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クレアチンは短期間の摂取でも筋力や回復の急性効果を期待できる 二重盲検試験で有意差

慢性効果については確固たるエビデンスが確立されているクレアチンについて、3日間という短期間摂取した場合の急性効果を検討した研究結果が報告された。対プラセボで、筋力、疲労、回復などの指標に有意差が認められたという。著者らは、即時的な効果を期待するアスリートにとり、短期摂取も有望な戦略となり得るのではないかと記している。

クレアチンは短期間の摂取でも筋力や回復の急性効果を期待できる 二重盲検試験で有意差

クレアチンの急性効果のエビデンスを強化する研究

クレアチンの慢性効果については過去30年以上にわたり数々の研究がなされてきて、アスリートや高齢者に有益であることが明らかになっている。それに対して急性効果の潜在的なメリットに関しては、エビデンスが相対的に少ない。これを背景にこの論文の研究では、3日間という短期摂取プロトコルによる、筋力や筋肉痛などへの影響を評価した。

事前の統計学的検討から、有意性の検証に必要なサンプルサイズが9人と計算され、11人が募集された。全員、レクリエーションレベルで筋力トレーニングを行っている男性だった。女性は性ホルモンの変動等の影響により結果の解釈が困難になることが予測されたため、男性のみとした。また、クレアチンを含むサプリメントまたはコルチコステロイドなどの薬剤の利用者、慢性疾患や運動を妨げる怪我を有している人も除外されている。

研究デザインと参加者の特徴

11人のうち1人は後述の測定値の取得が十分行えなかったため解析から除外し、10人を解析対象とした。この10人の主な特徴は、年齢21.3±1.9歳、BMI 21.42±2.36であり、トレーニング歴は中央値12週(範囲6~24週)で週3回以上の頻度のトレーニングを行っていた。また、バックスクワットで1回だけ施行可能な最大負荷量(one repetition maximum;1RM)は97±14.18kgで、ベンチプレスの1RMは56.36±4.52kgだった。

試験デザインは、参加者全員にプラセボ条件とクレアチン条件を試行する二重盲検クロスオーバー無作為化比較試験であり、各条件の試行には7日間のウォッシュアウト期間を設けた。この7日間という期間について論文では、摂取したクレアチンが完全に代謝されるには摂取中止後6~8週間要すると報告されているが、クレアチンのクロスオーバー法による選考研究の多くが7日間のウォッシュアウト期間で行っていること、および、研究期間中に参加者に対して食習慣を変更せず高強度運動を控えさせるため、その遵守が可能な期間として妥協的に7日間としたと記されている。

クレアチンの投与量は、0.3g/kg/日を3日間とした。初日は1日分の用量をテストの2時間前にまとめて摂取してもらい、2日目と3日目は3回に分けて0.1/kgずつ摂取してもらった。摂取後に行った質問から、クレアチンとプラセボを正しく推測した参加者は55%であり、盲検化が成功したことが確認された。

評価項目

初日と3日目に、バックスクワットとベンチプレスの双方で、1RMの60%、70%、80%の負荷による最大反復回数をカウントし、また試行中の最大速度とパワーを評価した。また、カウンタームーブメントジャンプ(countermovement jump test;CMJ)、スクワットジャンプ(squat Jump;SJ)、および、血中乳酸値、心拍変動を評価した。

このほか、ビジュアルアナログスケールにて遅発性筋肉痛を評価した(痛みが全くないは0点、耐えがたい痛みは10点)。

なお、両条件の試行はいずれも午後の同じ時間帯に、24±1°Cの環境で実施した。

クレアチン摂取条件で筋力や回復などの指標に好ましい結果

バックスクワットとベンチプレスの反復回数が有意に高値

プラセボ条件と比較してクレアチン条件では、バックスクワットおよびベンチプレスの60~80% 1RMで完了した反復回数が有意に増加した(効果量〈d〉=0.72~1.6)。また、クレアチン条件ではすべての強度(60~80% 1RM)において、プラセボ条件よりも挙上速度が速かった(d=0.78~4.09)。

最大心拍数については両条件ともに、負荷強度が高いほど高値となっていた(d=1.1~4.28)。ただしクレアチン条件はプラセボ条件と比較して、60% 1RMで心拍数が有意に低く(p=0.017、d=1.05)、80% 1RMでは有意に高い(p=0.047、d=0.82)という相違が認められた。

カウンタームーブメントジャンプにも有意差

カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)とスクワットジャンプ(SJ)は3日間でそれぞれ6回テストされた。CMJについてはすべてクレアチン条件のほうが高値で推移し、最後の2回については有意差が認められた。一方、SJについては両条件でほぼ同様な値をとり変化しており、有意差のみられたタイミングはなかった。

3日目のテスト試行前の筋肉痛に有意差があり、クレアチン条件で低値

遅発性筋肉痛については、 上肢と下肢で評価され、いずれもクレアチン条件のほうが低値で推移する傾向にあった。また、3日目のテスト試行前のタイミングでは有意差が認められ、上肢・下肢ともにクレアチン条件のほうが低値だった。

このほかに、クレアチン摂取によるテスト後の副交感神経の活性の高さを示す変化も認められた。

著者は、「これらの結果は、クレアチンを3日間摂取するだけでも、筋力パフォーマンスの向上、生理的ストレスの軽減、回復の促進という可能性があることを示しており、即時のパフォーマンス向上と運動後の痛みの軽減を求めるアスリートにとって、効果的なエルゴジェニック戦略となることが示唆された」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Short-term creatine supplementation enhances strength, reduces fatigue, and accelerates recovery in resistance-trained athletes: a double-blind, randomized, crossover trial」。〔J Int Soc Sports Nutr. 2025 Sep 30;22(sup1):2617283〕
原文はこちら(Informa UK)

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