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個別栄養指導が集団指導より効果的 RCT対象のシステマティックレビューのエビデンス

栄養食事指導に際して、複数の人を対象に教室形式で行うよりも、個別指導のほうが効果が上がると考えられる。ただし、今回紹介する論文の著者によると、「個別指導のほうが優れていることを証明した無作為化比較試験(randomized controlled trial;RCT)のシステマティックレビューはまた実施されておらず、本研究が初めて」とのことだ。早速、内容をみてみよう。

個別栄養指導が集団指導より効果的 RCT対象のシステマティックレビューのエビデンス

2009年以降の健常者対象の無作為化比較試験を検索

文献検索には、EMBASE、PubMed、およびCINAHLの3件が用いられた。検索対象は、2009年7月~2020年6月に公開された論文。

採用基準は、無作為化比較試験であること、栄養指導介入が行われていること(多因子介入も含む)、対象が健康な成人(18歳以上)であることで、除外基準は、対象が疾患罹患者である研究、観察研究、動物研究、比較対照群を置いていない研究、および英語以外の論文。なお、これらの工程は、「PRISMA(preferred reporting items for systematic reviews.システマティックレビューとメタ解析のための優先報告事項)」に準拠して行われた。

2名の研究者が独立してレビューを行い採否を検討し、3人目の研究者が確認した。意見の不一致は討議により解決した。

検索で5,465件の論文がヒットし、重複およびタイトルとアブストラクトに基づいて3,972件が除外された。全文がレビューされたのは122件で、最終的に11件の研究が選択基準を満たすものとして抽出された。

11件の研究の特徴

11件の研究は、参加者数が57~1,488人に分布し、年齢は18~79歳だった。1件は女性のみを対象としていたが、それを除くすべての研究が、男性と女性の双方が参加者に含まれていた。5件は欧州からの報告で、他に米国とカナダからの報告が3件ずつだった。

観察期間は、3カ月以内が4件、6カ月が4件、12カ月が3件だった。また5件の研究は行動変容モデルを研究デザインに組み入れていた。食事摂取量は、24時間思い出し法、食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire;FFQ)などで評価していた。遺伝子情報に基づいた栄養指導介入を行った研究も複数あった。

研究の質については、すべての研究のバイアスが低く、データ収集と解析手順が適切であり、総合評価が高質と判定された。

11件中8件の研究が、個別指導が優れていることを報告

11件の研究のうち8件は、観察期間中の少なくとも1時点以上で、対照群に比べ個別指導群の食事摂取量が適切に近づくことを報告していた。2件の研究は、個別指導によって6カ月を通して全体的な食習慣が改善し、総摂取エネルギー量、赤肉、塩分、飽和脂肪、葉酸の摂取量に好ましい影響が確認されたことを報告していた。

1件の研究は、遺伝子情報に基づいた個別指導を行った場合に、有意な改善が認められる可能性を報告していた。ただし、全体的には遺伝子情報が食事摂取の改善に効果的であるとのエビデンスは、ほとんど示されなかった。

対象者の年齢や性別による相違からの考察

11件の研究参加者の年齢層は異なるが、介入対象者の年齢による栄養指導効果の差について、著者らは以下の考察を述べている。

若年成人は介入による変化を受け入れ、食生活を変更する傾向が強いように思われるが、一方で変更した食生活を維持し続ける確率が低い可能性も考えられる。逆に高齢者に対しては、強い動機付けとともにより高いハードルを設定できるかもしれない。

また、性別での比較では、女性は男性よりも栄養関連の研究に参加することが多く、本検討の対象も女性参加者の割合が高かった(52~100%)。個別栄養指導に関する研究は、男性に特有の行動変容の動機付けを、より積極期に検討する必要がある。

フィードバックの頻度が高いことが介入効果を高める

前記の考察に関連することとして、本検討からも、少なくとも高齢者の場合は、6カ月時点で認められた食生活の改善効果が12カ月時点でも持続している可能性が高いことが示唆された。

介入効果を高めるその他の因子としては、情報フィードバックの頻度が挙げられる。具体的には、情報フィードバックの頻度が高いほど、食事摂取量の変化が大きくなり、かつ、継続率も高まることが示された。

著者らは本検討の結論として、「このシステマティックレビューは、健康な成人集団を対象とする栄養介入において、対象者の食事情報、遺伝子型、および生活習慣の組み合わせに基づく個別栄養指導が、一般的な食事アドバイスよりも、食事摂取量を改善するというエビデンスである。個別栄養介入のエビデンスをさらに強化するため、より適切に設計された無作為化比較試験が必要とされる」とまとめている。

文献情報

原題のタイトルは、「Does Personalized Nutrition Advice Improve Dietary Intake in Healthy Adults? A Systematic Review of Randomized Controlled Trials」。〔Adv Nutr. 2020 Dec 12;nmaa144〕
原文はこちら(Oxford University Press)

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