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尿を用いて、生活習慣の改善を目指す
—栄養モニタリングの新しい提案—【後編】

尿を用いて、生活習慣の改善を目指す—栄養モニタリングの新しい提案—【後編】

大塚製薬がこのほど展開を開始した、栄養モニタリングサービス『Vivoo』に関する、同社ニュートラシューティカル事業部の金澤慎太郎さん(プロフィール ▶)へのインタビュー。前半ではサービスの仕組みや特徴についてお話しいただき、それに続く後編では、実際にどのような使い方が想定されるのか、栄養指導にも活用できるか、スポーツ栄養での生かし方などについてお尋ねしました。

Vivooの使用シーン「さまざまな使い方で‘気づき’を得られる」

——Vivooは栄養モニタリングサービスという、新しいサービス形態だと思います。どのようなかたちで利用されることを想定されていますか?

Vivooは、栄養管理を身近に感じていただけるサービスです。自宅や外出先などのトイレで、日々の健やかな生活に大切な6つの栄養状態を、外出の手間などもなく、すぐに知ることができます。

この「手軽でその場ですぐに結果が分かる」という点が最大の特徴だと思っています。様々な方に活用いただけると考えていますが、特に栄養に関心のある方の食習慣の改善や栄養指導の場での活用いただけると考えています。さまざまな場面で気軽に使っていただくことで、今まで気づいていなかったことに気づくという場面が増えると思います。また、気づいて理由を考えるという意識変容、そして行動変容につながると考えています。

個人的な話をいたしますと、私もVivooを使ってみて、好物のラーメンを食べると翌日は確実に食塩摂取量のレベルに影響が出ることに気づき、スープを飲む量を少し気をつけるようになりました。また、夫婦そろって同じようにレポートが変化していることもわかりました。やはり家庭内で同じものを食べていることの結果が、しっかり反映されるのだと思います。意外なところでは、ふだんは水分レベルのスコアがあまり良くない早朝第一尿であっても、コーヒーを飲まなかった日の翌日には水分レベルが良いことも気づきました。栄養状態を可視化できることによって私自身も食生活や生活習慣を見直すきっかけになっています。

Vivooでわかること

——いろいろな気づきがあるようですね。アスリートにも参考になりそうです。一般の方が利用する場合に、一番役立つ使い方などはありますか?

測定頻度に決まりはありませんが、栄養をモニタリングするという点では、週に1回程度の頻度で、できるだけ同じ時間、なるべく起床後最初または2回目の尿でチェックしていただくと良いのではないかと思います。

また、企業単位で従業員の方それぞれの健康管理ツールのひとつとして使っていただくというのもよいのではないかと考えています。ある企業の健康管理部門でサービスの紹介をさせていただいた時に、担当者の方から「年1回の特定健診の前後は、社員自身も健康への関心がやや高まるものの、年に1回ではなくもっと定期的に健康に向き合ってもらいたいと思っている。例えば四半期に1度程度、Vivooで測定して栄養や健康に目を向けてもらうきっかけになれば」というお話もいただきました。

ほかには、喫煙習慣の有無でビタミンCのスコアが大きく異なるということも見えてきています。

——タバコを吸っている人に、その影響を可視化して示すのにもVivooが役立ちそうですね。特定健診後の特定保健指導における栄養指導での活用も考えられますか?

Vivooの測定結果を管理栄養士さんと共有していただくことで、管理栄養士の方もより具体的に栄養指導ができるのではないかと考えています。Vivooには便利な機能がありまして、LINEなどを使ってレポートを簡単に他者と共有することができます。共有先に管理栄養士の方を設定しておけば、日々の栄養状態のアドバイスを受けたりすることもできるかもしれません。

——栄養指導の新しいコミュニケーションツールになりそうですね。

アスリートでの活用法 「水分量、栄養素の摂取状況、パフォーマンスUP」

——スポーツ領域ではどのような使い方があるとお考えですか?

アスリートの方やコーチ、スポーツ栄養士の方へとくにお伝えしたい、Vivooの特徴の生かし方は、水分量、栄養素の摂取状況、そして栄養管理によるパフォーマンス向上の三つです。

——順番に伺いますね。まず水分量における活用の仕方は?

アスリートにおいて水分摂取は非常に重要で、パフォーマンスにも大きく影響します。

Vivooは、あるプロスポーツチームでも採用され活用いただいているのですが、そのチームのデータを見ると、トレーニングや試合前の段階で、選手の大半において水分摂取量がかなり不足している状態にあることがわかりました。この事実に、アスリート自身や指導者の方も気付かずに試合に参加したりトレーニングを行っている可能性があり、その状態を改善するきっかけにしていただけます。

——栄養素の摂取状況とは?

アスリートの方は日々の激しいトレーニングによって、酸化ストレスが高まり、抗酸化ビタミンが必要なケースもあるのではないでしょうか。これもあるプロチームで、Vivooの酸化ストレスの項目が平均スコア以上の選手が多数いらっしゃいましたがその選手たちのビタミンCの判定結果は良好なことが多いという結果でした。

Vivooの結果をトレーニング内容や栄養指導に反映して、改善していくこともできるのではないでしょうか。

一方、アスリートの中には栄養素の過剰摂取されている方がいるかもしれませんので、参考にしていただけるのではないでしょうか。

尿にはたくさんの貴重なデータが含まれています。トイレに流す前に「Vivoo」で活用しよう!
尿にはたくさんの貴重なデータが含まれています。トイレに流す前に活用しよう!

——Vivooはどこで購入できますか?

公式通販サイトで販売しています。店頭販売をしてはならないというわけではないのですが、栄養モニタリングを目的としたサービスですので、このサービスの特長を知ってもらうため、現時点では販売チャンネルは公式サイトのみとしています。定期購入していただくとディスカウントされますので、それもぜひご検討ください。

Vivoo公式サイトへ

栄養指導と公衆衛生対策の新たなステージを予感させるツール

「食事の摂り方はこうあるべき」という理論に基づいて、これまで栄養指導が行われてきました。ポピュレーションアプローチでも、その理論に則して、食べるべき食品や控えるべき食品とその量を伝えるという手法が中心です。

しかし、中高年男性の肥満化傾向、国民全体の塩分摂取量下げ止まりなどをみると、この手法は限界に達しているとも言えそうです。これに対してVivooは、何をどれだけ食べ過ぎている/不足しているか、バランスの良し悪しを6項目から測定するという、新しいサービス。

どちらかの手法を一択というのではなく、両者を上手に使って栄養指導に役立てることで、栄養指導の新たなステージに向かえるのではないか、インタビューを通してそう感じました。もちろん、当サイトをご覧のアスリートやスポーツ栄養士にとっても、一度は試して損はないアイテムと言えそうです。

前編を読む

関連情報

尿を用いた栄養モニタリングサービス「Vivoo」(大塚製薬)

Vivoo公式サイト(Vivooとは?、測定項目、使い方、Q&A、購入方法ご案内)
Vivoo販売ページ(オオツカ・プラスワン)

プロフィール

  • 金澤 慎太郎さん(大塚製薬株式会社ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部)
    金澤 慎太郎(かなざわ しんたろう)さん
    大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部
    1987年生まれ。新潟県出身。米国ネバダ州立大学ラスベガス校教育学部卒業。2010年4月、大塚製薬株式会社入社。 ニュートラシューティカルズ事業部福岡支店、MBA留学(米国ワシントン大学)、事業戦略室を経て、2017年3月から現職。
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