スポーツ庁「スポーツエールカンパニー」533社認定 アンケート調査結果も公表
スポーツ庁は、働き盛り世代のスポーツ実施を促進し、スポーツに対する社会的機運の醸成を図ることを目的に、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定している。12月23日、令和元年度の「スポーツエールカンパニー」として531社を認定した(1月17日に2社を追加認定し、合計533社)。平成30年度の認定企業を対象に行ったスポーツの実施による効果に関するアンケート調査の結果も公表した。また、令和元年度「体力つくり優秀組織表彰」の選考結果を発表した。
スポーツエールカンパニーの認定
平成30年度に同庁が実施した世論調査では、成人の週1回以上のスポーツ実施率は55.1%という結果だが、20~50代のいわゆる「働き盛り世代」では全体の平均よりも低い(20代50.1%、30代47.8%、40代46.7%、50代49.6%)。これらの世代では、仕事や家事・育児によりスポーツを実施する時間がないことを理由に挙げる人が多く、健康的なライフスタイルを定着させるためには、1日の大半を過ごす職場において、スポーツに親しむきっかけづくりを進めていくことが重要。そのため同庁では平成29年度より、このような従業員の健康増進のため、スポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業を「スポーツエールカンパニー」として認定している。
令和元年度に認定された531社には、以下のような事例が含まれる。年間3日間のスポーツ休暇制度を導入しているブリヂストンスポーツ株式会社、アスリート社員を「ウェルビーイング大使」に任命し、大使主催の従業員向けイベント等で健康・運動に関する改善策の提案・指導を実施している東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社、チーム対抗ウォーキング大会(携帯電話を使った歩数イベント)や業務時間中のストレッチ時間の設置等を行っている株式会社カスタマーリレーションテレマーケティング、四国八十八ヶ所のうちの1の霊場まで約6kmを清掃しながらウォーキングする「お遍路ウォーキング」等を行っている株式会社高知銀行など。
同庁では、本制度により従業員がスポーツに親しめる環境づくりを進める企業の社会的評価が向上することで「働き盛り世代」をはじめとして、国民全体のスポーツ実施率の向上につなげていくとしている。
スポーツの実施による効果に関するアンケート調査の結果
平成30年度の認定企業347社を対象として、企業および従業員を回答者とするアンケートをWebで行った。企業アンケートは193社から回答があり、従業員向けアンケートについては193社の従業員1,095名から回答があった。
調査結果からは、認定企業の従業員は同年代と比較して、運動・スポーツの実施頻度が高く、企業の取り組みにより健康増進や社内のコミュニケーションの活性化を実感していることなどが示された。職場でスポーツを行う環境が提供されることにより、単にスポーツの実施機会が増加するだけでなく、スポーツに前向きに取り組めるような雰囲気が醸成されることが、スポーツエールカンパニーのもたらす重要な効果であると考えられた。また企業としては、コミュニケーション活性化によるイノベーションの創発、生産性の向上(欠勤・離職の減少)などの効果もみられるという。
体力つくり優秀組織表彰
文部科学大臣賞として、愛知県犬山市、和歌山県岩出市、 広島県福山市運動普及推進員連絡協議会、関東ITソフトウェア健康保険組合が、体力つくり国民会議議長賞として、千葉県佐倉市、東京都武蔵野市、和歌山県すさみ町、熊本県高森町、ホトニクス・グループ健康保険組合、ヤマウチ株式会社鹿沼工場が選ばれた。令和2年2月7日に島根県松江市にて表彰式を行う。関連情報
令和元年度「スポーツエールカンパニー」として531社を認定
スポーツの実施による効果に関する調査について
令和元年度体力つくり優秀組織表彰について