栄養補助食品の摂取がテロメア長と関連 非摂取群と有意差
染色体の末端にあって染色体自体を保護すると考えられているテロメアは、その長さが寿命と関連することが示されている。短いテロメア長は細胞老化とアポトーシスと関連し、加齢と加齢に伴う慢性疾患の重要なメカニズムの一つとされる。また、食事や運動、喫煙などの生活習慣によるエピジェネティック(DNA塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現)な要因が、テロメア長に影響を与え、慢性疾患を発症または抑制する可能性がある。
本研究は、栄養補助食品摂取によるテロメア長への影響を検討したもの。健康ボランティア(n=47)を、栄養補助食品を摂取させる群(n=16)と対照群(n=31)に分け、テロメア長さを計測した。
結果は、栄養補助食品摂取群において、テロメア長の平均、第1四分位値、および中央値が、対照群に比して有意な増加が認められた。同様に、テロメア長が短いことを表す全体の20パーセンタイルにあたる数値に関しても、対照群と栄養補助食品摂取群とで有意差が観察された。
これらの有意差は、年齢と性別で調整後も有意であった。なお、テロメア長は男性より女性において長かった。
この知見は、栄養補助食品の摂取がテロメア長の保持に関連している可能性を示唆している。
原題のタイトルは「Association of nutraceutical supplements with longer telomere length」。〔Int J Mol Med. 2019 May 10〕