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運動したいけど…していない人の存在とその理由が明らかに スポーツ庁が運動状況の実態調査結果を公表

スポーツ庁は3月11日、令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の結果を発表した。20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率は52.5%、スポーツ実施希望率は66.6%と乖離がみられ、とくに20~40代女性で乖離が大きいことなどが報告されている。また同庁は同日、「障がい児・障がい者のスポーツライフ調査」の結果も発表した。障害者のスポーツ実施率は20歳以上で32.8%、7~19歳で38.5%だという。二つの調査結果のポイントをあわせて紹介する。

運動したいけど…していない人の存在とその理由が明らかに スポーツ庁が運動状況の実態調査結果を公表

令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」

主なポイント

性年代別のスポーツ実施率とスポーツ実施率の推移

20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率は、52.5%となり、令和4年以降ほぼ横ばいとなっている。男女別では、男性が55.6%、女性が49.6%となっており、引き続き男性より女性の実施率が低く、かつ男女の差が拡大している。また、年代別では、20代~50代の働く世代で引き続き低い傾向となっている。

図1 20歳以上のスポーツ実施率の推移(週1日以上)

20歳以上のスポーツ実施率の推移(週1日以上)

(出典:スポーツ庁)

図2 性年代別スポーツ実施率(週1日以上)

性年代別スポーツ実施率(週1日以上)"

(出典:スポーツ庁)

運動・スポーツを週1日以上実施したいと思う者の割合(スポーツ実施希望率)

20歳以上の週1日以上のスポーツ実施希望率は、66.6%(男性68.1%、女性65.3%)となっている。スポーツ実施希望率と実際のスポーツ実施率の差を見ると、高い順に40代女性(19.9%)、30代女性(18.6%)、20代女性(17.6%)となっている。

表1 性年代別スポーツ実施希望率

性年代別スポーツ実施希望率

(出典:スポーツ庁)

図3 年代別スポーツ実施希望率とスポーツ実施率

年代別スポーツ実施希望率とスポーツ実施率

(出典:スポーツ庁)

勤務先での運動・スポーツ実施環境とWell-being(ウェルビーイング)

勤務先で運動・スポーツを活用した取り組みがなされている者の充実感と幸福感は7.3点(10点満点)となり、取り組みがなされていない者の得点を上回っている。

図4 勤務先における取り組みの有無別スポーツ実施率(週1日以上)

年代別スポーツ実施希望率とスポーツ実施率

(出典:スポーツ庁)

表2 運動・スポーツを活用した取り組み上位3項目

運動・スポーツを活用した取り組み上位3項目

(出典:スポーツ庁)

その他のポイント

女性のスポーツ実施の特徴

女性の「この1年間に実施した種目」で多かったのは、一番多いウォーキングを除くと「体操(16.5%)」「トレーニング(11.1%)」「エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス(11.0%)」の順となっている。男性に比べて女性の実施割合が高い種目は「体操」「エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス」「ダンス」となっている。

図5 この1年間に実施した種目(女性の割合上位20種目)

この1年間に実施した種目(女性の割合上位20種目)

(出典:スポーツ庁)

都道府県別のスポーツ実施状況

令和4年度から令和6年度までの3年分を合わせた20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率を都道府県別に算出した。都道府県別のスポーツ実施率は、高い方から東京都(56.6%)、神奈川県(54.7%)、奈良県(54.5%)、福岡県(54.3%)、千葉県(54.1%)であった。

図6 都道府県別のスポーツ実施状況

都道府県別のスポーツ実施状況

(出典:スポーツ庁)

スポーツ参画状況(する・みる・ささえる)と幸福感

この1年間でスポーツを「する」「みる」「ささえる」のいずれかに参画した者の割合は80.7%(男性85.0%、女性76.3%)。スポーツへの参画の仕方によって幸福感に差があり、複合的な参画ほど幸福感が高まる傾向がみられ、「する・みる・ささえる」すべてに参画した者は、日常生活の幸福感(7.7点/10点満点)が最も高い。

図7 スポーツ参画状況(する・みる・ささえる)と幸福感

スポーツ参画状況(する・みる・ささえる)と幸福感

(出典:スポーツ庁)

令和6年度「障がい児・障がい者のスポーツライフに関する調査研究」

障害者の運動・スポーツの実施率について

過去1年間に運動・スポーツを行った日数についての調査結果より、実施頻度が週1日以上の実施者の割合について、20歳以上と7~19歳に分けて集計した。その結果、20歳以上では32.8%、7~19歳では38.5%であった。令和5年度と比較すると、週1日以上の実施率は、20歳以上は横ばい、7~19歳は増加となった。

図8 障がい児・障がい者の運動・スポーツ実施率の推移

障がい児・障がい者の運動・スポーツ実施率の推移

(出典:スポーツ庁)

運動・スポーツに対する関心

過去1年間の運動・スポーツへの取り組みについて実施頻度別にみると、週1日以上の実施者では「満足している」が39.2%と最も多く、次いで「もっと行いたい」が26.5%であった。週1日未満の実施者で最も多かったのは「関心はない」が37.9%、次いで「行いたいと思うができない」が28.7%であった。1年間に1日も運動・スポーツを行っていない者では「関心はない」が74.7%と最も多く、次いで「行いたいと思うができない」が24.1%であった。

図9 現在の運動・スポーツへの取り組み(n=2,464)

現在の運動・スポーツへの取り組み(n=2,464)

(出典:スポーツ庁)

運動・スポーツの実施の障壁

本調査において「障害のあるあなたご自身の運動・スポーツの取り組みについて障壁となっているものは何ですか」という質問も行っている。この回答状況を、スポーツ実施の頻度や運動・スポーツへの関心により二つの層について確認したところ、以下のとおりであった。

図9 過去1年間での運動・スポーツの実施頻度が「週1日未満」の実施者のうち「運動・スポーツを行いたいと思うができない者」の障壁(n=166)

過去1年間での運動・スポーツの実施頻度が「週1日未満」の実施者のうち「運動・スポーツを行いたいと思うができない者」の障壁(n=166)

(出典:スポーツ庁)

図10 過去1年間に1日も運動・スポーツを実施しなかった「非実施者」のうち、「特に運動・スポーツに関心はない者」(n=685)

過去1年間に1日も運動・スポーツを実施しなかった「非実施者」のうち、「特に運動・スポーツに関心はない者」(n=685)

(出典:スポーツ庁)

関連情報

令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の結果を公表します(スポーツ庁)
令和6年度「障がい児・障がい者のスポーツライフに関する調査研究」の調査結果について(スポーツ庁)
令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和6年11月調査)(スポーツ庁)

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