平成30年 国民健康・栄養調査(1)栄養・食生活、身体活動等に関する状況
厚生労働省は14日、平成30年「国民健康・栄養調査」結果の概要を公表した。今回の調査では、世帯所得と生活習慣の関連が重点項目として調査された。その結果、世帯所得が低いカテゴリーでは、摂取エネルギー量が低く、栄養バランスの良い食事をしている割合が低く、平均歩数が少なく、健診受診者率が低いことなどが明らかになった。また、加熱式タバコの使用状況について初めて調査が行われた。主な結果を2回に分けて紹介する。
栄養・食生活に関する状況 ~ 20代女性のカルシウム摂取量は384mg
1日あたりの平均摂取量
- 1日あたり平均摂取エネルギー量は、ちょうど1,900kcalだった(男性2,120kcal、女性1,704kcal)。
- 食塩は10.1g(男性11.0g、女性9.3g)で、この10年間いずれも有意に減少している(平成21年は男性11.9g、女性11.8g)。年齢階級別では男女とも60代で最も多く、男性11.6g、女性9.9g。なお、健康日本21(第二次)の目標は8g。
- 野菜摂取量は281.4g(男性290.9g、女性273.3g)で、この10年間有意な変化はない。年齢階級別では男女ともに20~40代で少なく、60歳以上で多い。なお、健康日本21(第二次)の目標は350g。
- カルシウム摂取量は505mg(男性514mg、女性497mg)。20代の女性は384mgと極めて少ない。
食品の選択基準
- 食品を選択する際に重視する点は、男女ともに「おいしさ」が多く、男性の74.4%、女性では77.4%。性別による違いが大きい項目は、栄養価、季節感・旬、安全性、鮮度、価格で、いずれも女性のほうが重視している。
- 主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べることが、「ほとんど毎日」なのは、男性45.4%、女性49.0%。いすれも若い世代ほどその割合が低い。主食、主菜、副菜の3つを組み合わせて食べることができない理由は、男女ともに「手間がかかる」が最も多い。
身体活動・運動、睡眠に関する状況 ~ 運動習慣のある女性の割合が10年で有意に減少
運動習慣のある人の割合
運動習慣のある(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している)者の割合は、男性31.8%、女性25.5%。この10年間で男性は有意な変化はなく、女性は有意に減少している。年齢階級別にみると男女ともに20代で最も低く、それぞれ17.6%、7.8%。なお、健康日本21(第二次)の目標は、20~64歳の男性36%、女性33%、65歳以上の男性58%、女性48%。
運動習慣のある者の割合の年次推移(左図は未調整の割合、右図は年齢調整後※)
1日あたりの平均歩数
男性は6,794歩、女性は5,942歩で、この10年間いずれも有意な変化はない。なお、健康日本21(第二次)の目標は、20~64歳の男性9,000歩、女性8,500歩、65歳以上の男性7,000歩、女性6,000歩。
1日あたりの平均睡眠時間等
睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性34.5%、女性34.7%。6時間未満の割合は、男性36.1%、女性39.6%であり、男性の30~50代と女性の40~60代では4割を超えていた。直近の1カ月間、睡眠で休養が十分とれていない者の割合は21.7%であり、この10年間で有意に増加している。