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朝食を抜くと動脈硬化の進展(PWV)に影響、糖尿病患者で有意差

糖尿病患者を対象とした検討から、朝食の欠食が動脈硬化の進展に影響することを示すデータが報告された。順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の研究グループによる論文が「BMJ Open Diabetes Res Care」に発表されるとともに、同大学のWebサイトにニュースリリースが掲載された。

朝食の欠食はやはり良くない 糖尿病患者での検討で動脈硬化進展(PWV)に有意差

5年にわたり、PWVを継続測定

糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞など、動脈硬化を基盤とする心血管イベントの発症を増加させる。そのため糖尿病治療では動脈硬化の抑制が治療の鍵となる。これまでの報告では、2型糖尿病患者では、高齢、血糖管理不良、糖尿病罹病期間の長さ、脂質異常症、高血圧などが動脈硬化を促進する危険因子であることが報告されている。ただし生活習慣と動脈硬化進展速度の関連は十分に明らかになっていない。

著者らは、生活習慣が2型糖尿病患者の動脈硬化の進展に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、心血管イベントの既往のない患者を対象に脈波伝播速度(PWV)により動脈硬化の進展を測定、生活習慣との関連を検討した。

PWVとは

pulse wave velocityの略。心臓からの血液が押し出される際に生じる動脈の脈動が末梢へと伝播する波が脈波であり、血管壁の柔軟性が失われ硬く変化しているほど脈波は速く伝わる。この原理を利用し、動脈硬化の進展レベルを測定する検査。国内では、両上腕と両足首に血圧測定カフ(腕帯)を巻いて測定する方法(brachial-ankle PWV;baPWV)が一般的で本研究でもこの方法を用いている。

順天堂医院、セコメディック病院、那珂記念クリニックの外来2型糖尿病患者のうち、心血管イベントの既往のない736名(57.8±8.5歳、男性63%、HbA1c7.0±1.0%、糖尿病罹病期間9.9±7.2年)に対し、アンケートにより生活習慣を調査。研究開始時点、2年後、5年後にbaPWVを測定し、生活習慣と動脈硬化の進展の関連を解析した。生活習慣アンケートでは、朝型あるいは夜型などの生活パターン、睡眠時間、睡眠の質、うつ状態、摂取エネルギー量、身体活動量、飲酒・喫煙習慣、朝食の欠食や夕食の時間などの情報を得た。

朝食の欠食が多い糖尿病患者は、他のリスク因子を調整後も、PWVが高値で推移

その結果、朝食の欠食回数が多い患者は毎日朝食をとる患者に比べ、baPWVが高値で推移していることがわかった。動脈硬化の進展のリスク因子である、性別や血糖管理状態、血圧などの因子で調整しても、朝食の欠食回数は、baPWV高値持続に関連していた。

さらに、1週間の朝食の回数により層別化し、各群の生活習慣の特徴を検討したところ、朝食の回数が4回/週未満の患者は、夜型の生活パターン、睡眠の質が不良、うつ傾向、アルコールの摂取量が多い、夕食時間が遅い、中食や外食の頻度が多いなど、健康に悪い生活習慣が集積していた。そのような患者は研究期間中5年にわたり、BMI高値、HDL-C(善玉コレステロール)低値、尿酸値高値、そしてbaPWV高値であることがわかった。

朝食の欠食と動脈硬化進展の関係

朝食の欠食と動脈硬化進展の関係

朝食の回数が4回/週未満で欠食傾向のある糖尿病患者は、欠食のない糖尿病患者に比較して、研究期間の5年間にわたりbaPWVが高値で推移していた
(出典:順天堂大学プレスリリース)

これにより、朝食の欠食が多い糖尿病患者は、他の動脈硬化の危険因子とは独立して、朝食の欠食が動脈硬化進展に影響している可能性が明らかになった。

著者らは「日本の健常人を対象としたコホート研究からは、朝食の欠食が脳卒中の増加に関連することが報告されているが、本研究では、2型糖尿病という動脈硬化リスクが高い状態にある患者において、朝食の欠食が動脈硬化をさらに促進させる可能性があることを示した」とまとめている。また「今後は、血管イベントを引き起こす生活習慣を明らかにし、その生活習慣への介入が動脈硬化や心血管イベントの抑制に繋がるかを検証する予定」という。

プレスリリース

朝食の欠食が糖尿病の血管硬化に悪影響を与えることを明らかに~動脈硬化予防のための朝食の重要性~(順天堂大学)

文献情報

原題のタイトルは、「Breakfast skipping is associated with persistently increased arterial stiffness in patients with type 2 diabetes」。〔BMJ Open Diabetes Res Care. 2020 Feb;8(1)〕

原文はこちら(BMJ Publishing Group)

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