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シニア世代が健康維持のために最も重視しているのは「栄養バランス」 ニッスイ調査

株式会社ニッスイは、食欲・スポーツの秋に向けて、全国のシニア層(50~70歳代)を対象に食生活の実態に関する調査を実施した。食生活で重視するのは「栄養バランス」であり、「味・おいしさ」、「価格の安さ・コスパ」を上回ることなどが明らかになった。また、“要介護予備群”と位置づけられているフレイルの予防のために行っていることなどの調査もされている。

シニア世代が健康維持のために最も重視しているのは「栄養バランス」 ニッスイ調査

この調査は、全国の50~70歳代の男女計600名に対するWEBアンケートとして、2024年8月29~30日に実施された。主な集計結果は以下のとおり。

食生活で最も重視するのは「栄養バランス」。「味・おいしさ」「価格の安さ・コスパ」を上回る

食生活で「栄養バランス」を重視しているシニアの割合は、50歳代で約3割、60歳代、70歳代では約4割となり、それぞれの年代で1位に挙げられた。2位の「味・おいしさ」は各年代で2割以上が選択し、「価格の安さ・コスパ」は年代でのばらつきが大きく、50歳代、60歳代では3番目だった。

年代が上がるにつれて「栄養バランス」が重視されることが示された(図1)。

図1 【年代別】食生活で最も重視していることは?

【年代別】食生活で最も重視していることは?

(出典:ニッスイ)

意識的に取っている栄養素は「食物繊維」と「タンパク質」が上位

「意識的に取り入れている栄養素は特にない」の回答者を除く約7割が、何らかの栄養素を意識的に取っていることがわかった。最多は「食物繊維」であり、次に「タンパク質」で、それぞれ半数近くの人が挙げ、3位の「カルシウム」が約3割という結果だった。

年代別では、高齢になるにつれて栄養素を意識的に取っている人が多かった。

タンパク質を取る理由は、「健康維持」「筋肉・筋力の維持」

タンパク質を意識的に取っている人に、その理由について聞いたところ、約7割の人が「健康維持」と回答。次いで、「筋肉・筋力の維持(約6割)」、「筋肉・筋力をつける(約4割)」となった。筋肉・筋力のためにタンパク質を取っている人が多いことが示唆された(図2)。

図2 タンパク質を意識的に取り入れている理由

タンパク質を意識的に取り入れている理由

(出典:ニッスイ)

サプリメントの「プロテイン」利用率は2割で、多くは「肉」「牛乳・乳製品」「魚」「大豆」などの食材からタンパク質を摂取

タンパク質を取るための方法の一つとして、サプリメントであるプロテイン関連商品が挙げられるが、本調査ではふだんからプロテイン(粉末・飲料・ゼリータイプ)を取る人は約2割にとどまり、5割以上が「取り入れていないし興味もない」と回答した(図3)。

図3 粉末タイプ、飲料タイプ、ゼリータイプなどのプロテインを普段取り入れているか?(タンパク質を意識的に取り入れている人対象)

粉末タイプ、飲料タイプ、ゼリータイプなどのプロテインを普段取り入れていますか?(タンパク質を意識的に取り入れている人対象)

(出典:ニッスイ)

意識して食べているものについて尋ねると、7割以上の人が「肉」、「牛乳・乳製品」、「魚」、「大豆製品」といった食材が挙げられた(図4)。

図4 タンパク質を取り入れるために意識して食べているもの

タンパク質を取り入れるために意識して食べているもの

(出典:ニッスイ)

フレイル予防のためにしていることは「バランスの良い食事」「タンパク質を取る」など食事が中心

シニア層の筋力の低下や健康づくりの重要なキーワードともなる「フレイル」についても調査された。フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱した概念。加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現するが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態といわれている。

このフレイルの予防には、食事と運動の両方が重要。

食事面で行っていることでは、「バランスの良い食事を取る」が最多だった。次いで「タンパク質を取る」、「水分を十分に取る」という結果になり、食事面でフレイル予防を図る人が多いことがわかった(図5)。

図5 フレイルの予防のためにしていること(複数回答可)

フレイルの予防のためにしていること(複数回答可)

(出典:ニッスイ)

運動習慣は高齢になるほど高まるものの、筋トレの意識は低い

運動習慣については、50歳代では運動を「全くしない」人が約4割いる一方で、60歳代は3割台、70歳代は2割台と少なくなり、日ごろから運動している人は70代が一番高かった。毎日運動している人も50歳代に比べ、60歳代、70歳代の方が多いことが明らかになり、年代が上がるにつれて、運動の意識が高まっていることがわかった。

一方で、「筋トレをする」という回答は1割程度で、フレイル予防としての筋トレの意識は低いことが明らかになった(図6)。

図6 【年代別】日々の運動習慣

【年代別】日々の運動習慣

(出典:ニッスイ)

本調査の結果から、シニア層(50~70歳代)は栄養バランスを重要視している人が多いこと、および、健康維持や筋肉・筋力の維持やフレイル予防として、食事を通じてタンパク質を意識的に取っていることがわかった。一方、高齢になるほど運動意識も高いものの、筋トレを取り入れている人は1割程度という結果だった。

関連情報

「シニアの食生活の実態に関する調査」結果~健康維持のため栄養バランスを重視する傾向。フレイル予防はまず食事、運動意識も高いが筋トレへの意識は低い~(ニッスイ)

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