が有意に増加していた。ベースラインからの変化量を両群で比較すると、筋力はギリシャヨーグルト群が98±37 kgの増加、プラセボ群が57±15 kgの増加、二頭筋上腕筋厚は同順に0.46±0.3cm、0.12±0.2cmの増、除脂肪体重は2.4 ± 1.5kg、1.3±1.3 kg増であり、いずれも両群間に有意差が認められた。
この結果を著者らは、ギリシャヨーグルトの有用性を明らかにした初めての報告であるとし、ギリシャヨーグルトは筋力、筋肉、および体組成のポジティブな変化のための栄養摂取選択肢となり得ると結論している。
原題のタイトルは「Greek Yogurt and 12 Weeks of Exercise Training on Strength, Muscle Thickness and Body Composition in Lean, Untrained, University-Aged Males」。 〔Front Nutr. 2019 Apr 30;6:55.〕