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6~13歳の女児が健康的な食事をしているかは、世帯収入と母親の食習慣から予測可能 米CDCの研究

米国で行われている、がんの遺伝に関する疫学研究のデータを解析した結果から、母親の食習慣から、子ども(女児)が健康的な食事をしているか否かを予測可能であることがわかった。米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention;CDC)の研究グループによる研究。

6~13歳の女児が健康的な食事をしているかは、世帯収入と母親の食習慣から予測可能 米CDCの研究

乳がんの家族歴による罹患リスク上昇には、生活習慣の類似も関与している?

子どもや若年者の食習慣や身体活動は、親の影響を受けることが知られている。食事に関しては、好みの傾向と摂取量に影響が現れる。これは、モデリング効果と呼ばれるもので、親や兄弟などの他の人を見て模倣することで身に付く習慣と解釈されている。このモデリング効果は、男子よりも女子により強く認められる。

他方、女性で最も多いがんは乳がんであり、その罹患率は世界的に増加している。家族歴のある女性は乳がんリスクが高いが、これには遺伝的因子だけでなく、生活習慣が似ているための影響もあると考えられる。遺伝的因子は修正できないものの、生活習慣は変更可能。乳がんリスクに関連のある食事成分は明らかでないものの、肥満が乳がんリスクを高めることから、成長後の乳がんリスクが高いと想定される子どもの食習慣がどのように身に付いていくのかを理解することは、重要と考えられる。

このような背景のもと、CDCの研究グループでは、乳がんリスクに関する疫学研究である「LEGACY (Lessons in Epidemiology and Genetics of Adult Cancer from Youth」研究のベースラインデータを用いて、各世帯の女児とその母親の食習慣や身体活動習慣、父親の身体活動習慣、家族関係などとの関連を検討した。

乳がんの疫学調査登録者を対象とする研究

LEGACY研究は2011年にスタートしたコホート研究で、参加者は米国とカナダの5地域の居住者。乳がん家族登録に登録されている母親に連絡を取り、6~13歳の女児の有無を確認し、女児がいる場合は本研究への参加の意志を確認。

研究参加の同意が得られたのは1,040人で、10歳以上の子どもは自分自身で食習慣に関するアンケートに回答してもらい、10歳未満の子どもは母親とともに回答してもらった。その他、保護者には世帯収入などに関する質問に答えてもらった。

子どもの食習慣はHEIスコアで評価

子どもの食習慣の評価には、米国立がん研究所などが策定した「HEI(Healthy Eating Index)スコア」を用いた。HEIスコアは0~100点の範囲で、点数が高いほど食事の質が高いと判定される。

母親の食習慣の評価には、野菜や菓子の摂取頻度などを問う7項目からなる調査票を用いた。野菜の摂取頻度が高い場合はプラスとなり、菓子の摂取頻度が高い場合はマイナスとなるといった指標であり、スコアの範囲は0~42点で、点数が高いほど食事の質が高いと判定される。

このほか、子どもには身体活動の頻度や週あたりの身体活動時間を保護者に質問した。また、家族関係スコア、父親の身体活動、子どものBMI、人種/民族、世帯収入などを潜在的な交絡因子として把握した。

乳がん家族歴の有無にかかわらず、母親の食事スコアは独立した予測因子

研究参加者1,040人の平均年齢は9.63±2.36歳で、584人(56.1%)は乳がんの家族歴を有していた。

家族歴陽性群と陰性群との間に、人種/民族(p<0.001)、父親の教育歴(p=0.002)、世帯収入(p=0.048)、住宅タイプ(p=0.04)に有意差がみられたが、母親の教育歴と子どものBMIには有意差がなかった。

母親および父親の身体活動、世帯収入、母親の食事スコアと正相関

二変量相関分析の結果、評価した項目の二項間の相関で有意なものとして、以下の関連が認められた。

まず、子ども(女児)のHEIスコアとの有意な相関が認められたのは、母親の食事スコア(r=0.25,p=0.003)、母親の身体活動(r=0.12,p=0.002)、父親の身体活動(r=0.08,p=0.01)、および世帯収入(r=0.13,p=0.006)だった。

また、母親の身体活動は、父親の身体活動(r=0.13,p=0.009)、母親自身の食事スコア(r=0.29,p=0.001)と正相関し、子どものBMIとは逆相関した(r=-0.07,p=0.03)。母親の食事スコアは、世帯収入(r=0.21,p=0.001)と正相関し、子どものBMIとは逆相関した(r=-0.14,p=0.008)。

母親の食事スコアと世帯収入が独立した予測因子

次に、母親および父親の身体活動、家族関係スコア、母親の食事スコア、子どもの年齢・人種/民族・スポーツへの参加、および世帯収入を説明変数とする回帰分析を施行。その結果、子どものHEIスコアを独立して予測する因子として、母親の食事スコア(β=0.71〈95%CI;0.46~0.88,p=0.005〉)と、世帯収入が10万ドル以上(β=3.28〈同0.79~5.78,p=0.0025〉)の2項目が抽出された。なお、本研究では世帯収入が10万ドル以上の世帯が48.2%を占めている。

これを、乳がんの家族歴の有無別に検討すると、家族歴陽性群では、母親の食事スコア(β=0.73〈0.42~1.03,p=0.006〉)、および世帯収入が10万ドル以上(β=6.24〈2.68~9.80,p=0.004)となり、全体解析と同じ2項目が有意な因子として抽出された。一方、家族歴陰性群では、母親の食事スコア(β=0.62〈0.29~0.95,p=0.001)は有意な予測因子だったが、世帯収入は非有意となった。

この結果を基に研究者らは、「母親の食習慣と世帯収入は、その世帯の女児の健康的な食生活に関係しているが、世帯収入に関しては乳がんの家族歴の有無により異なる。今後の研究では、世帯収入が乳がんまたは他のがん種の家族歴がある家庭にどのような違いを生むのかを明らかにする必要がある」と述べている。

文献情報

原題のタイトルは、「Mothers’ Diet and Family Income Predict Daughters’ Healthy Eating」。〔Prev Chronic Dis. 2021 Mar 18;18:E24〕
原文はこちら(CDC)

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