WADAが2018年のアンチドーピング規則違反レポートを公表 前年比6.5%増の1,923件
世界アンチ・ドーピング機関(World Anti-Doping Agency;WADA)は12月10日、「アンチ・ドーピング規則違反(Anti-Doping Rule Violations;ADRVs)」の2018年のレポートを刊行した。同レポートの刊行は6回目。2018年の1年間に1,923件の違反が確認され、これは前年の2017年の1,804件から6.5%増。なお、2017年もその前年の2016年比で13%増だった。
有害判定率は1%。判定後に6割が制裁、1割は保留
2018年には、アンチ・ドーピング機関(Anti-Doping Organizations;ADOs)によって、26万3,519件の検体が収集された。分析により、このうち2,771件(1%)が有害(Adverse Analytical Findings;AAFs)と判定された。
2,771件のうち、2020年3月2日時点で1,640件(59%)は規則違反と裁定され制裁措置がとられた。333件(12%)は、正当な医学的理由が認められた。381件(14%)は、医学的理由以外の正当な理由が認められた。101件(4%)は、アスリートが免罪され「制裁なし」となった。316件(11%)は保留中だった。
種目ではボディービル、国籍ではロシアが最多
2020年3月2日時点で制裁措置がとられた1,640件は、男性アスリートが1,269人(77%)、女性アスリートが371人(23%)だった。競技種目は92種目、国籍は117カ国だった。
競技種目と国籍の上位10位は以下のとおり。
順位 | 競技 | 件数 | 上位10種目に 占める割合(%) |
---|---|---|---|
1 | ボディービル | 261 | 20.5 |
2 | 自転車 | 221 | 17.3 |
3 | 体操 | 193 | 15.1 |
4 | パワーリフティング | 164 | 12.9 |
5 | ウエイトリフティング | 157 | 12.3 |
6 | レスリング | 67 | 5.3 |
7 | ラグビー | 57 | 4.5 |
7 | ボクシング | 57 | 4.5 |
9 | フットボール | 56 | 4.4 |
10 | 水泳 | 39 | 3.0 |
順位 | 国 | 件数 | 上位10カ国に 占める割合(%) |
---|---|---|---|
1 | ロシア | 144 | 16.3 |
2 | イタリア | 132 | 15.0 |
3 | フランス | 114 | 12.9 |
4 | インド | 107 | 12.1 |
5 | ウクライナ | 78 | 8.9 |
6 | アメリカ | 73 | 8.3 |
7 | ベルギー | 65 | 7.4 |
8 | 中国 | 63 | 7.2 |
9 | ブラジル | 54 | 6.1 |
10 | カザフスタン | 51 | 5.8 |
関連情報
WADA publishes Anti-Doping Rule Violations Report for 2018(WADA)