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炭水化物+カフェインでバスケ選手のパフォーマンスは向上するも、バスケ特有のスキルは変わらず

スポーツパフォーマンス関連のエビデンスが豊富な炭水化物とカフェインを、バスケットボール選手が同時に摂取した場合、どのような影響が現れるかを検討した研究結果が報告された。総合的なスポーツパフォーマンスが向上する可能性が示されたが、バスケ特有のスキルは向上する可能性は示されなかったという。中国の大学レベルのアスリートでの研究。

炭水化物+カフェインでバスケ選手のパフォーマンスは向上するも、バスケ特有のスキルは変わらず

バスケにおけるカフェインと炭水化物の併用効果を探る

炭水化物は競技時間の長いプレー中の安定したエネルギー基質となり、アスリートの持久力をサポートし疲労の発現を遅延させる。カフェインは反応時間の短縮、瞬発力の向上などさまざまな面で豊富なエビデンスがある。これら両者は多くのアスリートが用いるサプリメントの主要な成分として使われている。

両者は異なる経路でパフォーマンスに働きかけるため、併用することで相乗効果が得られるのではないかとの仮説のもと、既に自転車競技、サッカー、ラグビーなどで検討がなされてきている。それらの研究の一部は実際に相乗効果を得られる可能性を示しているが、一部の研究では個々のサプリメントの効果を上回る効果を示していない。さらに一部の研究は、代謝の干渉のためにかえって効果が減弱する可能性を報告している。

バスケットボールのパフォーマンスは、持久力や瞬発力、敏捷性とともに、パスのスピードやシュートの正確性などの専門的スキルによって依存する。炭水化物とカフェインはこれらに対してプラスに働くと言え相乗効果が期待されるが、そのような視点での知見はまだ少ない。

大学バスケ選手を対象に4条件のクロスオーバー試験

このギャップを埋めるために今回取り上げる論文の著者らは、プラセボ、炭水化物単独、カフェイン単独、炭水化物+カフェインという四つの条件を二重盲検下で比較する、クロスオーバー研究を実施した。

研究対象は大学レベルでバスケットボールを行っている男性アスリート。適格条件は、年齢が18~25歳でバスケットボールのトレーニング歴が3年以上あることとされ、慢性疾患や過去1カ月以内の受傷歴がある場合などは除外された。これらの条件を満たす、西安体育大学の学生アスリート32人(19.66±1.31歳)が研究に参加した。

4条件の試行は1週間間隔で行われた。炭水化物(CH)条件はブドウ糖溶液30g、カフェイン(CAF)条件は30mg/kgとし、これら以外にCH+CAF条件、およびプラセボ(PLA)条件を設定して、試行順序は無作為化された。各試験の試行24時間前からはカフェインを含む飲食物の摂取を禁止した。

評価項目について

評価項目は、体力に関する項目とバスケットボールの専門的スキルに関するもの、その他が設定された。

体力に関しては、カウンタームーブメントジャンプ(countermovement jump;CMJ)、20m走、方向転換と加速テスト(change-of-direction and acceleration test;CODAT)、ヨーヨー間欠回復テスト レベル1(Yo-Yo intermittent recovery test level 1;Yo-Yo IRL1)で評価。専門的スキルは、フリースローの成功率、直線ドリブル速度(straight-line dribbling speed;SLDS)を評価した。

このほかに、血中乳酸値をYo-Yo IRL1終了直後、1分後、3分後に測定し、心拍数をYo-Yo IRL1直前、運動中、終了後に計測した。

体力にはプラスに働くが、バスケ特有のスキルには影響なし

体力関連指標:持久力はCHを含む条件、その他の指標はCAFを含む条件で有意な向上

カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、20m走、方向転換と加速テスト(CODAT)についてはいずれも、プラセボ(PLA)条件との比較で炭水化物(CH)条件は有意差がなかった。一方、カフェイン摂取が含まれている2条件(CAF条件、CH+CAF条件)は、PLA条件との比較で有意に好ましい記録だった。

他方、間欠的高強度運動の持久力をみるヨーヨー間欠回復テスト(Yo-Yo IRL1)は、炭水化物摂取が含まれている2条件(CH条件、CH+CAF条件)は、PLA条件より有意に優れた結果が示され、CAF条件はPLA条件と有意差がなかった。

専門的スキル、乳酸値、心拍数

バスケ特有の専門的スキルの指標として評価した、フリースローの成功率、直線ドリブル速度(SLDS)は、いずれも4条件間に有意差がなかった。

乳酸値は、Yo-Yo IRL1終了1分後では、カフェインが含まれている条件で高かった。より具体的には、CAF条件がPLAおよびCH条件より有意に高く、またCAF条件はCH+CAF条件との比較でも有意に高かった。Yo-Yo IRL1終了3分後では、CAF条件はPLAおよびCH+CAF条件より有意に高く、またCH+CAF条件はCH条件より高かった。

心拍数に関しても条件間の有意差がみられ、全体として炭水化物を含む条件では低値に、カフェインを含む条件では高値になる傾向があった。

バスケットボールにおける炭水化物+カフェインの実践的な適用

以上の結果に基づき著者らは、「結論として、炭水化物とカフェインの併用は、生理的反応に一定の回復効果をもたらし、バスケットボール選手の総合的な運動能力を効果的に向上させる。しかし、専門的なスキルには有意な影響を与えない」と結論づけている。そのうえで、実践的な適用として以下のような栄養戦略、および今後の研究の方向性を提案している。

コーチとアスリート向けの提案

炭水化物の補給:

バスケットボールなどの高強度で断続的な活動におけるパフォーマンスを最適化するために、トレーニングまたは競技の約40分前に30gのブドウ糖溶液の摂取が検討される。

カフェインサプリメント

短期間の高強度活動でパフォーマンスを最大限に高めるには、トレーニングまたは競技の約40分前に3mg/kgのカフェイン摂取が勧められる。

研究者向けの提案

相乗効果に関するさらなる研究

今後の研究では、プロスポーツ選手やレクリエーションスポーツ選手など、さまざまなスポーツ集団における炭水化物+カフェインの潜在的な相互作用を調査する必要がある。

最適なパフォーマンス評価指標の模索

サプリメントがバスケットボールのパフォーマンスにどのように影響するかをより深く理解するために、今後の研究では、戦術的調整やゲームの意思決定などのより複雑なパフォーマンス指標を取り入れる必要がある。

文献情報

原題のタイトルは、「Effects of Carbohydrate Combined with Caffeine on the Sports Performance of Basketball Players」。〔Am J Mens Health. 2026 Jan-Feb;20(1):15579883251412111.〕
原文はこちら(SAGE Publications)

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